京阪線本線系統の2023年度夜間留置状況まとめ!所感を語る!

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京阪

京阪線本線系統の夜間留置まとめ!2023年11月時点のデータをまとめましたので、これを基に考察をしていきたいと思います!

なお、夜間留置設定については間違っている可能性があるので、当方責任は負いかねます。間違いがある場合は是非コメントください!(なお±○本と記載があるのは運用予備分の夜間留置場所の推測です)

京阪電気鉄道は大阪府・京都府・滋賀県を地盤とする鉄道会社です。大阪府と京都府に跨る京阪線系統と、京都府と滋賀県に跨る大津線系統の2種類の系統が存在し、本記事では京阪線系統の夜間留置状況を記載します。

京阪本線は、JR京都線や阪急京都本線と並行して、大阪と京都を結ぶ都市間輸送路線として機能しています。但し先の2路線とは異なり、淀川の左岸に路線が敷かれているため、中間の区間は京阪の独占エリアとなっています。

京阪線は、戦前より一部区間が複々線化していたことと、大阪都心部で大阪市電と平面交差していたため、戦後は編成の長編成化よりも列車本数増加に注力したと言われています。その結果、大阪都心部では複々線化区間が早期に延伸され、最終的に天満橋~萱島間が複々線となりました。

複々線化と同時に自動車道との立体交差も行われました。大阪側では寝屋川市駅まで全区間で営業線が立体交差化が完了しており、京都側では七条駅まで地下化が完了しています。

さらに寝屋川市~枚方市間も連続立体交差事業が進んでいます。これが完了すると大阪府内で踏切が残っているのは枚方市内・交野市内萱島駅~寝屋川車庫間の車庫線にあるのみとなります。

対して京都府内は一部区間のみ立体交差化しているのみで、大部分が地平を走っています。ホームの長さが7両分しかない駅もあるため立体交差化を是非して欲しい所ですが、肝心の京都市が財政難のため、目途が立たない状態となっています。

京阪本線の他には交野線宇治線といった支線が存在します。鴨東線以外の路線は、現在基本的に普通列車のみが走行する運行体系に落ち着いています。

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運行系統ごとの運用状況

8000系8両10本(8運用
淀4本、寝屋川車庫4+2本
3000系8両6本(5運用
淀3本、寝屋川車庫2+1本
一般8両15本(12運用
出町柳1本、淀6本、樟葉1本、寝屋川車庫4+3本
一般7両39本(32運用
出町柳1本、三条2本、淀13本、樟葉1本、枚方市1本、寝屋川車庫12+7本、淀屋橋1本、中之島1本
一般6両6本(5運用
寝屋川車庫5+1本
一般4両11本(9運用
中書島2本、淀2本、枚方市1本、寝屋川車庫6+2本

所感

京阪電気鉄道の本線系統は、大手私鉄では珍しい他社路線との相互直通運転がない路線です。線内を走行する列車は自社の列車のみであり、また基本的に編成両数で運用が分かれています。

ただし8000系8両と3000系8両のみ運用が別建てになっています。8000系8両は朝夕ラッシュはライナーで、それ以外は特急で運転、3000系8両は朝夕ラッシュ時は特急で、日中は快速急行で運転されます。

8000系と3000系のみ運用が別建てとなっている理由は、内装が一般車両と違うのととプレミアムシートを連結しているからです。特に8000系は側面の扉の数も片側2つしかないことから、乗降の取り扱いも他の車両とは異なる特別な車両となっています。

特急車についての個人的所感

8000系は、バブル景気真っ只中の1989年に、先代の特急車両である初代3000系の後継として登場しました。京阪の看板列車らしく内装には贅が尽くされ、まさにバブリーな車両でした。

8000系は登場からしばらく朝ラッシュの運用にほとんど入らないという観光特急顔負けの運用体系を採っており、半数以上が朝ラッシュ終了後の9時代に出庫していました。なぜ朝ラッシュ後に運用に入っていたのかというと、先述の通り側面の扉の数が片側2つしかないため、他の列車より乗降に時間がかかり、1分1秒を闘う朝ラッシュの運用に適さなかったからです。

しかし、バブル崩壊による景気後退明治期から続く関西地区の低成長、国鉄が民営化しJRになったことによる競争の激化阪神淡路大震災の影響などで京阪利用者が大きく減少しました。wikipediaによるとラッシュ時の利用者が最も多かったとされる1976年が約68000人であるのに対し、コロナ前の2019年でも約38000人と半分近くにまで減少したそうです。

京阪はこのような状況を打開すべく2009年に中之島線を開業させますが、思うように利用者が伸びず、結局社会情勢に流されて今日に至ります。ここについては新線を建設して成功した阪神や南海とは対照的な状況です。

京阪は、鉄道利用者の著しい現象に伴い、運営の効率化が求められ、8000系のバブリーな運用も変更を余儀なくされます。朝ラッシュの運用にも投入され、場合によっては大阪方面の普通列車の運用に就くこともありました。

とはいえ、8000系は側面の扉の数が片側2つしかないため、大阪方面の朝ラッシュの運用には不向きな車両です。運営の効率化が求められる中で少しでも8000系に適した列車の設定が模索され、試行錯誤の末2017年に誕生したのが「ライナー」と呼ばれる種別です。

特急として運行して来た列車を折り返しライナーという座席指定車両とし、乗車人数を減らすことで、2ドア車でもラッシュ時に設定でき、さらに指定席料金を追加で徴収できるという効率的な運用が実現しました。

ただ、一方でライナーという種別は8000系の特殊事情を踏まえて登場した種別と言えます。したがって、8000系が撤退し2代目3000系のような3ドア車に置き得られた暁には、ライナーという種別は消滅するかもしれません。

また3000系や8000系は8両で運転されているため、京都市内にあるホーム有効長が7両しかない駅には停車することが出来ません。特にJR奈良線と乗換可能な東福寺に停車できないことは、個人的にはかなり致命的だと思います。

東福寺に特急が停車するようになると、樟葉や枚方市などから京都に行く場合に、特急利用でも東福寺での1回乗換のみで京都に行くことが出来るようになります。料金も樟葉→京都の場合、丹波橋乗換だと560円ですが、東福寺乗換だと500円で安くなります。

加えて京阪利用が樟葉→丹波橋だと320円ですが、樟葉→東福寺だと350円になります。京阪での乗車キロが長くなるため、京阪にとっても収入増になります。

京阪ではプレミアムカーが好評であることを受けて3000系にプレミアムカーを2両連結するようプレミアムカー新製の計画しています。しかし、個人的には特急や快速急行が東福寺に停車できるよう一般車6両+特別車1両の7両編成にすべきだと思います。

特別車の提供数を増やしたいのであれば、特急や快速急行の運行本数を増やせば良いと思います。1時間当たりの運行本数を特急4本・快速急行4本・普通4本とするのは如何でしょうか。

そして利用者が多い時間帯は追加で普通や急行を増発すると。将来は中之島線の中之島になにわ筋線が接続する予定ですからプレミアムカーを連結した優等列車を2方向設定する必要があるのではないでしょうか。

一般車の運用

一般車に関しては交野線・宇治線の支線に直通する4両を除くと、6両・7両・8両の3種類が存在します。先に言っておくと、4両については2編成繋いで8両の運用に就くことはありません

本線には京都市内の駅のホーム有効長の関係から7両が基本となっており、一部6両や8両が存在します。まずメインとなる7両については、39本・32運用・予備7本となっており、かなり多い印象です。

これについては、先述の利用者の減少に伴う減便が大きな原因かと思います。特にコロナ禍による利用者減でさらに減便していますので、利用者が回復してきたら復便するということがあるかもしれません。

8両については、利用者の多い朝夕ラッシュ時間帯にのみ運用され、逆に日中には運用がありません15本・12運用・予備3本こちらも多めです。

運用効率を考えれば8両は7両に減車するべきだと思いますが、老朽化により置き換えしなければいけない段階になるまでは、少しでも朝ラッシュピーク時の混雑緩和するために8両での運転が続けられるでしょう。

一方、一般6両は13000系で6本のみ存在し、予備が1本しかありません。したがって車両運用の都合により7両での代走があります。

京阪に7両より1両少ない6両が存在する理由としては、昨今京阪が積極的に増備しているプレミアムカーが関係しているでしょう。3000系に使われているプレミアムカーは既存車の改造ではなく、車両を新製して導入しています。

余剰となった中間車は13000系6両に組み込んで7両にして運行しています。プレミアムカーを一通り導入が完了したら、6両運用は消滅するでしょう。とはいえ、いつプレミアムカーの導入が完了するのかという話にもなりますが。

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駅ごとの夜間留置状況

出町柳
一般8両1本(1番)
一般7両1本(2番)

引き上げ線:8両1本

三条
一般7両2本(2番,4番)

引き上げ線:8両1本

龍谷大前深草
夜間留置設定なし

丹波橋
夜間留置設定なし

中書島
一般4両2本(4番,9番)

引き上げ線:160m8両1本、115m6両2本

宇治
夜間留置設定なし

(車庫収容力:4両2本+8両37本分、車庫留置両数:4両2本+7両12本+8両13本=196両
一般7両1本(4番)

8000系4本(車庫)
3000系3本(車庫)
一般8両6本(車庫)
一般7両12本(車庫)
一般4両2本(車庫)

車庫(留置線378両+検査線24両+洗浄線8両)
105m5両1本
125m6両2本
155m8両1本
160m8両6本
170m9両1本
175m9両3本
185m9両4本
190m10両2本
195m10両4本
205m10両1本
240m12両1本
280m14両2本
300m15両2本
320m16両2本
345m18両1本
390m20両1本
440m23両1本
検査線165m8両3本、
洗車線160m8両1本

樟葉
一般8両1本(3番)
一般7両1本(7番)

引き上げ線:155m8両3本

枚方市
一般4両1本(6番)
一般7両1本(10番)

引き上げ線:80m4両1本、160m8両1本

交野市
夜間留置設定なし

私市
夜間留置設定なし

香里園
夜間留置設定なし

寝屋川車庫(車庫収容力:4両13本+6両以上52本分、車庫留置両数:4両8本+6両6本+7両19本+8両16本=329両
8000系4+2本(車庫)
3000系2+1本(車庫)
一般8両4+3本(車庫)
一般7両12+7本(車庫)
一般6両5+1本(車庫)
一般4両6+2本(車庫)

車庫(留置線394両+検査線43両+転削線7両+洗浄線6両+入替線20両)
60m3両2本
80m4両1本
85m4両1本
105m5両1本
130m6両1本
140m7両5本
150m7両2本
155m8両6本
160m8両5本
170m8両1本
175m9両1本
180m9両1本
190m10両2本
195m10両2本
200m10両2本
205m10両1本
210m11両2本
220m11両1本
235m12両5本
275m14両1本
280m14両1本
290m15両1本
検査線100m5両1本
検査線140m7両2本
検査線160m8両3本
転削線145m7両1本
洗浄線130m6両1本
入替線100m5両1本
入替線140m7両1本
入替線160m8両1本
出庫待機線160m8両1本
引き上げ線160m8両2本
留置線だけで4両以上11本、6両以上43本留置可能。wikiでは320両留置可能とのこと。

萱島
夜間留置設定なし

守口市
夜間留置設定なし

京橋
夜間留置設定なし

天満橋
夜間留置設定なし

淀屋橋
一般7両1本(3番)

中之島
一般7両1本(1番)

所感

京阪線本線系統の配線の最大な特徴は、淀・寝屋川という2箇所の高機能な車庫を抱えていることです。両車庫とも本線とは立体交差で分岐しており、非常に出し入れがしやすくなっている他、寝屋川車庫については、淀屋橋方面・出町柳方面の両方向に入出庫が可能です。

車庫周りの設備に関して言えば、これほど設備が充実している鉄道路線は存在しないと言って良いでしょう。一方でその設備に見合うだけの列車本数と利用者数がないことが京阪の課題と言えます。

京阪では戦後、淀車庫を新設する際、広大な用地を確保して建設を行いましたが、途中で利用者増が止まり、車両増強の見込みが無くなったことから、工事は第3期で終了となり第4期は行われませんでした。余剰となった用地は「京阪淀ロジスティクスヤード」という物流施設となっています。

京阪の設備上の課題は、「京都市内で地上を走っており、踏切が多く、ホーム有効長が7両しかないこと」と、「カーブが多いせいで特急の停車駅設定に制約がある」ことでしょう。少しでもスピードアップが出来れば、その時間短縮分で香里園や東福寺に新規停車できるようになります。

現状では寝屋川市~枚方市間で高架化工事を行っているので、これでどれだけスピードアップできるかに期待といった所でしょうか。

まとめ

ともかく、個人的には8両編成の運転を続けるより、いずれ全車両7両に統一して東福寺に優等列車を停車すべきだと思います。京都市内で連続立体交差事業が行われれば、それと同時にホームを8両化することが出来るでしょうが、正直財政再建団体に落ちかねないほど財政が厳しいので、あまり期待が持てません。

京阪電鉄は朝ラッシュの混雑も幾分緩和していますから、一般車の両数を落として本数を増やす、いわゆる短編成高頻度運転が必要だと個人的には思います。

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