樽見鉄道樽見線は、JR東海道本線の岐阜県内の主要駅の一つである大垣駅から、樽見鉄道本社がある本巣駅を経て、樽見駅に至る路線です。
美江寺~北方真桑間で県道53号線(岐阜関ヶ原線)と交差しており、交差地点の踏切を先頭に自動車が交通渋滞をしていました。
これを改善するために鉄道線を高架化し、同道路と立体交差することで渋滞を抜本的に解消する工事が現在進んでいます。
今回は線路を切り替え、立体交差が達成されてから7か月後の2021年6月20日時点の様子を報告します。
事業概要
事業の概要については、以下の記事に記載しておりますので、クリックしてご覧ください。
現地の状況
実際に現地に行って、線路切り替え後の様子を確認して参りました。結論から言えば、周辺の工事が進み、ついに県道53号線が片側2車線化しました。
宗慶踏切
下の画像は国土地理院Webサイト「地理院地図Vector(試験公開)」で公開されている「標準地図」に加筆したものです。なお下の画像以外にも地理院地図Vectorより引用+加筆したものがありますが、以降の画像ではこの説明を省きます。宗慶踏切から見た高架橋の様子です。線路より左手側にあった仮線等の設備が完全に撤去されました。
平塚踏切
平塚踏切だった所を岐阜方から見た時の様子です。線路や踏切等が全て撤去され綺麗に舗装されました。
鉄道線との交差部には、高さ制限のため高さ3.0mのガードが設置されています。
上が大垣方、下が樽見方の様子です。仮線が完全に撤去されて更地になっている他、仮線整備前は道路だったため、元通り道路として整備され直しています。
高架橋より関ケ原方の沿道では、整備前にはあった県道53号線をアンダーパスする地下道を復活させる工事が行われています。
樽見方は工事前は普通の道路ですが、復活するかどうかは分かりません。
白山踏切(県道53号線交差部)
次は県道53号線の様子を紹介していきます。まずは小柿宮北交差点からの様子です。
この交差点からすぐ関ケ原方から車線が縮小され、片側1車線となっていました。それが今回取材したときには車線が片側2車線に拡大され、快適に通行できるようになりました。
小柿宮北交差点よりさらに高架橋に近づいてきました。交差部も県道は片側に2車線に整備されています。
歩道に関してはまだ未整備のようで、周辺は通行できないようになっていました。歩道の整備はまだこれからのようです。
高架橋よりすぐ岐阜側にある交差点には、新しく信号機が設置されました。すでに稼働が開始されています。
道路側ではなく鉄道側が立体交差化工事されたのも、この交差点が交差部に近く、道路側を工事すると工事範囲が広くなってしまうのが理由と考えられます。
4車線に拡幅された県道の上を樽見鉄道の気動車が悠々と越えていきます。
上が大垣方、下が樽見方です。工事ヤードだった部分も元の更地に戻されて規模が縮小されています。
交差部からさらに関ケ原方から撮影しました。自動車が交差部をすいすいと抜けていきます。
十四条踏切
高架橋より南側、事業区間の南端にある十四条踏切です。この踏切は切り替え時点では、一旦通行止めになっていましたが、切り替え後再整備されて通行できるようになっていました。
上が大垣方、下が樽見方です。砂利も含めて仮線部分が全て撤去されて更地になりました。
上が大垣方、下が樽見方に立っている勾配標です。踏切部は道路の傾きを考慮して3.5‰に、踏切を越えると県道をオーバーパスするため25‰となっています。
まとめ
という訳で、以上線路切り替えから7か月後の工事状況でした。
切り替え直後は、線路・踏切が残っていたせいで車が一時停止し、それだけで渋滞になっていました。しかし設備を撤去し車線数を拡張したことで、栗間が一時停止することがなく、快適に通行できるようになりました。
工事は来年の2022年3月31日まで続きます。工事完了まであと少しなので、無事完遂することを心より願っています。
動画版(youtube)
当方では、樽見鉄道高架化工事の2021年6月20日時点の工事の様子を動画でもまとめています。是非ご覧ください!
その他の取材日
2020年6月27日時点
2020年12月05~06日時点
参考文献(画像出典含む)
国土交通省国土地理院(画像には加筆されているものもあります)
https://www.gsi.go.jp/top.html
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