名鉄瀬戸線では、現在喜多山駅周辺で高架化事業が実施されています。その高架化事業により線路設備が改良され、それによって鉄道ダイヤにも変化が生じると考えられます。
本記事では喜多山駅高架化後のダイヤを予想してみました。普段同線を利用している人からすれば、あり得ないダイヤかもしれませんが、何卒ご容赦下さいますようお願いします。
喜多山駅周辺高架化事業の概要!
今回ダイヤ予想するきっかけとなった「喜多山駅周辺事業高架化事業」の概要については以下の記事に掲載しています。是非ご覧ください!
まずは現行の名鉄瀬戸線についておさらい!
まずはダイヤ予想をする前に、名鉄瀬戸線の概要、現在のダイヤの概要、そして本事業における駅設備の変更点をおさらいしましょう。
名鉄瀬戸線の概要
名鉄瀬戸線は名古屋中心部である栄から、JRや地下鉄線に接続する大曽根を経て、名古屋市の東邦、郊外に当たる瀬戸市まで至る路線です。
鉄道路線の性格としては、典型的な郊外路線と言えるでしょう。基本的には名古屋市への通勤・通学需要を支える路線と捉えられるかと思います。
しかし新瀬戸で愛知環状鉄道に接続しており、そこから豊田市方面へ向かう流れもありますので、逆方向にも通勤需要があるかと思います。
表1.名鉄瀬戸線の配線図名鉄瀬戸線は他路線との直通運転はなく、途中の駅で路線が分岐することもありません。全線複線の路線であり、基本構造は非常にシンプルです。
また急行や準急が走る路線でありながら、緩急接続ができる駅は下り喜多山のみで、上りは一切できません。下りでは一応緩急接続できるものの、それを一切しないので、同線では上下ともに緩急接続を終日行いません。
路線の配線は、一昔前の京王井の頭線と似通っています。しかし、京王井の頭線と明確に違う点が2点以下のようにあります。
競合路線が存在しない
名鉄瀬戸線は並行路線との競合が少ない路線です。名鉄瀬戸線と並行している路線としてはJR中央本線と地下鉄東山線及び同線と接続するリニモがありますが、双方とも名鉄瀬戸線から距離があります。
並行路線との競合が少なく客層の棲み分けが為されているため、路線全体の運行速度も低く、各所で急カーブが点在しています。名鉄瀬戸線の営業最高速度は100㎞/hです。
また競合路線が少ないために途中の駅から優等列車が各駅停車化します。京王井の頭線は吉祥寺~渋谷間でJRと競合しているので、全線で急行運転しています。
途中の駅で折り返しのしやすい構造している尾張旭駅を抱えている。
京王井の頭線と明確に違う点がこの尾張旭の存在です。
京王井の頭線では、似た性格を持つ駅として富士見ヶ丘があります。しかし、こちらは1面2線構造に引き上げ線を持つ構造となっており、日常的に折り返しに使いやすい構造にはなっていません。
対して尾張旭は中線が上下の島式ホームに挟まれている2面3線の構造となっており、列車が本線に退避してから折り返し処理ができます。
したがって列車の折り返しがしやすい構造となっています。現に名鉄瀬戸線では日常的に尾張旭駅で折り返しする列車が設定されています。
2020年11月現在はどんなダイヤ?
将来のダイヤパターンを予想する前に現在のダイヤパターンについておさらいしたいと思います。
2021年5月22日のダイヤ改正で名鉄瀬戸線では、平日朝ラッシュのダイヤ以外に閑散期と繁忙期で2パターンダイヤが組まれました。それぞれのダイヤは以下のようになっています。
閑散期
閑散期の名鉄瀬戸線のダイヤは優等列車が毎時2本、普通列車が毎時4本の30分サイクルのダイヤです。全ての列車が終点まで先着します。
さらに発車時刻も5の倍数に揃えられています。分岐や直通運転などが一切ない単一の路線なのでダイヤは大変シンプルで分かりやすいです。
また喜多山での緩急接続もありません。そのため小幡~尾張瀬戸間の利用者からすれば、来た電車に乗れば良いということになり、列車種別を確認する必要がありません。
2021年5月22日に新型コロナウイルスによる利用者減の影響を受けて日中の急行が削減されました。減便分の補填として尾張旭止まりだった普通を尾張瀬戸まで延長しており、それによって尾張旭~尾張瀬戸間の運行本数を毎時6本に保っています。
繁忙期
繁忙期の名鉄瀬戸線のダイヤは優等列車が毎時4本、普通列車が毎時4本の30分サイクルのダイヤです。繁忙期でも全ての列車が終点まで先着します。
2021年ダイヤ改正前にも組まれていたダイヤで、閑散期のダイヤに急行を毎時2本、25、55分発で追加されています。急行の前の普通列車は尾張旭止まりです。
栄町発下りを見ると15分サイクルのダイヤに見えますが、反対の尾張旭発上り時刻表を見ると、尾張瀬戸始発の列車は急行・準急・普通で合わせて10分間隔のダイヤになっています。
このことから、名鉄瀬戸線では特に尾張旭~尾張瀬戸間の利用者を優遇していることが分かります。反面、優等列車、普通列車それぞれの運転間隔がその分犠牲になっています。
高架化事業による線路設備の変更点は何?
今回の高架化事業における配線の変更点は以下になります。
今回の喜多山駅の高架化事業では、喜多山駅構内の配線が緩急接続不可の2面3線から、緩急接続可能な2面4線へ拡張されます。これにより、名鉄瀬戸線では初となる退避設備が整備されます。
これまで名鉄瀬戸線では、優等列車が途中の駅で各駅停車を追い抜くことは出来ませんでした。しかし改良後は上下線とも追い抜きが可能になります。
また喜多山駅のホーム有効長が6両に延長されます。名鉄瀬戸線の列車は全て4両編成なので、すぐには活きる改良ではありませんが、将来列車を増結する際に役に立つでしょう。
高架化事業によってダイヤはどう変わる?
本事業の改良により様々なダイヤパターンが考えられます。当方でそれを予想してみました。それを下記に記載していこうと思います。
予想①~15分サイクルダイヤ
15分サイクルパターンは現行からパターンが変わっていません。喜多山駅が高架化してもダイヤが変わらないと予想する場合もここに該当します。
個人的には一番あり得るダイヤパターンではないかと思います。
準急を急行に格上げし、全ての普通列車が喜多山で急行に抜かれるパターンです。
準急を急行に格上げすることによって、急行列車が毎時4本に増加します。15分サイクルで完全にパターン化されることで、種別ごとでの混雑も均等に均されるでしょう。
場合によっては、普通列車の運行区間が全列車栄町~尾張旭間に短縮されるかもしれません。そうなれば、名鉄にとっては運行コストの削減になり、効率がアップするでしょう。
デメリットとしては、大森・金城学院前~尾張瀬戸間の乗車機会が減少することです。印場や旭前、三郷~尾張瀬戸間では、種別格上げや運行区間短縮によって停車本数時間が毎時4本に減少します。
普通列車を尾張旭止まりにしていますが、これは新型コロナウイルスの影響による利用者減により、さらに運行本数が削減される可能性があるからです。
予想②~20分サイクルダイヤ
名鉄では一般的な15分サイクルから20分サイクルに変更したダイヤパターンです。
名鉄瀬戸線は、栄町で東山線と桜通線、大曽根駅で中央本線、名城線、ゆとりーとラインと乗り換え可能ですが、どの路線もおおよそ10分サイクルまたは20分サイクルになっています。各方面との乗り換え時間が一定になり、混雑の均等化が図れると思います。
閑散期
2121年ダイヤ改正で1時間当たり準急2本、普通4本に減便されたので、20分サイクル化するに当たり本数を準急3本、普通3本に変更しています。準急を増発し普通を減便したので、準急が停車する駅では利便性が向上する一方、普通しか停車しない駅は停車本数減少により利便性が低下します。
なお喜多山での緩急接続はなく、全列車が栄町、尾張瀬戸まで先着します。必要編成数は9本と現行の昼間ダイヤと変わりません。
繁忙期
閑散期のダイヤから急行を3本/h増やし、優等列車を毎時6本・10分間隔にしています。緩急接続については、下りでは印場・旭前の利便性を考慮し緩急接続を行い、上りでは新瀬戸で愛知環状鉄道から急行に乗り換えてきた利用者のために、尾張旭で急行と普通列車を接続させています。
乗車機会については、下りの場合大森・金城学院前と尾張旭~尾張瀬戸間では6回で、それも全て優等列車になります。小幡や喜多山、印場、旭前では9回に増えます。
いくつかある予想の中で、20分サイクル化はかなり大穴な予想かと思います。しかし、上記のように待避線の整備によって現行よりも優等列車の本数を増やすことが出来るようになるので、予想の1つとして加えさせていただきました。
予想③~特急による座席指定列車の営業開始
名鉄瀬戸線は現在全ての列車が4両編成で運行されてます。しかし栄町、大曽根、小幡、印場、尾張旭、尾張瀬戸では、駅の有効長が6両分あります。
そして喜多山駅も高架化を機に有効長が6両に延長されます。したがって、喜多山駅が高架化された後は、特急列車による座席指定列車が運行されるかもしれません。
停車駅は栄町、大曽根、小幡、喜多山、大森・金城学院前、尾張旭、三郷、新瀬戸、尾張瀬戸でしょうか。その場合、ホームの延長が必要な駅は、大森・金城学院前、三郷、新瀬戸になります。(踏切に挟まれている三郷は最悪通過かもしれません)
座席指定列車を運行すれば、単純に現行よりも輸送力が上がりますし、3密を避けた快適な移動ができるようになります。新型コロナウイルス対策として大変有効でしょう。
座席指定料金を取ることで増収となり、名鉄にとってもメリットがあります。
ちなみに特急を運行する場合のダイヤは以下のようになります。
特急を全線で運行する場合は、特急が全線急行運転するので普通列車も尾張瀬戸まで全線運行が必要です。そのためこのダイヤを実現するために必要な編成数は12編成と現行より1編成多くなります。
座席指定列車の増収も見込める一方、コストが増すのがデメリットといえるでしょう。
まとめ
本記事に記載されているダイヤはあくまで予想です。今後の利用状況によっては、違うダイヤも予想されます。
特に2020年現在では新型コロナウイルスによって、今後の見通しが出来ない状況です。列車ダイヤについても慎重に設定する必要があるでしょう。
喜多山駅高架化に伴うダイヤ変更の考察動画(youtube)
喜多山駅工事状況観察とセットで動画にしました。是非ご覧ください!!
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