2023年度の京王線本線系統と都営浅草線の夜間留置まとめ!2023年10月時点のデータをまとめましたので、これを基に考察をしていきたいと思います!
京王電鉄は関東大手私鉄の1つであり、首都圏から西へ放射状に伸びる通勤路線を有しています。京王線には新宿から八王子や橋本、高尾へ至る本線系統と、渋谷から吉祥寺まで伸びる井の頭線系統の2種類が存在します。
本線系統が1372mmの馬車軌間を採用しているのに対し、井の頭線が1067mmの狭軌が採用されているため、両線の相互直通運転ができません。本記事では1372mmの本線系統を取り上げます。
本線系統は元々新宿と八王子を結ぶために誕生した路線です。並行する中央本線が江戸時代まで主要交通路だった甲州街道から離れたところに敷設されたのに対し、京王線は甲州街道に沿って各宿場町を結ぶように路線が敷設されました。
その後北野から高尾線が分岐して高尾山口まで、調布から相模原線が分岐して橋本まで路線が敷設されて現在の3方向に枝分かれする通勤路線が形成されています。その他競馬場線と動物園線が分岐しており、路線名の通り各施設へのアクセスする小さな枝線が存在します。
京王線は東急電鉄とともに運賃がとても安い路線であり、その影響もあってか、利用者が非常に多いです。ラッシュ時は特に列車本数が多くなることから、朝ラッシュは調布~新宿間で日中の約2倍時間がかかるという「日本で最もラッシュ時に遅くなる路線」となっています。
運行系統ごとの運用状況
若葉台3+1本、高幡不動3本
桜上水1本、高幡不動13本、北野2本、八王子2本、高尾1本、若葉台9+1本、多摩センター1本
橋本1本、若葉台9+4本、大島2本、高幡不動4本
桜上水8本、高幡不動4本、若葉台4+2本
本八幡2本、瑞江2本、大島15+4本、岩本町1本、N新宿1本、桜上水1本、若葉台2本
高幡不動1+1本
高幡不動1+1本
所感
京王線の本線系統には、動物園線や競馬場線といった支線を除くと7種類の運行系統が存在し、本線系統の両数は8両と10両の2種類となります。8両編成については、現在固定編成のみの運用となっていますが、京王線内のみ運行する10両編成は6両+4両や8両+2両の分割編成が存在します。
京王ではジョーカー事件に発生により、分割編成が安全上問題があると判断し、これらを淘汰すべく新型車両の製造を計画しています。現状では2023年度~2026年度にかけて70両の製造が予定されています。
現在6+4両で運転されているのは7000系同士の5本、8+2両は7000系+9000系の3本がとなっていますので、分割編成解消になるのは2027年前後と考えられます。
個人的には最新車両の5000系がどれだけ製造されるか気になりますね。それ次第で京王ライナーの増発がされるかどうかが決まります。
駅ごとの夜間留置状況
本八幡
都営車10両2本
瑞江
都営車10両2本
大島
京王直通対応10両2本
都営車10両15+4本
住吉
夜間留置設定なし
岩本町
都営車10両1本
市ヶ谷
夜間留置設定なし
新線新宿
都営車10両1本
京王新宿
夜間留置設定なし
笹塚
夜間留置設定なし
桜上水(合計留置両数:8両×8本+10両×2本=84両)
京王非直通10両1本
京王非直通8両8本
都営車10両1本
115m5両1本
145m7両1本
165m8両5本(内1本は分岐器を跨ぐ)
330m16両2本
八幡山
夜間留置設定なし
つつじヶ丘
夜間留置設定なし
調布
夜間留置設定なし
飛田給
夜間留置設定なし
東府中
夜間留置設定なし
府中競馬正門前
夜間留置設定なし
府中
夜間留置設定なし
高幡不動(合計留置両数:2両×2本+4両×2本+8両×6本+10両×20本=260両)
京王ライナー10両3本
京王非直通10両13本
京王直通対応10両4本
京王非直通8両4+2本
4両ワンマン1+1本
2両ワンマン1+1本
55m2両1本
85m4両3本
130m6両1本
165m8両3本
205m10両6本
230m11両1本
255m12両5本
265m13両1本
295m14両1本
315m15両3本
検査線200m10両(建屋は160m8両分)2本
検査線200m10両2本
多摩動物公園
夜間留置設定なし
北野
京王非直通10両2本
八王子
京王非直通10両2本
高尾
京王非直通10両1本
高尾山口
夜間留置設定なし
京王多摩川
夜間留置設定なし
若葉台(合計留置両数:8両×6本+10両×25本=84両)
京王ライナー10両3+1本
京王非直通10両9+1本
京王直通対応10両9+4本
京王非直通8両4本
都営車10両2本
200m10両15本
235m11両2本
245m12両1本
260m13両2本
290m14両2本
495m24両1本
入替線210m10両1本
転削線495m24両1本
検査線200m10両3本
検査線200m10両3本(建屋は130m6両分)
検査線275m13両1本(建屋は90m4両分)
多摩センター
京王非直通10両1本
南大沢
夜間留置設定なし
橋本
京王直通対応10両1本
所感
まず夜間留置の状況を纏めてみて分かるのは、隣を走る小田急電鉄と比べると車庫外留置が少ないことです。特に路線の端点である新宿駅に夜間留置設定が全くありません。
おそらく桜上水から送り込めば夜間留置は不要ということかと思いますが、現在桜上水駅周辺では高架化工事が行われています。したがって、その進捗によっては新宿などに夜間留置が新規設定されるかもしれません。
ちなみに桜上水以外では、笹塚や八幡山でも現在工事中のため夜間留置の設定がありません。現在高架化が検討されているつつじが丘駅でも夜間留置設定がなく、高架化工事を始めようと思えばすぐにでも始められる状況です。
その他、調布に2本、飛田給に2本、府中に2本、多摩センターに2本新たに留置可能です。したがって、桜上水駅の高架化工事の進捗によって夜間留置を設定できなくなっても、留置箇所の設定を変えれば対応可能と言えるでしょう。
ただ、高架化工事をしているがために既存の8両運用を10両運用に変更することが難しいと言えます。
京王線は多摩動物公園駅を除く全ての駅でホームが10両対応となっており、ホームの延長工事は必要ありません。しかし、桜上水と高幡不動を中心に車庫の留置線が10両分に満たない留置線が多く存在します。
桜上水駅については高架化と同時に留置線を整備し直すため、(留置本数は減るかもしれませんが)10両対応になると考えられます。これは工事誌にある桜上水駅の高架橋範囲が現状の鉄道用地より広いことから分かります。
そして、高幡不動駅の方ですが、こちらは鉄道用地の拡張は不可能なので、一部の留置線を廃止するなどの整理が必要になります。
とはいえ、高幡不動検車区は戦前に開設された車両基地であるため、中途半端な長さの留置線が多いです。4両編成の運用が将来少なくなり、縦列停車が出来なくなることを考えると、将来は土地面積の割に留置能力が落ち、車庫外に留置をしないといけなくなると考えられます。
桜上水や高幡不動で留置能力が落ちた分は若葉台検車区の拡張で対応できます。車両基地の隣には京王が運営するゴルフ練習場もあるので、撤去すれば車庫容量の対応は余裕でしょう。
京王線が笹塚~調布間で複々線化したとしても対応可能と考えられますので、今後の展開が気になりますね。
まとめ
ということで、利用客数次第ではありますが、京王は今後の利用者増に対しても対応可能な程度に敷地を確保していることが分かりました。まずは8両編成の10両編成化、そしてゆくゆくは複々線化を果たして欲しいですね。
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