JR西日本が管轄するJR加古川線・JR播但線の夜間留置まとめ!2023年のデータをまとめましたので、これを基に考察をしていきたいと思います!
JR加古川線は、兵庫県加古川市にある加古川駅から兵庫県丹波市にある谷川駅までを結ぶ鉄道路線です。全線が単線の路線で、1995年に発生した阪神・淡路大震災を機に全線電化を求める声が起き、2004年に全線が電化されました。
新快速が停車する加古川駅から伸びる路線ながら、列車の本数が少なく、利用者も少ないです。特に西脇市~谷川間では電化区間であるにもかかわらず、存廃議論がなされるレベルとなっています。
JR播但線は、兵庫県姫路市にある姫路駅から、兵庫県朝来市にある和田山駅までを結ぶ鉄道路線です。全線が単線となっていますが、姫路~寺前間が直流電化されています。
寺前~和田山間が直流電化されていない理由は、寺前以北ではトンネルで架線を張るスペースが無いためとされています。そのため、寺前を境に以南が電車、以北が気動車で運行されています。
また播但線ではキハ189系による特急はまかぜが運行されています。同線を介して大阪駅から姫路駅と城崎温泉駅を経由して、列車によっては鳥取駅まで運転されます。
運行系統ごとの運用状況
本記事では加古川線と播但線で運用する系統のみ記載します。
加古川線運用分(2023年)
厄神4+2本、西脇市2本
厄神3本、西脇市1本
所感
加古川線には網干総合車両所の傘下にある加古川派出所に所属する車両が運用されています。103系2両と125系1両の2種類が在籍しており、おおむね西脇市を境に運行系統が分断されています。
この運行系統分断が原因なのか、あるいは全線乗りとおすのに1時間以上かかるからなのか、加古川線は西脇市~谷川間が著しく利用者が少なく、JR西日本と自治体で存廃議論が為されています。仮に廃線にしてバス転換したとして、バス運行に必要な人員が揃うのか疑問ではありますが、動向は見守っていかなければいけないでしょう。
加古川線の輸送改善案としては、やはり1両編成の新型車両(仮称127系)を新製投入して運行系統を1種類に統一することでしょうか。1両編成は関西アーバンネットワークの旧型車から捻出することは不可能なので、新車を直接投入する必要があります。
もし新型車両が投入されれば、旧型の103系は玉突き廃車、125系は舞鶴線・小浜線あるいは宇部線・小野田線に転用となるでしょう。加古川線から125系が撤退しても他の路線で使い道があります。
JR西日本は加古川線以外で新車投入が盛んなので、財政面で1両編成の新製投入まで手を伸ばせるか分かりませんが、是非新車の投入をして欲しい所です。
播但線運用分(2023年)
豊岡1+2本、和田山1本、寺前4本
網干+1本、福崎1本、寺前7本
向日町1+5本、豊岡1本
所感
播但線は電化区間を網干総合車両所所属の103系で主に運行されており、他に特急はまかぜ向けにキハ189系、朝ラッシュの混雑対策に221系6両が運行されています。電化区間の総運用数は2両編成単位で換算すると10~11運用程度となります。
221系6両に関しては、225系6両の新製投入が現在進行形で行われていますので、来年のダイヤ改正で223系6両に置き換えられるかなと思います。少なくとも223系については播但線への入線実績があります。
とはいえ、個人的には103系の置き換えは時間の問題かなと思います。奈良支所から221系2両を12本捻出すれば播但線の運用を同列車に置き換え出来るからです。
JR西日本アーバンネットワークは225系の新製投入とともに、ダイヤ改正による朝ラッシュの減便で余剰車が大量発生しているので、旧型車の廃車が多数発生しています。2023年現在は明石所属の207系・321系に余剰車が多数存在していますので、余剰車削減の余波で播但線の103系が置き換えられるかもしれません。
一方非電化区間では普通車での利用が少ないため、キハ40形・キハ41形1両が運行されています。この区間はトンネルの断面が小さく電化設備を整備することができないらしいので、今後も気動車での運行が継続されるものと考えられます。
駅ごとの夜間留置状況
本記事では加古川線と播但線の留置状況を記載します。
加古川線
谷川
夜間留置設定なし
西脇市(合計5両)
加古川103系2両2本
加古川125系1両1本
粟生
夜間留置設定なし
厄神(留置線32両+検査線12両、合計留置両数15両)
加古川103系2両4+2本
加古川125系1両3本
105m5両4本
125m6両2本
検査線125m6両2本(建屋は45m2両分)
加古川
夜間留置設定なし
所感
加古川線は路線の起終点である加古川と谷川に夜間留置がなく、途中の西脇市と厄神から送り込む体系となっています。加古川線は他路線との直通運転はないため、厄神と西脇市以外での夜間留置は実質設定されていません。
谷川に夜間留置が設定されていないのは、やはり需要の少なさが原因でしょうか。冬季の凍結防止の観点もあるかと思いますが、やはりダイヤの不便さが夜間留置の状況からも表れています。
加古川線で線路設備面で改善が必要な点は、やはり列車交換設備の少なさ・新駅設置です。厄神~市場間に新駅設置構想がありますが、その新駅設置と小野町での行き違い設備整備により、粟生までの列車増発が可能になります。
播但線
和田山(車庫収容力15両、合計留置両数1両)
豊岡キハ40形・キハ41形1両1本
非電化側線:165m8両1本
寺前(車庫収容力16両、合計留置両数18両)
網干103系2両7本
豊岡キハ40形・キハ41形1両4本
新野
夜間留置設定なし
鶴居
夜間留置設定なし
福崎(合計2両)
網干103系2両1本
香呂
夜間留置設定なし
砥堀
夜間留置設定なし
姫路(車庫収容力70両、合計留置両数30両)
岡山113系B4両1本
岡山115系A4両1本
岡山115系D3両4本
網干221系6両1本(早朝は播但線の運用に就く)
網干223系4両・225系4両1本
所感
播但線も夜間留置は主要駅のみとなっていますが、加古川線とは異なり路線の起終点に同線向けの夜間留置が設定されています。姫路側の夜間留置は網干221系6両となっており、出庫後は播但線の朝ラッシュ対策として姫路~寺前間を1往復します。
播但線は沿線に車両基地を持たないため、夜間留置設定の多い寺前では営業線上にも設定があります。逆に言えばそれだけ利用者が多いということで、この点は加古川線とは対照的です。
また播但線には特急はまかぜとして京都キハ189系3両が乗り入れます。特急が高速で通過できるようにするため、新野・鶴居・香呂・砥堀は1線スルー構造となっています。
特急はまかぜといえば、播但線・姫路駅を経由することが大きな特徴となっていますが、播但線上で夜間留置は設定されておらず、向日町と豊岡のみとなっています。とはいえ、今後はまかぜの運用区間が姫路~和田山~鳥取となれば、姫路での夜間留置も設定されるようになるでしょう。
まとめ
ということで加古川線と播但線でした。関西アーバンネットワークに含まれていないとはいえ、使用車両はアーバンネットワークの車両が使用されていますので、必ずしも227系が投入されるとは限りません。
減便によって発生した余剰車の削減やAシート付き225系の本格導入によって、旧型車はどんどん玉突き置き換えになるでしょう。撮影はお早めに。
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