名古屋市営地下鉄東山線・名城線・名港線・鶴舞線・桜通線・上飯田線の2023年度夜間留置まとめ!2024年1月時点のデータをまとめましたので、これを基に考察をしていきたいと思います!
東山線は、名古屋市を高畑から藤が丘まで概ね東西に結んでいる路線です。名古屋市営地下鉄の路線の中で最も古い路線で、両端の高畑・藤が丘から名古屋市都心部への通勤路線となっているだけでなく、東海道新幹線のぞみ停車駅である名古屋や一大繁華街の栄を結んでいます。
最初の区間が開業したのは1957年と非常に古く、最終延伸が1982年ということから、戦後の利用者数の激増と相まって非常に高収益の路線となっており、2018年に大阪市営地下鉄が民営化されて以降は、日本で最も純利益額が高い路線となりました。
電化方式はDC600Vの第三軌条方式となっており、東京メトロ銀座線や丸の内線が750Vへの昇圧を構想していることを考えると、名古屋地下鉄は唯一電圧が600Vのままとなりかねない状況です。車両は15.5m車6両と、非常に小さいです。
列車の運転本数は、他路線との接続を意識してか、日中は5分間隔・毎時12本となっており、平日朝ラッシュは2分間隔・夕ラッシュは約3分間隔で運行されます。ホームドアの設置もすでに全駅で完了済みで、ワンマン運転やATOによる運転も既に開始されています。
名城線は名古屋市の大曽根から栄・金山・新瑞橋・名古屋大学を経て大曽根まで環状に結ぶ鉄道路線です。金山から分岐する形で名古屋港まで至る名港線も存在し、両線は一体的に運行されており、日中は名港線の列車が名城線の大曽根まで直通します。
名城線・名港線も電化方式がDC600Vの第三軌条方式です。列車本数は名城線を環状運転する列車が10分間隔・毎時6本、名港線直通列車も10分間隔・毎時6本で、両列車が走行する大曽根~金山間は5分間隔・毎時12本となっています。
鶴舞線は名古屋市の上小田井から日進市の赤池までを結ぶ路線です。両端の上小田井と赤池で名鉄線と相互直通運転しています。
名鉄線と相互直通運転することから電化方式は直流1500Vの架空電車線方式が採用されており、レールの軌間も1067mm・狭軌が採用されています。また車両が20m車4ドアとなっており、名鉄線で主力となっている19m車3ドアとは車両の使用が異なります。
列車本数は、日中は10分間隔・毎時6本です。直通先の名鉄豊田線では6本中2本が赤池止まりとなり、15分間隔・毎時4本となります。
桜通線は名古屋市の太閤通から徳重までを結ぶ路線です。太閤通~今池間は東山線と並行しており、東山線の激しい混雑を緩和するのに役立っています。
電化方式は直流1500Vの架空電車線方式が採用されており、レールの軌間も1067mm・狭軌が採用されていることから名鉄線との相互直通運転が考慮されています。ただ車両は鶴舞線と同様に20m車4ドアが採用されており、名鉄側の19m車3ドアとは車両仕様が異なります。
桜通線では両端からさらに路線を延伸する構想があります。太閤通側では七宝町への延伸が、徳重側では豊田市への延伸が構想されていますが、どちらも名鉄線への直通は想定されていない上に、そもそも路線延伸の目途も立っていません。
最後に上飯田線は、名古屋市の平安通から上井田線までを結ぶ路線です。路線距離が0.8kmと日本で最も短い地下鉄路線ですが、その理由は名鉄小牧線を地下鉄路線と接続させるためにあるからです。
上飯田線の開業のおかげで、名鉄小牧線利用者は上飯田から平安通まで徒歩で歩く必要が無くなり、利便性が大幅に向上すると同時に、小牧線の利用者が大幅に増加しました。上井田線には平安通から先、森下・高岳・新栄町を経由して鶴舞まで延伸する構想がありますが、実現は困難となっています。
運行系統ごとの夜間留置状況
本記事では名古屋市営地下鉄東山線・名城線・名港線・鶴舞線・桜通線・上飯田線を取り上げます。
東山線(2023年)
高畑車庫8+1本、高畑5本、岩塚1本、池下1本、星ヶ丘1本、藤が丘2本、藤が丘車庫24+5本
東山線に対する所感。
東山線は、両端の高畑と藤が丘に車庫を構えており、それぞれに多めに車両が留置されています。その他、岩塚・池下・星ヶ丘・藤が丘に夜間留置が設定されており、留置線の整備状況に合わせた夜間留置が設定されています。
特に岩塚や高畑では営業線上に夜間留置されます。藤が丘から送り込みをしないというのは、コストカットの意味合いも兼ねているでしょう。
稼働状況は48本・42運用・予備6本でかなり余裕がある印象です。ここは新型コロナウイルスによる運用減が影響しているでしょうか。
名城線・名港線(2023年)
新瑞橋1本、瑞穂運動場東2本、名古屋大学1本、大幸車庫19+4本、大曽根1本、金山1本、名古屋港3本、名港工場4本
名城線・名港線に対する所感。
名城線・名港線は車両基地がナゴヤドーム前矢田に併設されています。通常であれば、ここに車両が集中して留置される所かと思いますが、実際はかなり多くの駅に分散して留置されていることが分かります。
稼働状況は36本・32運用・予備4本と、こちらも少し多めです。1本程度であれば予備減は許容範囲かと思いますので、増発が強く望まれる所ですね。
鶴舞線(2023年)
上小田井2本、浄心1本、八事1本、赤池2本、日進工場15+4本
犬山2+2本、栢森1本、岩倉1本、豊田市2本、土橋2本、猿投1本
鶴舞線に対する所感。
鶴舞線は車庫が赤池に併設されています。名鉄線と相互直通運転しているため、名鉄所有の車両も同線に乗り入れますが、両社の夜間留置はどちらも社内所有の設備の範囲で留置場所が完結しており、外泊運用は組まれていません。
稼働状況は名鉄側が11本・9運用・予備2本と過不足無い印象ですが、名市交側は25本・21運用・予備4本と、やはり多い印象です。コロナ前でも混雑率が116%となっており、増発は中々見込めない状況ではありますが、新車のN3000形の導入状況も含めて今後の展開がどうなるか要注目です。
桜通線(2023年)
太閤通6本、今池2本、桜山2本、野並1本、徳重3本、徳重車庫6+4本
桜通線に対する所感。
桜通線は車庫が名古屋市郊外の徳重に併設されています。桜通線の徳重延伸前は太閤通に車両基地が併設されていましたが、現在は留置線のみ残されています。
稼働状況は24本・20運用・予備4本と、桜通線も例に漏れず予備が多いです。野並~徳重間の新規開業後の期待から大分落ち着いてきたことの表われでしょうか。
上飯田線(2023年)
上飯田1本、犬山2本、犬山検車場2+1本、小牧4本
上飯田線に対する所感。
上飯田線は、名市交側に自前の車庫を有しておらず、車両整備は名鉄の犬山検査場や舞木検査場に委託しています。上飯田線は名市交7000形と名鉄300系の2種類が乗り入れますが、両者の運用は共通化しています。
駅ごとの夜間留置状況
本記事では名古屋市営地下鉄東山線・名城線・名港線・鶴舞線・桜通線・上飯田線の留置状況を記載します。
東山線
高畑車庫
5050形6両・N1000形6両8+1本
高畑
5050形6両・N1000形6両5本
岩塚
5050形6両・N1000形6両1本
名古屋
夜間留置設定なし
栄
夜間留置設定なし
池下
5050形6両・N1000形6両1本
星ヶ丘
5050形6両・N1000形6両2本
藤が丘
5050形6両・N1000形6両24+5本
東山線に対する所感。
駅ごとで夜間留置状況を見ると、主に引き上げ線の本数に併せて車庫外留置が設定されている模様です。ただ高畑と岩塚については、営業線上に夜間留置していることがよく分かります。
この点については、藤が丘から送り込みをしたくなるほど、藤が丘から高畑方面への早朝の需要が伸びることが重要でしょうか。混雑率も額面上はあまり高くありませんし、意外に通勤・通学の穴場エリアなのかもしれません。
名城線・名港線
神宮西
夜間留置設定なし
新瑞橋
2000形6両1本
瑞穂運動場東
2000形6両2本
名古屋大学
2000形6両1本
砂田橋
夜間留置設定なし
大幸車庫
2000形6両19+4本
大曽根
2000形6両1本
黒川
夜間留置設定なし
名古屋城
夜間留置設定なし
上前津
夜間留置設定なし
金山
2000形6両1本
東海通
夜間留置設定なし
名古屋港
2000形6両3本
名港工場
2000形6両4本
名城線・名港線に対する所感。
名城線・名港線でも車庫外留置が多数発生しています。特に新瑞橋や瑞穂運動場東の夜間留置は、早朝深夜のダイヤを考慮したものとはいえ、線路保守の都合を考えればかなり異端な夜間留置設定と言えそうです。
逆に大幸車庫や砂田橋には追加で夜間留置が設定出来そうなものなのに、夜間留置の設定がありません。両箇所から送り込みをしても良いと思うのですが、ここは名城線東側の需要の大きさ・利便性確保が影響しているでしょうか。
おそらくですが、線路保守の都合に合わせて、車両留置場所が日によって変わっていると考えられます。どこに移変しているかまでは、今の所未調査ですので、分かったら掲載しようと思います。
鶴舞線
日進工場
名市交3050形6両・N3000形6両15+4本
赤池
名市交3050形6両・N3000形6両2本
八事
名市交3050形6両・N3000形6両1本
鶴舞
夜間留置設定なし
丸の内
夜間留置設定なし
浄心
名市交3050形6両・N3000形6両1本
庄内緑地公園
夜間留置設定なし
上小田井
名市交3050形6両・N3000形6両2本
鶴舞線に対する所感。
鶴舞線は、留置線の本数に合わせた車庫外留置が設定されています。庄内緑地公園にも1本夜間留置設定が出来そうですが、実際はありません。
これには鶴舞線が名鉄線と相互直通運転していることが影響しているでしょうか。とはいえ適度に上小田井で折り返す便も設定して、赤池・豊田市方面の本数を確保していると考えられます。
桜通線
太閤通
6000形5両・6050形5両6本
丸の内
夜間留置設定なし
今池
6000形5両・6050形5両2本
桜山
6000形5両・6050形5両2本
桜本町
夜間留置設定なし
野並
6000形5両・6050形5両1本
徳重
6000形5両・6050形5両3本
入出庫待機線:1本
徳重車庫
6000形5両・6050形5両6+4本
桜通線に対する所感。
桜通線は車両が設備一杯に車両が留置されている印象です。現行以上の稼働数増はあまり見込めないと考えるべきでしょう。
とはいえ桜通線そのものの混雑がコロナ前でも大したことがないので、増発が必要かと言われると怪しいですが。むしろ6両化して稼働本数を減らした方が、人件費も削減できて都合が良いかと思います。
例えば6両化して20本・17運用・予備3本にするとか。桜通線の混雑率が低いので、もっと稼働数を削っても良いかもしれません。
上飯田線
平安通
夜間留置設定なし
上飯田
名市交7000形4両・名鉄300系4両1本
上飯田線に対する所感。
上飯田線は、名鉄との会社境界駅である上飯田以外は夜間留置設定がありません。名鉄側の車両運用が未調査のため、判明次第情報を拡充したいと思います。
まとめ
ということで名古屋市営地下鉄東山線・名城線・名港線・鶴舞線・桜通線・上飯田線の夜間留置状況でした。
名市交は各駅停車しか停車しない、ダイヤ面では至って普通の路線ですが、夜間留置設定に焦点を絞ると他社にはない面白味のある路線でした。別に早急に改善が必要という訳ではありませんが、設備状況を踏まえて、今後どう展開するか注目していきましょう。
参考資料
まるはち交通センター
http://www.maruhachi-kotsu.com/subline/172truck.html
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