今後の東急田園都市線・大井町線のダイヤはどうなる?予想してみた!

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東急

お久しぶりです。ブログに記事を投稿するのは1年と4か月ぶりとなります。久々の記事投稿ですが、今回取り扱うのはズバリ田園都市線・大井町線です。

渋谷駅から中央林間駅までを結ぶ31.5㎞の鉄道路線が今後どんなダイヤになるのか、本記事で予想をしていきます。

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田園都市線・大井町線のダイヤを考察するきっかけ

田園都市線・大井町線のダイヤについて考察するきっかけとなったのは、井町線で運用されている5両編成の9000系・9020系が新車に置き換わるという発表があったことです。単純に考えれば、既存の5両18本を同じように新車の5両18本で置き換えると考える所ですが、私は単純な置き換えはないと考えました。

その根拠は大井町線の混雑状況

現在、大井町線は朝ラッシュピーク時間帯(7:30~8:30)に急行7本、各停14本の計21本が運用されています。

急行と各停の本数比率が2:1となっており、上野毛で急行に抜かれる各停が1本、旗の台で急行に抜かれる各停が1本、上野毛と旗の台で各停を追い抜く急行が1本という構成になっています。

2008年、大井町線に急行が登場してから早15年になりますが、その間に利用者動向が変化し、現在は急行に混雑が偏る状況となってきました。

また各停においても旗の台退避の各駅停車よりも上野毛退避の各駅停車の方が混雑する傾向にあり、同じ各駅停車でも混雑が偏る状況となっています。

この状況を改善するため、単純に車両の置き換えをせず、7両編成の6020系の増備をするのではないかと予想します。

7両と5両の本数比率が変われば当然ダイヤも変わりますので、その変更ダイヤを本記事で予想し、必要編成数を推定するというのが本記事の趣旨となります。

田園都市線・大井町線の列車種別・停車駅案

両線の列車種別・停車駅設定について、個人的に検討すべきと考える内容は3つあります。

優等種別の細分化

現状では急行、準急、各駅停車の3種別のみとなっています。急行は田園都市線内全区間で快速運転をしてますが、準急は一部区間のみ快速運転をしています。

準急は2007年に平日朝ラッシュの混雑平準化のために登場し、渋谷駅から二子玉川駅まで各駅に停車するのが大きな特徴でした。その後、2019年より長津田~中央林間間でも各駅に停車するようになっています。

このことから、都心に近い区間と終点に近い郊外区間の2区間で快速運転の有無の差があります。種別設定的に急行として渋谷~二子玉川間で通過運転をすると、芋づる式に長津田~中央林間間も通過運転することになります。

そのため、長津田~中央林間間の利便性を確保するために、長津田駅で急行と各停が緩急接続しています。これが原因で長津田~中央林間間の列車本数が多くなっています。

ネット上の意見では、長津田~中央林間間の本数が多いという指摘があります。個人的にも多いと思います。

これを改善するためには、渋谷~二子玉川間の通過運転の有無、長津田~中央林間間の通過運転の有無で優等種別を4パターン用意する必要があると思います。それが区間急行・区間準急の新設です。

「区間」と付く種別は渋谷~二子玉川で各駅に停車する優等列車、「準急」と付く種別は長津田~中央林間で各駅に停車する優等列車とします。これにより、沿線の利用状況に合わせて柔軟に優等列車の停車駅設定が出来るようになるでしょう。

二子新地・高津通過の専用種別の新設

大井町線を走行する5両の各駅停車には二子新地駅と高津駅の両駅を通過する緑各停と両駅に停車する青各停の2種類があります。各駅停車を名乗っているにも関わらず通過駅あるのです。

これを是正するために「普通」を新設すべきだと思います。

実際南海電鉄では、南海本線のローカル電車が今宮戎駅と萩ノ茶屋駅を通過するのに対し、高野線のローカル電車は両駅に停車します。そのため南海本線は「普通」、高野線は「各駅停車」と呼称して区別しています。

少しでも紛らわしさを緩和するため、この区別が東急にも必要だと思います。色の違いだけで停車駅の違いを判断できる一般の利用者は少ないのではないでしょうか。

急行より上位の種別を設定する案について

田園都市線のダイヤ案を予想するサイトでは、よく現行の急行よりも停車駅を削減し、速達性を向上させた種別を設定すべきという声をよく聞きます。これは田園都市線の最優等種別である急行が遅く不満であることから生まれる主張です。

ただし、個人的には急行よりも上位の種別は不要と考えます。

その理由は渋谷口の本数が12本/hに抑えられているからです。この12本/hという本数は輸送需要に対しては不安が残る本数のため、本数内訳についてはより輸送効率の高い設定が必要になると考えます。

もし快速急行を設定するなら、停車駅は渋谷、二子玉川、溝の口、鷺沼、あざみ野、青葉台、長津田、南町田、中央林間といった所でしょうか。しかし、快速急行を設定するくらいなら、東武の特急車両を使用して有料特急を運転した方が有意義だと思います。

朝ラッシュの大井町線のダイヤ予想

朝ラッシュで増発を行うと1日の必要編成数が増加するため、これを考慮し2種類予想しました。個人的には私案①が設定されると嬉しいかなと思います。

私案①:1:1で24本/h、5分間隔

急行:大井町~溝の口・・・12本/h
普通:大井町~溝の口・・・12本/h

急行と各停の本数比率1:1でピーク時間帯に24本/h、5分間隔で運転するダイヤです。

現行のダイヤと比べると5両の各停が14→12本/hで減便になる一方で、7両の急行が7→12本/hと大幅に増便となり、総輸送力が大幅に増加します。

また各停が急行を退避する駅によって偏っていた混雑が平準化する他、東横線・目黒線・池上線と本数・構成が同じになることから乗換先の路線の混雑の平準化も出来るでしょう。

必要な運用数は、後述の溝の口駅の設備増強をする場合、7両11運用、5両14運用となります。予備を含めると7両が13本、5両が16本必要です。

最後に細かいダイヤを下記に記載します。

私案②:1:1で20本/h、6分間隔

急行:大井町~溝の口・・・10本/h
普通:大井町~溝の口・・・10本/h

朝ラッシュの本数24本/h案が総本数自体を増やす案だったため、朝の総本数を増やさずに急行と各停の本数比率を1:1にすると、6分間隔・総本数20本/hになります。

現行のダイヤの総本数が21本/hであるため、それに比べると1本減となりますが、総輸送力は7両10本+5両10本で合計120両になります。

現行のダイヤは7両7本+5両14本で合計119両なので、ほとんど総輸送力に変化はありません。車両を大幅に増やさずに混雑の平準化が達成できます。

また所要時間の面でも、24本/h・5分間隔の案では溝の口駅から大井町駅間の所要時間が24分となっていますが、20本/h・6分間隔の案では23分となります。

必要な運用数は、後述の溝の口駅の設備増強をする場合、7両9運用、5両12運用となります。予備を含めると7両が11本、5両が14本必要です。

最後に細かいダイヤを下記に記載します。

朝ラッシュダイヤまとめ

ということで、大井町線のダイヤを2つ予想しましたが、これらを現行のダイヤと比較したいと思います。

現行(2019年)24本/h・5分間隔20本/h・6分間隔
7両必要数6運用8本11運用13本9運用11本
5両必要数16運用18本14運用16本12運用14本
朝ピーク1時間の供給両数119両144両120両
朝ラッシュの混雑率156.0%128.9%154.7%

上記の表の通り、1:1で24本/h・5分間隔のダイヤでは必要な編成数・両数が大幅に増加します。しかし個人的には24本/h・5分間隔のダイヤを推したいです。

現行の線路設備では大井町線の車両を増やすと車庫に収めることができませんが、後述の設備改良を施すことで、東急の敷地内だけで必要な車庫容量を確保できると考えます。

昼間の田園都市線・大井町線ダイヤ予想

朝ラッシュの必要編成数に合わせて、20分サイクルのダイヤを2種類予想しました。

私案①:大井町線1:1で12本/h、急行が全て中央林間行きの場合

区間準急:東武線~中央林間・・・6本/h
急行:大井町~中央林間・・・6本/h
各停:押上~長津田・・・6本/h
各停:大井町~溝の口・・・6本/h

現行のダイヤと比較して大井町駅に発着する急行の本数を倍の6本/h設定し、その急行が全て中央林間駅まで発着するダイヤです。

7両編成の必要数が10運用となりますので、朝ラッシュダイヤが24本/h・5分間隔を採用していれば、必要な本数を確保できます。なお5両編成は8運用となります。

逆に渋谷口のダイヤは、優等列車の種別を全て区間準急にし、12本/hのままにしました。渋谷~二子玉川間では、全列車が各駅に停車する区間準急6本/hと各停6本/hとなります。

細かいダイヤを下記に記載します。

下り

上り

ダイヤグラム

渋谷口の優等運転を廃止すべき理由

現行ダイヤでは、急行が3本/h設定されていますが、私案では設定していません。その理由は2つあります。

1つは、区間準急の対となる各駅停車を二子玉川で大井町線急行に接続させるため、そして、もう1つが渋谷口の列車本数に制約があるためです。

東急田園都市線は渋谷駅で東京メトロ半蔵門線に直通しています。渋谷駅で管轄する会社が変わり、かつ旅客動向を大きく変化します。

しかし、渋谷駅は1面2線の構造です。渋谷駅で折り返す列車を設定するのは困難です。

かつては渋谷駅止まりの列車が日中に運行されていましたが、その列車は渋谷駅に到着した後、半蔵門線内の半蔵門駅まで回送し、折り返しまた回送で渋谷駅に送り込んで、田園都市線内から旅客営業運転を行っていました。

渋谷駅始発・終着の列車はこのように、東京メトロ線内を回送する関係で、東京メトロの乗務員の手配を東急側の都合で手配する必要がありました。そういう問題もあり、2021年のダイヤ改正で廃止となりました。

私案の特徴

私案では、渋谷止まりの列車を廃止した鉄道会社側の意向を汲み取り、全ての列車が半蔵門線の押上駅まで直通するようにしています。しかし反面、全ての列車を半蔵門線直通にすると、半蔵門線側の都合に合わせて田園都市線でも渋谷駅側の列車の本数が12本/hに抑えられます。

都心に乗り入れるのに12本/hしか運行されず需要と供給に不安が残るため、最高効率で渋谷~二子玉川間の輸送が出来るよう、この区間の列車を全列車各駅停車にしました。個人的意見として、昼間の田園都市線に渋谷~二子玉川間で快速運転する列車は不要と考えます。

二子玉川駅から溝の口駅までの区間は大井町線の列車が合流してくるため、列車本数が24本/hに倍増します。そこから溝の口駅止まりの大井町線各停の本数分だけ溝の口~長津田間は列車本数が減り、結果18本/hとなります。

現行の運転本数と比べると3本/h多いです。この増加分は大井町線の急行が3→6本/hに倍増した分となります。

長津田駅から終点の中央林間までは、利用者も相当数減少していると考えられます。各駅停車6本/h全てを長津田止まりとして、大井町線急行と区間準急のみの12本/hです。

現行のダイヤでは、日中長津田止まりの列車はなく、15本/hとなっています。しかし世間の声からも明らかなように、日中急行通過駅に9本/hも列車を止めるのは過剰だと思いますので、削減させていただきました。

私案のダイヤを全体から俯瞰すると、大井町線急行6本/hと区間準急6本/hで合計12本/hの優等列車が運行されることが大きなポイントとなります。優等列車が5分間隔で運転されるので、大変便利かと思います。

また偶然ですが、多くの主要駅で発車時刻が5の倍数に揃いました。利用者にとっても覚えやすいダイヤかと思います。

ちなみに5の倍数になった駅は上りの場合、中央林間、青葉台駅、鷺沼駅、溝の口駅、三軒茶屋駅です。下りは押上駅、大手町駅、大井町駅、旗の台駅、あざみ野駅、青葉台駅となります。

各列車の接続パターン

渋谷駅を出た各駅停車は、二子玉川駅で大井町線からの急行に接続します。そのため、渋谷駅から長津田駅までの全ての駅と南町田・中央林間へ移動する利用者にとって、各駅停車は有効列車になります。

各駅停車は二子玉川駅で急行と接続した後、梶が谷駅で区間準急、江田駅で急行の追越待ちをします。そして終点の長津田駅で区間準急と接続します。

渋谷口で各停の対となる区間準急は、二子玉川駅で大井町線からの各停に接続します。そのため二子新地・高津駅利用者は乗換込みで有効列車となります。

大井町線の各駅停車は溝の口駅までなので、梶が谷駅から宮前平駅までの利用者には有効列車になりません。梶が谷駅で各駅停車を追い越しますが、区間準急は梶が谷駅を通過するからです。

逆に長津田駅から中央林間駅までの急行通過駅利用者には唯一の有効列車になります。渋谷から区間急行通過駅には10分に1本しか有効列車がありませんが、利用者の少なさを考えれば、やむを得ないでしょう。

大井町線を走行する急行は大井町駅を発車すると、まず旗の台駅と二子玉川で各停に接続、その後江田で各停を追い越します。大井町線急行を6本/hに倍増し、逆に各停を6本/hに減便させたので、各停のパターンも1本化し、利用動向がそろうでしょう。

私案②:大井町線1:1で12本/h、急行が全て長津田行きの場合

区間急行:東武線~中央林間・・・6本/h
急行:大井町~長津田・・・6本/h
各停:押上~中央林間・・・6本/h
各停:大井町~溝の口・・・6本/h

私案①に対し、大井町線急行の運行区間を長津田駅までに短縮した案です。短縮した分、半蔵門線からの各駅停車を中央林間駅まで延長し、また半蔵門線に直通する優等列車を区間準急から区間急行に格上げして利便性を確保します。

また私案①に対して、下り列車のスジを5分ずらしました。これにより、押上・大井町・長津田・中央林間での列車の折り返し時間に余裕を持たせることができ、遅延に強くなります。

7両編成の必要運用数は10運用と私案①と変わりません。5両の運用数は9運用となっており、折り返し時間を増やした分、稼働数を増やす必要があります。

接続パターンの面では私案①とほとんど変わりません。ただ、下り列車で渋谷駅を出た各駅停車は、二子玉川で接続する急行と組み合わせることで、全ての駅に対して有効列車となります。

細かいダイヤを下記に記載します。

下り

上り

ダイヤグラム

夕ラッシュの田園都市線・大井町線のダイヤ予想

夕ラッシュも予想しました。朝ラッシュ必要だった編成数に合わせて20分サイクルと15分サイクルの2種類のダイヤを予想しています。

個人的には20分サイクルを推したいです。

大井町線1:1で18本/h、3分の1の急行が長津田行きの場合

急行:大井町~長津田・・・3本/h
急行:大井町~溝の口・・・6本/h
各停:大井町~溝の口・・・9本/h

まず最初に検討するのは20分サイクルを採用した場合です。大井町線の夕ラッシュで20分サイクルを採用するとなると、急行と各停の本数は9本/hずつになるでしょう。

また田園都市線に直通する急行列車の本数は3本/hになります。昼間よりも本数が少ないですが、そうしないと7両の運用数が過剰になってしまいますし、渋谷口の列車本数を柔軟に設定できません。

また大井町線急行の運行区間を長津田までとします。これで必要運用数は7両が10~11運用、5両が11運用になり、朝ラッシュに使用した運用数とほぼ一致します。

接続パターンとしては、大井町線内では全列車が旗の台駅で緩急接続を行います。接続の有無よって各停の混雑にムラが発生することはありません。

そして、ここに田園都市線のダイヤが入り込んできます。渋谷口は特に利用者が多いので、時間帯に合わせて3種類検討しました。

昼→夕方移行ダイヤ(16:31~18:06)

区間急行:東武線~中央林間・・・3本/h
区間準急:押上~中央林間・・・3本/h
急行:大井町~長津田・・・3本/h
各停:押上~中央林間・・・6本/h
各停:東武線~長津田・・・3本/h

まず最初は日中ダイヤから夕ラッシュへ移行するダイヤを検討します。

夕ラッシュ移行ダイヤでは、大井町線からの急行を3本/h減らし、逆に渋谷口の列車本数を12本/h→15本/hに増やします。半蔵門線内及び田園都市線の渋谷~二子玉川間では4分間隔になります。

総輸送力が増加しますが、優等列車の本数は12本/h→9本/hに減少します。長津田までの有効本数も9本/hに減少するので、少し混雑面で心配なダイヤとなります。

ただ現行のダイヤでも優等列車の本数は6本/h前後と少ないため、それよりは優等列車の本数が多いです。個人的には有効本数が9本/hでも問題はないと考えます。

半蔵門線からの優等列車は、昼間は区間準急が6本/hでしたが、夕ラッシュ移行ダイヤでは半数が区間急行に格上げされます。これは大井町線からの急行列車が長津田止まりになってしまうため、中央林間側の列車本数を確保するためです。

小田急江ノ島線から田園都市線への乗り換え客を考慮し、中央林間駅の発車本数を12本/h確保します。

夕ラッシュ 渋谷口21本/hダイヤ(18:06~21:27)

区間準急:東武線~中央林間・・・6本/h
区間準急:押上~中央林間・・・3本/h
急行:大井町~長津田・・・3本/h
各停:押上~中央林間・・・3本/h
各停:押上~長津田・・・9本/h

本格的な帰宅ラッシュでは、20分あたりの列車本数をさらに2本増やします。1時間あたりの本数では、15本/h→21/hに増加します。

そして私案ではこのパターンを21時台まで継続してます。現行のダイヤでは渋谷口の運行頻度は18~20本/なので、私案ではこれよりさらに1~3本/h多いです。

この列車本数の増加はコロナ明けの利用者の増加を見込んで増発するというのもアリかと考えています。乗務員を確保できるかが心配ですが。

夕ラッシュ 渋谷口15本/hダイヤ(21:27~23:31)

区間準急:東武線~中央林間・・・3本/h
区間準急:押上~中央林間・・・3本/h
急行:大井町~長津田・・・3本/h
各停:押上~中央林間・・・6本/h
各停:東武線~長津田・・・3本/h

夕ラッシュのピークを過ぎたら、徐々に列車の本数を減らします。21本/h→15本/hに戻し、20分当たりの運転本数を7本から5本に減らします。

また夕ラッシュ移行ダイヤと異なり、渋谷口の優等列車も区間準急のみとします。これにより、長津田~中央林間間の列車本数も9本/hに減少します。

時間帯としては長津田駅断面で21:50以降となりますが、これ位遅い時間であれば、列車の本数を削減する頃合いかと思います。現行のダイヤでは急行を設定しているため、利便性確保のために本数が嵩んでいます。

大井町線1:1で16本/h、半数の急行が長津田行きの場合

急行:大井町~長津田・・・4本/h
急行:大井町~溝の口・・・4本/h
各停:大井町~溝の口・・・8本/h

15分サイクルのパターンです。現行のダイヤでは急行4本/h、各停12本/hなので、各停4本/hを急行に格上げした形となります。

田園都市線に直通する急行列車の本数は4本/hになります。必要運用数は7両が11運用、5両が10運用です。

20分サイクルと比べると田園都市線に直通する急行の本数が4本/hと1本/h多いです。その分だけ大井町線からの直通列車の利便性が高いです。

ただ個人的には日中のダイヤを15分サイクルから20分サイクルに変更しましたので、そこからの連続性を考えるとあまり採用される可能性は低いかなと思います。

車両の夜間留置について

ということで、ここまで色々なダイヤを予想してきましたが、夜間きちんと車庫に編成を収めることが出来なければ、どんなダイヤも実現不可能です。そこで提案した私案で車両の夜間留置が可能か検証します。

ちなみに2022年時点の夜間留置の状況は以下の通りです。

10両7両5両
中央林間東急車2本(1本)
長津田東急車37本
東武車2本
(40本、内2本営業線上)
3本
Y000系やTOQiと縦列
2本?(1本)
2本で縦列駐車
藤が丘東急車1本(1本)
江田(2本、留置不可の可能性有り
鷺沼東急車4本
(10両4本、内2本営業線上)
メトロ車16本
(21本、内4本建屋内、2本入替線)
1本
(12両2本、23両1本)
8本?
縦列駐車してる?
梶が谷東急車1本(2本)4本(4本)
溝の口(4本)2本?
二子玉川東急車1本(2本以上)1本
上野毛(1本)
自由が丘1本(1本)
大岡山(1本)
旗の台(2本)
大井町(1本)2本
用賀(1本、留置不可の可能性大
桜新町(2本、留置不可の可能性大
渋谷メトロ車1本(1本以上)
半蔵門メトロ車1本(1本以上)
神保町(1本、留置不可の可能性有り
水天宮前メトロ車1本(1本以上)
清澄白河メトロ車1本(1本以上)
住吉メトロ車2本(将来は留置不可
錦糸町(1本以上)
押上メトロ車3本(2本)
北越谷東武車1本(10両3本)
久喜東武車1本(10両1本)(6両1本)
南栗橋東急車2本
東武車16本(29本以上)
東武特急の留置はなし20400型2本
 合計東急車48本
メトロ車25本
東武車20本
8本18本

注:括弧内の本数はその駅に留置可能な本数

田園都市線

中央林間駅

中央林間駅は1面2線構造です。保守機材が入線できるように発着線を1本空けておく必要があることを考えると夜間留置できるのは1本だけでしょう。

2022年時点では東急車が2本夜間留置しているようですが、保守の都合で1線空ける際は片方を長津田駅に回送して退避しているようです。

長津田駅

長津田駅は3面5線の駅で、3~6番線が田園都市線の発着線となります。保守の都合を考慮し、2本夜間留置可能かと思います。

また長津田駅には長津田検車区が併設されています。10両が37本と5両が1本留置可能となっています。

なお2022年時点では、車庫以外に3~6番線に東急車が合計4本夜間留置がある模様です。これは東急目黒線で運用される3000系・3020系・5080系の8両化に伴い、増結車両を一時的に長津田検車区に留置させる必要があるためと考えられます。

藤が丘駅

藤が丘駅は上り通過線を持つ2面3線の駅です。現ダイヤでは1本夜間留置されています。

藤が丘駅で一夜を明かした列車はあざみ野駅に回送され、その後折り返し長津田駅まだ回送することであざみ野駅にある渡り線の錆取りをしています。

江田駅

江田駅は通過線のある2面4線の駅です。当駅にも車両を2本ほど夜間留置できそうな気がしますが、現行のダイヤでは定期の夜間留置はありません。

理由は不明ですが、もしかしたら駅構内に勾配があるからかもしれません。当駅に夜間留置できると長津田検車区の留置本数を減らすことが出来るのですが、現状では夜間留置の候補としては優先順位が低いでしょう。

あざみ野駅

あざみ野駅は2面2線の駅ですが、中央林間側に渡り線があるため、1本だけ夜間留置が可能なはずです。

しかし現ダイヤでは夜間留置はありません。あざみ野駅にも留置をしない理由があると考えられます。

鷺沼駅

鷺沼駅は2面4線の駅で、現ダイヤでも待避線である1,4番線に夜間留置する列車が存在します。また用賀駅にある両渡り線の錆取りのため、二子玉川駅に夜間留置するはずだった列車を回送運転した場合は、3番線にも夜間留置が発生します。

また鷺沼駅には、車庫が2つ併設されています。本線の南側にあるのが東京メトロ所有の鷺沼検車区、北側にあるのが東急所有の鷺沼車庫です。

南側の鷺沼検車区には10両を21本留置可能ですが、内4本が建屋内、もう2本が入替線になります。2022年のダイヤでは、この検車区にメトロ車両が16本夜間留置されています。

ちなみにこの車両基地は、近い将来拡張工事が行われるものと予想されます。その理由は、豊洲駅と住吉駅の間に新規で建設される豊住線の影響で、住吉駅で夜間留置できなくなると考えられるからです。

鷺沼検車区の増設は3~4本程度できると理想的です。場合によっては建屋の建て替えもしないといけないでしょう。

そして、本線の北側には東急電鉄所有の鷺沼車庫もあります。こちらには10両対応が4本と12両対応が2本、そして23両分ある留置線が1本あります。

12両対応の留置線には7両と5両を縦列駐車出来るでしょう。また23両分ある留置線には10両を2本留置したり、7両を3本留置することが可能でしょう。

2022年のダイヤでは、1,4番線に東急車10両が1本ずつ、そして車庫には東急車10両が2本、7両が1本、そして5両が5~8本の留置されています。

梶が谷駅

梶が谷駅は2面4線の駅です。当駅で各駅停車と優等列車の追越が行われています。

当駅には留置線が敷設されています。本線の間に引き上げ線として10両対応が1本、本線の北側・上り線寄りに7両対応が4本敷設されています。

そのため10両編成を2本、7両編成を4本留置できると考えられます。2022年時点では10両が1本、7両が4本夜間留置されています。

7両対応の留置線は大井町線の急行運転開始に際して2008年に新設されました。この留置線に列車を留置する時は、長津田駅から回送で梶が谷駅の4番線まで送り込み、そこから運転方向を逆転して留置します。

溝の口駅

溝の口駅は渋谷駅から9駅目の駅です。3つ手前の二子玉川駅から続く複々線の終端の駅です。

2面4線の駅で、中央の2線は大井町線の大半の列車が発着しています。当駅の2番線にに到着した大井町線の列車は、中央林間側にある引き上げ線に列車を引き上げてから、折り返して3番線に入線し、大井町行きの列車として運用します。

当駅には10両を留置可能ですが、保守の都合を考えると10両の留置はできないでしょう。実際当駅には5両が2本程度留置するに留まっています。

二子玉川駅

二子玉川駅は田園都市線と大井町線が分岐する駅です。2面4線の駅で、外側の2線が田園都市線、内側の2線が大井町線の列車の発着線となっています。

当駅には2022年時点のダイヤで5両が1本、10両が1本留置されています。5両が夜間留置されているのは、駅の配線を見れば納得できる所ですが、10両については保守のことを考えると意味不明な運用のように見えます。

その理由が、先述した用賀駅の錆取り運用です。保守の都合もあるかと思いますが、二子玉川駅の4番線に夜間留置できない日は一度用賀駅まで回送し、用賀駅のシーサスクロッシングの分岐側の線路を通過しながら、鷺沼駅の3番線まで回送して夜を明かします。

夜を明かした列車は、早朝鷺沼駅を4時50分ごろ回送列車として出発して、二子玉川駅から5時丁度の各駅停車として客扱いを開始します。

用賀駅

用賀駅は、先述した通り、中央林間側に非常用のシーサスクロッシングが1基挿入されているので、当駅は停車場に分類されます。しかし、当駅には夜間留置の設定はありません。

推測になりますが、当駅が厳しい勾配上にあるからだと考えられます。もし用賀駅に夜間留置が出来るなら、二子玉川駅ではなく用賀駅で夜間留置しているはずです。

したがって、当駅には夜間留置できないと考えられます。ダイヤ予想をする上では夜間留置がないものとして、考える必要があるでしょう。

桜新町駅

桜新町駅は新玉川線区間内にある、列車同士の追越が可能な駅です。東京メトロ副都心線の東新宿駅などと同様の構造ですが、当時は日本初の本格的な追越が可能な駅として話題となりました。

当駅には構造的に2本夜間留置ができそうに見えます。しかし、当駅には夜間留置の列車は設定されていません。

その理由は、やはり用賀駅と同様、駅構内が勾配上にあるからだと考えられます。当駅も夜間留置する優先順位は低いでしょう。

渋谷駅

渋谷駅は東急田園都市線と東京メトロ半蔵門線との境界駅であり、東京三大副都心のターミナル駅です。1面2線の構造であり、この構造が朝ラッシュの混雑対応の上で大変大きな障害であることは有名な話です。

当駅は中央林間側に片渡り線、押上側にシーサスクロッシングが敷設されています。そのため、2022年のダイヤではメトロ車10両が1本夜間留置されています。

半蔵門線

半蔵門駅

半蔵門駅は半蔵門線内で唯一他路線への乗換がない路線です。1面2線の構造の駅で、押上側に引き上げ線が上下本線の間に設置されています。

2014年から2021年までは日中の渋谷駅を始発・終着駅とする田園都市線の列車が当駅まで回送され、引き上げ線を使って折り返していました。渋谷駅から半蔵門駅までの運転は東京メトロの社員が行っていました。

2022年現在、半蔵門駅には夜間留置が1本あります。車両はメトロ車10両です。

神保町駅

神保町駅には半蔵門線の他に都営三田線と都営新宿線が乗り入れます。半蔵門線の駅構造としては1面2線の構造で、渋谷側に片渡り線が設置されています。

そのため、神保町駅には10両1本を夜間留置できるように思えます。しかし、2022年ダイヤでは夜間留置の設定はありません。

当駅も他の駅と同様に、勾配の問題など夜間留置しない理由があると考えられます。ただ、後述する住吉駅の問題を考えると今後夜間留置の設定があるかもしれません。

水天宮前駅

水天宮前駅は1面2線の駅です。渋谷側にシーサスクロッシングが設置されています。

当駅には夜間留置が1本設定されています。深夜に押上始発の水天宮前止まりの列車が運転され、その後早朝に渋谷方面の始発列車として運転されます。

清澄白河駅

清澄白河駅では都営大江戸線に乗換可能な駅です。1面2線の駅ですが、当駅の押上側には上下本線の間に引き上げ線が設置されています。

この引き上げ線は、渋谷側への進出だけでなく、押上側への進出も可能です。単純に渋谷側から来た列車が折り返し渋谷側へ折り返すだけでなく、回送列車が営業列車を退避・待機するために使用することも可能です。

2022年時点では、当駅にメトロ車10両の夜間留置が1本定期で設定されています。さらに押上駅側の保線の都合で押上駅の夜間留置を2本にしなければいけない場合、当駅までメトロ車10両が1本回送され、一夜を明かします。

そのため、当駅には最大2本列車が夜間留置されます。営業運用している最中だけでなく、車庫としても重要な駅となっています。

住吉駅

住吉駅は半蔵門線と都営新宿線が直角に交わる駅で、乗換可能な駅です。当駅は桜新町駅に続き2層構造の駅となっています。

当駅が2層構造になっているのは、将来建設予定の豊住線がこの住吉駅に乗り入れるからです。住吉駅には地下3階に渋谷方面、地下4階に押上方面の列車が発着しますが、半蔵門線の発着線からホームを挟んで反対側の発着線に豊住線の列車が発着する予定となっています。

2022年時点では豊住線向けの発着線に1本ずつ、合計2本のメトロ車10両が夜間留置されています。この夜間留置は豊住線の建設工事の際に邪魔になることは間違いありません。

本記事で提案している大井町線の20分サイクル増発案とは別の理由で、夜間留置をする場所が住吉駅とは別に必要になるはずです。他の停車場で夜間留置できれば追加の工事は不要ですが、それが無理である場合は、当然工事が必要になります。

錦糸町駅

錦糸町駅はJR総武本線と乗換可能な駅で、押上側に非常用の両渡り線があります。そのため10両1本夜間留置できるかと思いますが、2022年時点で錦糸町駅での夜間留置の設定はありません。

錦糸町駅に車両を留置すると、押上駅から錦糸町駅までの僅かな区間で乗務員を最低1人手配する必要があり、面倒が多いのが夜間留置がない理由かと思います。基本的には留置場所が逼迫していない限り、押上駅に夜間留置した方が利便性は高いでしょう。

押上駅

押上駅は半蔵門線と東武伊勢崎線との境界駅です。地下鉄の駅ですが2面4線構造となっており、当駅で渋谷側に列車の折り返しが可能となっています。

したがって渋谷駅とは異なり、会社境界駅で輸送力の調整が可能になっています。当駅で日中12本/hある半蔵門線列車の半数が折り返しています。

押上駅には夜間留置が3本あります。全てメトロ車10両で1~3番線に留置されます。

なお、保守の都合で3本留置できない場合は1本を清澄白河駅の引き上げ線に回送します。通常は引き上げ線に留置する列車を清澄白河駅の2番線に退避させ、その上で押上駅からの列車を回送して清澄白河へに夜間留置します。

大井町線

上野毛駅

上野毛駅は二子玉川駅から1つ隣の駅です。1面3線で上り線側に列車追越ように通過線が設置されています。

そのため、5両編成を1本留置可能かと思います。2022年時点では上野毛駅への夜間留置はありません。

自由が丘駅

自由が丘駅は東急東横線との乗り換え駅です。大井町線の発着線は地平と同じ高さに2面2線の構造となっています。

そして、当駅の二子玉川側には5両対応の留置線が1本敷設されています。2022年時点でこの留置線に5両が1本夜間留置されています。

大岡山駅

大岡山駅は東急目黒線との乗り換え駅です。2面4線の駅で外側の2線が目黒線、内側の2線が大井町線の発着線です。

また大井町寄りで大井町線の上下線の間に引き上げ線が1本あります。8両対応なので、7両も留置可能です。

この引き上げ線は一部の目黒線・大井町線の回送列車の折り返しに使用されるほか、東急・横浜高速鉄道・東京メトロの車両が長津田工場や鷺沼工場に送り込む際にも使用されます。

2022年時点では当駅に夜間留置する列車はありません。ただし、引き上げ線を活用して8両以下の列車を1本夜間留置できるでしょう。

旗の台駅

旗の台駅は東急池上線に乗換可能な駅です。そして同時に大井町線側は2面4線構造となっているため、急行列車と各駅停車の緩急接続が日常的に行われています。

そのため当駅には2本夜間留置が可能なのですが、2022年現在夜間留置の設定はありません。当駅は大井町線の急行運転開始に合わせて改良工事が行われたため、その際に停車部の勾配等の問題も緩和しているかと思いますが、なぜ夜間留置の設定がないのかは不明です。

大井町駅

大井町駅は大井町線の起点駅です。行き止まり式の1面2線の構造で、1番線,2番線とも7両まで停車させることが出来ます。

2022年現在、当駅には夜間留置が2本存在します。保線の際は1本発着線を開ける必要があるかと思いますが、その際にどのような運用を行っているかは不明です。

車両の夜間留置の私案

さて、ここまで東急線・メトロ線内停車場での夜間留置の可否を検討してきました。ここで私案のダイヤ案では夜間留置の問題をクリアできるか検証していきます。

大井町線の朝ラッシュ急行:各停=1:1で24本/h・5分間隔のダイヤを採用した場合、夜間留置は以下のようにできると良いなと思います。

10両7両5両
中央林間東急車1本
長津田東急車32本
内2本営業線上、内3本Y000系・TOQiと縦列駐車
東武車2本
4本
5両と縦列駐車
4~5本
内4本が7両と縦列駐車
藤が丘東急車1本
江田(可能なら長津田から2本変更)
鷺沼東急車8本(内2本営業線上)
メトロ車19本
2本
5両と縦列駐車
2本
7両と縦列駐車
梶が谷東急車2本7~8本
溝の口3本
二子玉川東急車1本1本
上野毛1本
自由が丘1本
大岡山1本
旗の台2本
大井町1本
用賀(可能なら長津田から1本変更)
桜新町(可能なら長津田から2本変更)
渋谷東急車1本
半蔵門メトロ車1本
神保町(可能なら鷺沼から1本変更)
水天宮前メトロ車1本
清澄白河メトロ車1本
住吉留置不可
錦糸町(可能なら鷺沼から1本変更)
押上メトロ車3本
北越谷東武車1本
久喜東武車1本
南栗橋東急車2本
東武車16本
東武特急の留置はなし
合計メトロ車25本
東急車48本
東武車20本
13~14本16~17本

表を見ても分かる通り、大井町線向けの列車が増えることで、大井町線内の各停車場で夜間留置が多数発生しています。特に上野毛駅や旗の台駅では過去1度も夜間留置を行ったことがないので、もしかしたら夜間留置が出来ないかもしれません。

大井町線の車両が車庫以外で夜間留置が必要になる理由は主に2つあります。1つは車庫容量の問題、もう1つは車庫から大井町線までの送り込みの問題です。

車庫容量問題

大井町線の朝ラッシュのダイヤを増発する上で当然問題となってくるのが、車庫容量問題です。営業運転をしていない深夜には保守のために車両を車庫に収容する必要があります。

しかし、大井町線には大規模な車庫は存在しません。大井町線の車両は田園都市線沿線にある長津田検車区に所属しています。

そのため、大井町線の車両は田園都市線沿線の車庫から大井町線へ送り込む必要があります。長津田検車区や鷺沼車庫は広大な敷地を持つ車両基地ですが、すでに田園都市線やこどもの国線の車両が在籍しているため、どこの車庫の容量も逼迫しています。

そのため、そこにさらに大井町線の車両を追加で収容するのは非常に難しいです。大井町線の車両を増やすと車庫に収めきれず、溢れることになってしまいます。

車庫の容量が足りないのであれば、当然車庫を拡張するということが問題解決の方法として挙がってきます。しかし、東急所有の土地だけで車庫の拡張を行ったとしても、なお車庫容量が足りなくなると考えられます。

そのため、大井町線内で夜間留置を増やす必要があります。そして大井町線沿線で大規模な車庫を新設するのが困難なため、旅客駅の発着線に列車を留置せざるを得ないということになります。

車庫からの送り込みの問題

先述の通り、大井町線の車両はほとんどの列車が田園都市線沿線の車庫から送り込まれます。しかし、田園都市線は日本全国を見渡しても有数の混雑路線であり、早朝から列車本数が多い路線です。

そんな列車の合間を縫って大井町線の列車を送り込む必要があるため、大井町線の列車が増えれば、その分田園都市線のダイヤを圧迫することになります。田園都市線側の負担を軽減するためにも、大井町線の列車を送り込む本数は出来る限り削減したい所です。

従って、田園都市線側のダイヤに影響が出にくいよう、大井町線の営業線上に列車を夜間留置してしまおうというわけです。最初から大井町線内に列車を置いておけば、車庫からの送り込みの問題は発生しません。

田園都市線・大井町線の設備改良案

以上を踏まえて設備改良案を提案します。内容は大井町線の朝ラッシュの必要編成数が増加することに対する対策案が主となります。

長津田駅

長津田駅には長津田検車区が併設されています。現状この検車区には10両38本と5両1本を留置可能な容量があります。

これに対し、私案では10両34本、7両4本、5両4本、2両3本を留置します。そのため車庫容量が不足します。東急所有の土地だけで車庫線を延長できそうなのは北側の8線のみです。

北側の8線は有効長が現状10両分ですが、航空写真を見て分かる通り、12~13両分まで延長できる余地があります。12~13両分あれば7両と5両や、10両と2両を縦列駐車させることが可能になります。

12~13両対応の留置線が8本あれば、内7本を7+5両の留置4本、10+2両の留置3本に使えます。これで短編成の留置問題はクリア、あとは残り10両29本を検車区内に、最後の2本は長津田駅の3,6番線に留置するという算段です。

鷺沼駅

鷺沼駅には東京メトロ所有の鷺沼検車区と東急所有の鷺沼車庫の2つの車庫があります。

鷺沼検車区(東京メトロ)

鷺沼検車区には、2022年時点ではメトロ車16本が夜間留置されています。しかし、住吉駅と渋谷駅で夜間留置している10両3本を別の場所に移設・留置する必要があるため、それを鷺沼検車区が受け入れます。

航空写真を見ると、10両3本程度であれば、拡張可能なように見えます。場合によっては建屋の一部を建て直しする必要があるでしょう。

鷺沼車庫(東急)

鷺沼車庫には10両4本、12両2本、23両1本留置可能な容量があります。私案では東急車のみで10両8本、7両2本、5両2本を留置します。

10両は10両対応に1本ずつ計4本、23両対応に10両を2本縦列駐車、残り2本は1,4番線にそれぞれ留置します。そして7両と5両はそれぞれ縦列駐車で12両対応の留置線に留置します。

鷺沼車庫は、北側に車庫を拡張可能かと思いますが、車庫自体が高架橋上にある車庫なので、拡張する際は多額の費用が掛かると思います。この車庫を拡張する優先度は他の車庫よりも低いでしょう。

梶が谷駅

梶が谷駅には、2022年時点では東急車10両1本、7両4本が夜間留置されています。私案では東急車10両2本、7両7本を夜間留置します。

10両については、引き上げ線と1~3番線のどれかに留置で対処できます。しかし、7両については留置線が4本しかないので、3本以上の増設が必要です。

航空写真を見ると7両対応の留置線群の北側が土手になっています。ここを掘削すれば留置線の増設が可能なように見えます。

梶が谷駅は溝の口駅から1駅なので、田園都市線の列車の合間を縫って入線させることは容易と言えるでしょう。

溝の口駅

溝の口駅での改良内容は車庫の増設ではなく、分岐器の増設になります。当地の状況を見るに、もしかしたら分岐器の増設すら出来ないかもしれません。

内容としては、「大井町線相当の真ん中の2線を繋ぐシーサスクロッシングを二子玉川側に増設」することと「1,4番線と大井町線相当の真ん中の2線を繋ぐ渡り線の増設」することの2つです。

大井町線の上下線の間にシーサスクロッシングを二子玉川側に増設できれば、中央林間側にある引き上げ線を介さずに折り返しが出来るようになります。列車を引き上げ線に引き上げる作業が不要になることで、短時間で溝の口駅を折り返せるようになり、必要編成数の節約に繋がります。

大井町線の朝ラッシュが私案の24本/hになるにしても、あるいは20本/hになるにしてもシーサスクロッシングを設置できれば、7両・5両どちらの運用数も1運用ずつ削減出来ます。田園都市線からの乗換の利便性についても、急行と各停の本数比率が1:1になれば問題になりにくいと思います。

また既存の引き上げ線は田園都市線と溝の口駅の間のバッファ線として使いやすくなります。ダイヤが乱れた際は特に機能を発揮するでしょう。

1,4番線と大井町線相当の真ん中の2線を繋ぐ渡り線の増設する件については、大井町線直通の急行を二子玉川~溝の口間で真ん中の2線を走行させるためにあります。現状ではホームのある外側2線を走行するため、渡り線を設ければ列車本数を分散させることが出来るでしょう。

車両増備に伴う車両の組み換えについて

大井町線の車両の新造によって既存の車両が置き換わることは既報の通りです。しかし、素直に新車を導入せず、既存の列車で車両の組み換えが発生する可能性があります。

その理由は、Qシートを大井町線・東横線向けに増備して収入増を図ると考えられるからです。改めて現行ダイヤと私案ダイヤの必要編成数を以下に示します。

現行(2019年)24本/h・5分間隔20本/h・6分間隔
7両必要数6運用8本11運用13本9運用11本
5両必要数16運用18本14運用16本12運用14本
7両運用本数5本3本
5両運用本数-2本-4本

大井町線の車両を単純に置き換えず、急行と各停の比率を1:1とした場合、7両の運用数が増えるため、その分だけQシートを増備出来ます。例えば24本/h・5分間隔のダイヤを採用すれば、7両が5本増えます。

したがって、7両を増備した5本分だけQシート連結の東横線10両や大井町線7両を増備出来るでしょう。大井町線の7両は全てQシート連結車両になりますし、東横線の方はQシート付き10両が既存4本と新規5本で合計9本となります。

Qシート付き10両が9本となれば、渋谷~元町・中華街間で20分サイクル・毎時3本のサービス提供が出来るでしょう。20分サイクル・毎時3本の場合、Qシート連結車両の必要編成数は予備を含めても7編成ですからね。

まとめ

ということで、以上大井町線新型車両導入に伴うダイヤの変化に対する考察でした。何はともあれ便利な大井町線になることを望むばかりですね。

祐天寺駅での待避線建設の件といい、6020系のQシートサービス提供開始に伴う車両組み換えの件といい、東急電鉄は良く言えばフットワークの軽い会社、悪く言えば計画性のない会社ですから。

参考文献

東急電鉄
https://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20220107-1-all.pdf

配線略図.net(画像出典含む)
https://www.haisenryakuzu.net/

Wikipedia(画像出典含む)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8

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