2023年度の東京メトロ銀座線・東京メトロ丸の内線の夜間留置まとめ!2024年1月時点のデータをまとめましたので、これを基に考察をしていきたいと思います!
東京メトロ銀座線は浅草から渋谷までを結ぶ地下鉄路線です。日本のみならずアジア・オセアニア地域を含めても初めての本格的な地下鉄路線として開業しました。
戦前に開業・全線開通した路線であるため車体長が16mかつ最大両数が6両となっており、車体規格が東京メトロの路線の中で最も小さくなっています。そのため乗車定員が少ないことから、他の地下鉄路線と比べて運行本数が非常に多いのが特徴です。
新型コロナウイルスの影響を受ける前は、日中は1時間あたり毎時20本・3分間隔で運行していました。それがコロナの影響で5分間隔に減便、その後2023年4月のダイヤ改正で4分間隔まで復便しています。
東京メトロ丸の内線は、池袋から東京・新橋・新宿・中野坂上を経由して荻窪に至る本線と、中野坂上から分岐して方南町へ至る支線から成る路線です。戦後増え続ける銀座線の混雑を緩和するため、一部区間で銀座線と並行するように路線が建設されました。
丸ノ内線は銀座線と同様に第三軌条方式が採用されており、両線は赤坂見附で線路が繋がっています。そのため、銀座線の車両が丸ノ内線に乗り入れ、車両基地のある中野富士見町まで回送されることがあります。
丸ノ内線の車体規格は18m車6両となっています。銀座線の車体規格より少し大きいため、線路は繋がっているものの、銀座線に乗り入れることはありません。
運行系統ごとの運用状況
浅草5本、上野14+4本、末広町1本、神田1本、新橋1本、溜池山王2本、渋谷9本、茗荷谷+2本、中野富士見町+1本
池袋2本、茗荷谷15本、後楽園2本、新宿1本、中野坂上2本、荻窪3本、中野富士見町23+3本、方南町1本
銀座線に対する所感
2022年8月のダイヤ改正で運用数が4運用減少し、予備が7本となっています。ダイヤ改正前は予備3本と適正数だったと思うので、今後は混雑次第で列車を増発するといった所でしょうか。
2022年時点の額面上の混雑率は94%となっていますが、コロナ前は160%を超えていました。利用者が減ったからといって新造したばかりの1000系を廃車にすることはないでしょうし、基本的には利用者が戻れば列車本数も元に戻ると考えられます。
丸ノ内線に対する所感
2022年8月のダイヤ改正により、3両4編成と6両1運用分の運用減が発生し、上記の通り現在平日は49運用となっています。また新製投入される2000系は52編成を予定していることから、新製完了時には6両の予備が3本という体制になります。
49運用に対して予備3本は適正数かと思いますので、今後朝ラッシュの輸送力を増強したい場合は、さらに2000系を増備する必要があるでしょう。
駅ごとの夜間留置状況
銀座線
浅草
銀座線6両5本(A線,B線,引上1,引上2,引上3)
上野
銀座線6両14+4本(車庫)
末広町
銀座線6両1本(1番A線)
神田
銀座線6両1本(1番A線)
三越前
夜間留置設定無し
銀座
夜間留置設定無し
新橋
銀座線6両1本(B線側引上)
溜池山王
銀座線6両2本(A線側引上,B線側引上)
赤坂見附
夜間留置設定無し
渋谷
銀座線6両9本(車庫)
銀座線に対する所感
東西線でも停留場に夜間留置するケースがありましたが、銀座線はさらに多くの車両が車庫や停車場に泊め切れず、停留場に夜間留置しています。所定では末広町と神田に夜間留置されています。
これらと浅草で留置している車両については、夜間の保守業務の都合で、別の駅に夜間留置する場合があり、対象駅は田原町・稲荷町・上野広小路になります。
さらに2022年のダイヤ改正で運用減となりましたが、その運用が減った分を丸の内線沿線の車両基地に疎開留置させています。ダイヤ改正で運用が減ってもなお車庫容量が足りない状況のため、運用に入らない分については銀座線沿線での留置すらしていないようです。
以上のように明らかに車庫容量が足りていない状況です。仮に新橋駅の旧東京高速鉄道ホームに夜間留置する列車の本数を増やしたり、渋谷駅の工事を完了させて夜間留置できる本数を増やしたりしても、車庫容量は足りないでしょう。
問題解決のためには、上野検車区の近傍の用地を買収して留置できる本数を増やす必要があると考えます。当然用地買収には莫大な費用が掛かるので、問題解決の難易度は非常に高いでしょう。
丸ノ内線
池袋
丸ノ内線6両2本(A線,B線)
茗荷谷
丸ノ内線6両1本(B線)
丸ノ内線6両14本(車庫)
銀座線6両2本(車庫)
後楽園
丸ノ内線6両2本(側1,側2)
御茶ノ水
夜間留置設定無し
銀座
夜間留置設定無し
赤坂見附
夜間留置設定無し
四谷三丁目
夜間留置設定無し
新宿三丁目
夜間留置設定無し
新宿
丸ノ内線6両1本(引き上げ線)
中野坂上
丸ノ内線6両2本(A線,B線)
新中野
夜間留置設定無し
荻窪
丸ノ内線6両3本(B線,A引上,B引上)
中野富士見町
丸ノ内線6両1本(1番)
丸ノ内線6両22+3本(車庫)
銀座線6両1本(車庫)
方南町
丸ノ内線6両1本(2番B線)
丸ノ内線に対する所感
夜間留置の状況を見ると銀座線とは異なり、比較的余裕があるように見受けられます。とはいえ池袋と荻窪で1本ずつ過剰に留置しているように見受けられますので、ここについては茗荷谷に銀座線の車両を留置しているのが影響しているのかなと思います。
また銀座には1本夜間留置できるように思いますが、夜間留置をしない理由については不明です。もし駅構内に勾配があれば、物理的に留置は不可能です。
まとめ
銀座線の夜間留置の問題はお金さえあればいくらでも問題解決できますが、現状としては都度夜間留置する場所を変えることで、保守作業との両立を図っていくと考えられます。とりあえずは現状の激しい混雑に対して増発が行われることを期待するといった所でしょうか。
丸ノ内線は、方南町の6両ホーム対応工事が完了したことで、丸の内線で3両を保有する意味は無くなったと思います。今後は利用者も戻り具合によって2000系が53編成以上製造されるかどうかが注目点と言えるでしょう。
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