【推しの子】初の小説!「一番星のスピカ」の感想を語る!

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【推しの子】

2023年11月の第3週は【推しの子】は休載でした。代わりに発売されたのが【推しの子】初の小説「一番星のスピカ」。

今回はこちらの小説の感想を書いていきます!

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今回の小説で分かった新情報と感想

今回の小説は原作者の赤坂アカ氏が執筆されてはいないのですが、公式として集英社から出版された小説ですので、原作者の検閲が入っているのは間違いないでしょう。なので、この小説から分かった新情報を下に列挙していきます。

第一章

・旧B小町のグループの仲は結成当初良くなかった。
・旧B小町はデビュー時からアイがセンター。センターを決めたのは斉藤壱護社長。
・高峯、ニノ、めいめいは結成前から苺プロに所属していた中学生モデル。
・旧B小町はデビューから3か月で7人になった。
・アイは他人に迎合するタイプの人間ではない。
・アイはデビュー3ヶ月にして辞めることを社長に告げていた。
・社長に連れられた先で吊り目茶髪(高峯)と丸顔ボブカット(めいめい)と会う。
・吊り目茶髪と丸顔ボブカットはアイドルなのに喫煙していた。
・パーカー引き裂き事件の犯人は吊り目茶髪と丸顔ボブカット。
・アイは毎回箱の環境をチェックして運営に口を出す。一番努力をしていた。
・アイは送られたファンレターを当初読まなかったが。読んでアイドル観が変わった。
・そしてアイは博愛主義の女神となり、アイは嘘の仮面を被った。
・デビュー当初、事務所の経営は上手くいってなかった。壱護社長は借金まみれでキャバクラで出禁喰らうほどルーズだった。
・デビュー当初の社長はロマンチストだった。
・社長は就活で挫折しかけてたときに、とあるアイドルソングに救われた。

旧B小町はデビュー時からアイがセンター。センターを決めたのは斉藤壱護社長。

まず小説から分かったことは「旧B小町のセンターを壱護社長が決めた」ことです。新生B小町は現社長のミヤコさんではなくルビー・かな・MEMちょのメンバー間で決めていましたから、この点が新旧で決定的に違います

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

この違いによって、新生B小町はセンターに関してセンター以外のルビーとMEMちょが納得して活動するようになりましたが、旧B小町はセンター以外のメンバーが不満を抱えることになりました

高峯、ニノ、めいめいは結成前から苺プロに所属していた中学生モデル。

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

原作第131話でもわかっていたことではありますが、アイは旧B小町デビュー前のメンバー集めで4番目にメンバーに加わりました。では1~3番目に相当する高峯・ニノ・めいめいはというと、結成前から苺プロに所属していた中学生モデルでした。

モデル同士であれば、ライバル同士として仲が悪くなりそうなものですが、実際は当人同士の仲は良かったようです。(あるいはアイの登場によって結託するようになったのかもしれない

そしてアイは、実績なしでいきなりアイドルグループのセンターに抜擢されたことも明らかになりました。アイ加入時、アイは小学生だったこともあって、社長の采配に他の3人は不満が一気に噴出するようになったと考えられます。

旧B小町はデビューから3か月で7人になった。

旧B小町と新生B小町との違いがもう一つあります。それはメンバーの入れ替わりが激しかった点です。

小説内では、旧B小町はデビューから3か月で7人に増えたという記載があります。売れるようになるためとはいえ、新生B小町と比べるとグループの雰囲気が慌ただしかった印象がありますね。

アイは他人に迎合するタイプの人間ではない。

原作本編では既に何度か見られたことではありますが、小説内でもアイの異常性を垣間見る描写が何度かあります。

まず、アイは他人に迎合せず思ったことをズバズバ言うタイプの人間でした。旧B小町のメンバーとして他人と歩調を合わせるようなことはなく、自ら流れに逆らうような気質がありました。

アイはデビュー3ヶ月にして辞めることを社長に告げていた。

そして、アイはデビュー3ヶ月にして辞めることを社長に告げていました。旧B小町の雰囲気が3か月も経たずに雰囲気が悪くなったため、アイが抜けることで問題が解決するとアイ自身が感じていたようです。

旧B小町の不仲については、アイ自身にも問題があるように思いますが、これをきっかけとして壱護は仕事と称してアイを銀座のセレクトショップに誘うことになります。

社長に連れられた先で吊り目茶髪(高峯)と丸顔ボブカット(めいめい)と会う。

アイは社長に連れられた先で同じB小町のメンバー2人と鉢合わせになります。その2人の特長が吊り目茶髪丸顔ボブカットと表現されています。

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

吊り目茶髪はおそらく高峯のことでしょう。サインはBのジャケットを見ても一番髪色が茶髪に近いですし、一番吊り目だと思います。

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

そして丸顔ボブカットはめいめいですね。髪型をボブカットにしているのがめいめいしかいません。

余談ですが、めいめいの容姿に関して「丸顔」という表現が出て来ましたね。小説「45510」でも語り部の容姿に「チャームポイントだった丸顔」というワードが登場していました。

このことから小説「45510」の語り部はMEMちょが演じるめいめいである可能性が高まりました。

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

原作129話で「長い台詞はないしキャラも自身に近いから」とあったことから、MEMちょが演じる役に重要な役割はないと勝手に考えていましたが、そんなことは全くありませんでしたね。あくまで映画内では重要な役回りをしないというだけで、【推しの子】全体の物語としては重要な位置づけだったようです。

原作132話で45510の語り手がニノである可能性も高まりました。結局どっちやねん!
(まあ丸顔というワードだけでめいめい=45510の語り手と断定するのも変な話だが)

吊り目茶髪と丸顔ボブカットはアイドルなのに喫煙していた。

高峯とめいめいは非常に性格の悪い女の子でした。アイに嫉妬していた時点で健全な性格をしていないことは予想できましたが、あかねやMEMちょが演じるということで個人的にバイアスがかかっていたので、予想以上の性格の悪さに驚きました。

小説内では、自分たちがアイドルかつ未成年にも関わらずセレクトショップで喫煙していたとみられる描写があります。アイドルとしてのプロ意識がないのはアイもそうですが、高峯やめいめいはもっと酷いですね。

パーカー引き裂き事件の犯人は吊り目茶髪と丸顔ボブカット。

それどころか、アイに会うなり本人の前で自身の嫉妬心を憎々しげにさらけ出して罵倒しアイを泣かせたり、アイのお気に入りのサマーパーカーを引き裂いたりしていました。アイの異常性どうこう以前に、この二人は人間として失格という他ないです。

最終的には社長に見られて説教され、後日アイに謝罪めいたことを言うのですが、社長にも露骨に態度が悪い所を見せてしまう等、彼女らがセンターを取れないのは当然といった所です。(余談ですがこんなキャラとMEMちょのキャラが近いわけないですね。かなの発言は完全にズレてます)

アイは毎回箱の環境をチェックして運営に口を出す。一番努力をしていた。

対するアイは、田舎娘まるだしでプロ意識がないながらも、ライブの時は箱の環境をチェックして色々運営側に口を出していました。また小道具や衣装を自分で弄っていたり、ダンスの振り付けも他のメンバーの状態を見て自分でアレンジを加えていたりしていました。

努力の差を見ればアイがセンターでいるのは妥当と言えますね。

アイは送られたファンレターを当初読まなかったが。読んでアイドル観が変わった。

アイはデビューからわずか3か月でファンレターを送られるほどの人気をすぐに獲得していました。

しかしアイは、過去の体験からファンレターを読んでいませんでした。事務所の人間が先に検閲して、それからアイに渡すでも良かったと思いますが、そういうことはしなかったようです。

それが壱護からのアイに対する情熱と「推す喜び」について聞いて、ファンレターを読むようになりました。そのファンレターに詰まっていた情熱をこれでもかという位感じ取ったことで、アイの中のアイドル観が変わりました。

(ちなみに、このアイへのファンレターの中に天童寺さりなからの手紙はありませんでした。別にあったらあったでエモいと思うのですが、なぜかありませんでした)

そしてアイは博愛主義の女神となり、嘘の仮面を被った。

こうしてアイは、ファンレターをきっかけにアイドル観が変わり、「日本中推したい」という考えを持つようになりました。

・・・・・・なんで?

アイさん、あなた愛し方が分からなくて、まず一人目を愛することが出来なくて悩んでいたんですよね?それがいきなり日本中全員推したい・愛したいだなんて、極端から極端に振れ過ぎじゃない?

まずは自分を応援してくれるファンから愛するようになろうよ。って思ってしまいました。(別に【推しの子】という作品を咎めるつもりはないですが)あまりのロジックの繋がらなさに、アイの異常性を個人的に感じ取った次第です。

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

小説の中で「私は神ってことだよね。」「このままいけば宗教出来ちゃう勢いだよね。現人神アイ様を崇め奉る的なやつ」っていうアイのセリフが出て来ますが、冗談に聞こえないですね。実際アニメのOPを務めたYOASOBIの「アイドル」も宗教的なオペラのような合唱が曲の中に入っていますし、個人的に「神無き世界のカミサマ活動」という作品を読んで宗教や信仰がアイドルや偶像と共通する部分があることを感じているから余計に・・・って感じです。

小説を読んで、アイの教祖体質はアイ自身が意図して築き上げたものだと推察されます。そして同時にアイの人生はここからさらに歪んでいくのだと感じました。

実際アイは他のアイドルグループのメンバーを黙らせる程の、埋まることの無い実力差を見せつけ、旧B小町をドーム公演出来るまでの超人気アイドルユニットに成長させました。彼女らはアイに対してずっと不満を抱えつつも、次第にアイの実力を認めざるを得ないようになり、いつしかグループメンバーすらアイの信者になっていました。

旧B小町デビュー当初、事務所の経営は上手くいってなかった。

さて、最後に壱護に関する情報を纏めていきたいと思います。

苺プロダクションは斉藤壱護が立ち上げた芸能事務所です。立ち上げた当初はもちろん上手くいってないでしょうが、旧B小町デビュー時も上手くいってませんでした

そして壱護自身は借金まみれでキャバクラで出禁喰らうほどルーズな生活をしていました。そんな体たらくでは事務所経営が上手くいかなくて当たり前ですね。

旧B小町デビュー当初の社長はロマンチストだった。

さらに旧B小町デビュー当初の壱護は情に厚く、ロマンチストでした。高峯やめいめいがアイに対して行った所業は、タイミングによっては即解雇に繋がるようなものだったと思いますが、彼女らは解雇されず、結局アイが亡くなるまでの8年間ずっと旧B小町のメンバーとして活動しています。

しかし、小説「45510」では、壱護社長はアイに対して嫌がらせをするような子には容赦なく契約解除していました。卒業ライブも行わせない。

この方針転換のきっかけは一体何だったのでしょうか。

時間が経過するごとにアイを信奉し入れ込むようになっていったのでしょうか。それとも業界に揉まれて思考が変わっていったのでしょうか。

細かいことは未だ描写されていません。

社長は就活で挫折しかけてたときに、とあるアイドルソングに救われた。

ちなみに壱護が芸能事務所を立ち上げたきっかけは、とあるアイドルソングだそうです。もちろんB小町の曲ではないでしょうが、正直この話を聞くと壱護を主人公とした物語も書けそうですね。

小説の話から8年後、アイは熱狂的なファンに刺殺されて命を落としてしまいます。今後壱護の心が救われる日が来るのでしょうか。

私はそのキーになるのがルビーだと考えています。母親のアイを越え、多くの人の無念を晴らすことがルビーの役目・使命でしょう。

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

せっかく最愛の人から推してくれたわけですから、ルビーが突き進むべき道は一つしかありません。

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第二章・第三章

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

第二章・第三章は両方ともゴローとさりなの物語でした。内容は原作第75話の回想部分を膨らませた話で、長さも2章に分けるほど長いですが、【推しの子】を考察する上で新情報と呼べるものは少なかったです。

しかし、個人的にはゴロさりの関係性をさらに深める感動的な物語でした。この章はネタバレを減らして語りますが、個人的には第2期終了後に2時間スペシャルとか映画とかで一括放映して欲しいです。(2期で放映予定のストーリーに挟んで今回の小説の話を放映するのは尺的に不可能と考えられる)

・さりなとゴローが初めて会ったのは、さりなが12歳の時。
・さりながB小町のライブに行ったのは6月。
・ゴローにとって、さりなは恋人ではない。さりなにとって、ゴローは恋人である。
・第1話がゴローとアイの初対面ではない。
・旧B小町の曲に「初恋☆メモリー」と「推しに願いを」という曲がある。

さりなとゴローが初めて会ったのは、さりなが12歳の時。

さりなとゴローが初めて会ったのは、さりなが12歳の時で、ゴローがまだ研修医の時、さらに夏頃ということでした。小説ではさりなは1月に亡くなったということなので、さりなとゴローの交流期間は1年未満ということになります。

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

ちなみに原作第1話の回想シーンでは、さりながゴローに旧B小町のメンバーを紹介するシーンがあるのですが、窓越しに雪が降っていたので12月ごろのシーンと考えられます。

一見時間的な矛盾があるように見えるシーンですよね。しかし、これがもしさりなに記憶の混濁によるものだとすれば説明がつきます。ゴローはさりなの病状が日を追うごとに悪化していくのを感じながら会話をしていたことになります。
それを踏まえてこのシーンを見直すと湧き上がってくる感情がまた変わってきます。ゴローが浮かない顔をしていたのも、今見るとそういうことだったのかって感じですね。

さりなが旧B小町のライブに行ったのは6月。

原作75話でさりなが言っていた旧B小町のライブに行った話は6月であることが、小説の内容から判明しました。さりなとゴローが出会う前の話です。

また小説内では、ライブに行ったものの体調が崩れてライブに参加できなかったことが分かりました。この時のさりなにとっての収穫はガチャを1回回しただけ。

その時手に入れたのが、原作でもキーアイテムとなる「アイ無限恒久永遠推し!!!」と書かれたキーホルダーです。ちなみにこのキーホルダーは、壱護が丹精を込めて製作したものであることが小説内の描写から分かっています。

ゴローにとって、さりなは恋人ではない。さりなにとって、ゴローは恋人である。

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

表題の内容は小説内で明確に文字として書かれていました。ここら辺の温度差は各々の立場を考えれば納得のいく所ですが、この温度差が後の原作123話に繋がってきます

ただ、小説内で互いが互いをどう想っているかは明確に描写されました。これは今後のカップリング論争を語る上でも重要証拠と言えると思います。

つまり「将来的なアクルビとしてのゴールインは無い」ということなのですが・・・え?性格悪いって?良いじゃないか

アクあか派の私としては良識ある描写で嬉しい限り。【推しの子】はもう世間的にも大ヒットしたメジャーコンテンツなのに、血の繋がった兄妹同士が結婚なんてインモラルな展開有り得るのかって思ってましたから。

インモラルな展開はアイ・カミキ周りだけで十分ですよ。

今回の小説を読むと、ゴロさりやアクルビを恋愛関係だの恋人関係だので語るのは、恋愛脳に侵された人間あるあるの下劣で稚拙な発想だと感じます。個人的にはゴロさりというのはそういったものを超えた特別な関係だと思いました。

第1話がゴローとアイの初対面ではない。

ゴローとアイの初対面が原作第1話ではないことが判明しました。ゴローは宮崎で行われた旧B小町のライブに参加、さらにライブの後の特典会にも参加し、個別ブースにてアイとの会話も果たしています。

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

個人的にはてっきり第1話がアイとゴローの初対面だと思っていましたから、これは驚きましたね。確かに見返してみるとストーリーに矛盾がないことが分かります。

もし赤坂先生が第1話の段階でここまで見越してストーリーを描いていたとしたら凄すぎますね。

アイがわざわざ宮崎に来たのは、おそらく偶然ではありません。個別ブースにて、ゴローがアイ(または壱護)にさりなとの出会いや自身が産婦人科医を目指す研修医であることを明かしていたのかもしれません。

だとしたら、ゴローとアイを引き合わせたのはさりなということになります。なんとロマンチックなことでしょうか。

旧B小町の曲に「初恋☆メモリー」と「推しに願いを」という曲がある。

旧B小町の曲として新たに2曲追加されました。視点Bの「嘘吐きの私」を含めると3曲ですね。【推しの子】の人気を考えれば、この3曲は曲としていずれ作曲されるでしょう。

最後に

ということで小説「一番星のスピカ」の感想と新情報のまとめでした。本編の内容と程よく絡み合う良本で、是非アニメ化して欲しいと思いました。

そして、旧B小町の情報も更新しないといけませんね。色々と間違いが見つかったので修正をしておきます。

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