2023年度の鉄道混雑率が国土交通省から遂に発表されました!本記事で資料内容をまとめると共に、個人的な所感も書いていきたいと思います。
国交省資料
各エリア混雑率
まずは報道発表資料を本記事でも各エリアごとに表にまとめます。表内の分数は輸送人員/輸送力(単位略)で表します。
JR-北海道・東北エリア
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
JR北海道 函館本線 小樽⇒札幌 | 121% 10346/8538 6両×10本 7:31~8:31 | 102% 8579/8376 6両×10本 7:30~8:30 | 108% 9008/8376 6両×10本 7:30~8:30 |
JR北海道 函館本線 岩見沢⇒札幌 | 103% 7714/7506 6両×9本 7:35~8:35 | 82% 5528/6744 6両×8本 7:35~8:30 | 94% 6191/6582 6両×7本 7:35~8:30 |
JR北海道 千歳線 千歳⇒札幌 | 112% 6474/5781 6両×7本 7:29~8:29 | 75% 4382/5820 6両×7本 7:29~8:28 | 89% 5155/5766 6両×7本 7:29~8:28 |
JR北海道 札沼線 当別⇒桑園 | 119% 5647/4734 6両×6本 7:22~8:22 | 94% 4826/5112 6両×6本 7:22~8:21 | 106% 5416/5112 6両×6本 7:22~8:21 |
JR東日本 東北本線(北行) 岩沼⇒仙台 | 111% 9450/8502 5.3両×12本 7:30~8:30 | 95% 8118/8558 5.2両×12本 7:45~8:45 | 104% 8893/8556 5.2両×12本 7:30~8:30 |
JR東日本 東北本線(南行) 松島⇒仙台 | 112% 5690/5090 5.4両×7本 7:30~8:30 | 90% 4900/5456 5.7両×7本 7:30~8:30 | 92% 4260/4630 4.9両×7本 7:30~8:30 |
JR東日本 仙山線 山形⇒仙台 | 119% 3540/2970 5.5両×4本 7:35~8:35 | 98% 3030/3106 5.5両×4本 7:35~8:35 | 96% 3230/3376 6両×4本 7:35~8:35 |
JR東日本 仙石線 東塩釜⇒仙台 | 106% 5920/5560 4両×10本 7:45~8:45 | 97% 4850/5004 4両×10本 7:40~8:40 | 106% 5297/5004 4両×9本 7:40~8:40 |
JR東日本 信越本線 新津⇒新潟 | 141% 6387/4518 4.2両×9本 7:27~8:27 | 130% 5704/4374 4.2両×9本 7:27~8:27 | 135% 5913/4371 4.1両×9本 7:27~8:27 |
JR東日本 白新線 新発田⇒新潟 | 125% 3368/2688 4.4両×5本 7:40~8:40 | 127% 3130/2462 5両×4本 7:26~8:26 | 135% 3377/2504 5両×4本 7:26~8:26 |
JR東日本 越後線 吉田⇒新潟 | 111% 3650/3286 5.2両×5本 7:50~8:50 | 111% 3660/3286 5.2両×5本 7:53~8:53 | 116% 3805/3286 5.2両×5本 7:53~8:53 |
JRの北海道・東北・新潟地方は、基本的にどの路線も利用者が増加し、混雑率も悪化しています。
札幌エリア
JR北海道は財政事情が劣悪なため、容赦なく減便になってもおかしくないと思うのですが、減便が行われているのは岩見沢方面のみであり、他は減便されていません。快適な通勤を保障してくれるのは有難いですが、これがどの程度維持できるか今後に注目です。
東北エリア
東北地方については、仙山線で輸送力増強された一方、東北本線(南行)と仙石線は減便となり、東北本線(南行)は輸送人員も減少していました。仙石線については、故障が相次ぐ205系の負担を軽減する目的があるでしょう。
新型車両への置き換えが噂されている仙石線ですが、個人的には2両ワンマン運転に短縮して現行より高頻度に運転して欲しい所です。人材面を考えると望み薄ですけど・・・
新潟エリア
新潟地区は相変わらず混雑率が地方都市としては高めです。白新線や越後線はコロナ前よりも輸送人員が増加しています。
混雑緩和のために車両を増備しなければいけないような状況でもありませんが、米坂線の復旧見込みが立たない以上、場合によっては気動車周りの運用を整理しなければならないはずです。それに伴って電車側の運用も調整が必要でしょう。
どうやって必要な車両を捻出するかが今後に新潟地区の注目点かと思います。
JR-関東エリア
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
JR東日本 東海道本線 川崎⇒品川 | 193% 67560/35036 13両×19本 7:39~8:39 | 134% 42060/31348 13両×17本 7:39~8:39 | 151% 47400/31348 13両×17本 7:39~8:39 |
JR東日本 横須賀線 武蔵小杉⇒西大井 | 195% 40060/20504 13両×11本 7:26~8:26 | 124% 23160/18664 13両×10本 7:26~8:26 | 134% 25050/18668 13両×10本 7:26~8:26 |
JR東日本 山手線(外回り) 上野⇒秋葉原 | 149% 53380/35794 11両×22本 7:40~8:40 | 115% 33630/29286 11両×18本 7:40~8:40 | 125% 34530/27659 11両×17本 7:43~8:43 |
JR東日本 山手線(内回り) 新大久保⇒新宿 | 156% 58290/37421 11両×23本 7:45~8:45 | 126% 40990/32540 11両×20本 7:45~8:45 | 131% 42500/32540 11両×20本 7:41~8:41 |
JR東日本 中央快速線 中野⇒新宿 | 184% 81550/44400 10両×30本 7:40~8:40 | 139% 59610/42920 10両×29本 7:41~8:41 | 158% 65510/41440 10両×28本 7:35~8:35 |
JR東日本 中央緩行線 代々木⇒四ツ谷 | 99% 33790/34040 10両×23本 8:01~9:01 | 81% 22830/28120 10両×19本 8:01~9:01 | 92% 24610/26640 10両×18本 7:53~8:53 |
JR東日本 宇都宮線 久喜⇒大宮 | 137% 35440/25816 13両×14本 6:56~7:56 | 108% 23810/22128 13両×12本 7:03~8:03 | 116% 25720/22128 13両×12本 7:08~8:08 |
JR東日本 高崎線 上尾⇒大宮 | 162% 41880/25816 13両×14本 6:57~7:57 | 122% 31620/25816 13両×14本 7:07~8:07 | 130% 33480/25816 13両×14本 7:07~8:07 |
JR東日本 京浜東北線(南行) 南浦和⇒赤羽 | 173% 64150/37000 10両×25本 7:20~8:20 | 142% 48260/34040 10両×23本 7:20~8:20 | 150% 51080/34040 10両×23本 7:20~8:20 |
JR東日本 京浜東北線(北行) 川崎⇒品川 | 185% 71350/38480 10両×26本 7:35~8:35 | 129% 49790/38480 10両×26本 7:35~8:35 | 146% 56020/38480 10両×26本 7:35~8:35 |
JR東日本 常磐快速線 北千住⇒日暮里 | 150% 58230/38852 14.2両×19本 7:18~8:18 | 128% 39400/30804 14.2両×15本 7:34~8:34 | 137% 42160/30804 14.2両×15本 7:35~8:35 |
JR東日本 常磐緩行線 亀有⇒綾瀬 | 149% 50060/33600 10両×24本 7:23~8:23 | 106% 29690/28000 10両×20本 7:19~8:19 | 133% 37350/28000 10両×20本 7:19~8:19 |
JR東日本 総武快速線 船橋⇒錦糸町 | 181% 64100/35416 13両×19本 7:34~8:34 | 131% 43800/33552 13両×18本 7:35~8:35 | 148% 49740/33624 13両×18本 7:35~8:35 |
JR東日本 総武緩行線 錦糸町⇒両国 | 194% 74820/38480 10両×26本 7:34~8:34 | 127% 46860/37000 10両×25本 7:34~8:34 | 141% 52000/37000 10両×25本 7:34~8:34 |
JR東日本 南武線 武蔵溝ノ口⇒登戸 | 182% 40380/22200 6両×25本 7:30~8:30 | 130% 27770/21312 6両×24本 7:30~8:30 | 146% 31110/21312 6両×24本 7:30~8:30 |
JR東日本 武蔵野線 東浦和⇒南浦和 | 166% 27450/16576 8両×14本 7:21~8:21 | 148% 24520/16576 8両×14本 7:05~8:05 | 152% 25200/16576 8両×14本 7:15~8:15 |
JR東日本 横浜線 中山⇒新横浜 | 163% 36670/22496 8両×19本 7:27~8:27 | 125% 25110/20128 8両×17本 7:30~8:30 | 134% 27070/20128 8両×17本 7:21~8:21 |
JR東日本 根岸線 新杉田⇒磯子 | 146% 28080/19240 10両×13本 7:14~8:14 | 78% 13800/17760 10両×12本 7:14~8:14 | 81% 14440/17760 10両×12本 7:14~8:14 |
JR東日本 五日市線 東秋留⇒拝島 | 128% 6830/5328 6両×6本 7:04~8:04 | 93% 4120/4440 6両×5本 7:12~8:12 | 97% 4300/4440 6両×5本 7:13~8:13 |
JR東日本 青梅線 拝島⇒立川 | 125% 28465/22792 9.1両×17本 7:03~8:03 | 83% 17660/21312 9両×16本 6:58~7:58 | 94% 19450/20720 8.8両×16本 7:00~8:00 |
JR東日本 埼京線 赤羽⇒池袋 | 185% 51850/27960 10両×19本 7:50~8:50 | 149% 41770/27960 10両×19本 7:51~8:51 | 160% 44960/28040 10両×19本 7:51~8:51 |
JR東日本 京葉線 舞浜⇒新木場 | 162% 53320/32856 9.3両×24本 7:29~8:29 | 102% 30460/29896 9.2両×21本 7:29~8:29 | 113% 34020/30192 9.3両×22本 7:31~8:31 |
関東地区は調査が行われた全線区で輸送人員が増加しました。テレワークの影響によりコロナ前よりは利用者が少ないですが、線区によってはコロナ前と同様に輸送改善が必要だと個人的に考えます。
東海道本線
東海道本線は利用者がコロナ禍からの脱却で順当に利用者が増加し、それに伴って混雑率も増加しました。
政府目標である150%を突破したため、混雑による列車遅延を勘案しながらにはなりますが、平日朝ラッシュの列車増発が必要でしょう。東海道本線を担当する小山車や国府津車には予備車が幾らかありますので、予備を削っての増発に期待したい所です。
他にも東海道本線では田町付近で分岐して羽田空港に至る羽田空港アクセス線が開業予定です。これに伴って車両が増備されることがほぼ確実かと思いますので、それに併せてより収容力のある新車に置き換えられることに期待します。
横須賀線
横須賀線は利用者の減少が著しい路線です。朝ラッシュピーク1時間の本数が1本減少しましたが、それでもコロナ前より15000人も少ない影響で、混雑率は60ポイントも減少しています。
この減少に相鉄・JR直通線がどの程度影響しているかはデータが無いので分からないですが、少なくとも2023年度の混雑率は134%なので、今の段階では増発も減便も不要だと思います。列車を増発するかは現段階では様子見で良いと思います。
横須賀線では、現在使用車両をE217系からE235系に更新中です。この車両更新は2024年度で完了する見込みであり、これにより一般車はオールロングシート化します。
E217系より収容力があるので、混雑時の圧迫感は幾らか軽減されるでしょう。またE235系は車両置き換え完了後のダイヤ改正を機にスピードアップしますので、そちらでも改善が期待されます。
山手線
山手線は上野東京ラインや東京メトロ副都心線の整備により、コロナ前からそれほど混雑率が高くありませんでした。それがコロナ禍を経てさらに減少し、2023年度実績では両方向とも混雑率140%未満となっています。
朝ラッシュピークの列車本数を減らしてなおこの混雑率なので、過剰な編成については他線区に転属するのが濃厚でしょう。現在車両動向として6編成が他線区に転属する公算が高く、転属先がどこなのかが界隈で盛んに議論されています。
個人的には車両の廃車ロスが少ない中央総武各駅停車が妥当かなと思いますが、置き換え対象がE231系0代になるのか、E231系800代になるのかは不明です。どちらも10両6本で置き換え可能な範囲です。
中央総武各駅停車の場合、相互直通運転を行っている東京メトロ東西線の九段下~飯田橋間で折り返し設備の整備が進んでいるため、将来中央総武各駅停車と東京メトロ東西線の相互直通運転を廃止する可能性があります。
中央本線は旅客動向において新宿指向が強いため、途中の中野で一部列車が東西線方面に振り分けられることで、朝ラッシュの輸送効率が悪くなっている実態があります。相互直通運転を中止して全て新宿直通にすれば中央本線の混雑平準化に繋がるので、個人的には800代の置き換えを望む所です。
もちろん0代を置き換え、0代を8両化して武蔵野線に転属させれば、武蔵野線の混雑緩和に繋げられます。どういう動きになるかは実際に動き始めないと分からないですね。
中央本線
そして、その中央本線は快速線の混雑率が大幅に上昇し、全国で5番目に高い158%を記録しました。前年度と比較して6000人も輸送人員が増加したことに加え、ピーク1時間の列車の運行本数が減少したのが急激に混雑率が悪化した原因です。
中央快速線は複々線化時の歴史的経緯により、平日は快速が三鷹~中野間で各駅に停車しています。そのせいで旅客が快速に集中する状態となっており、各駅停車の方は増発の余地があるだけでなく一部が東京メトロ東西線に振り向けられるせいで、わざわざ中野始発の列車が設定される始末です。
効率の悪い輸送体系を改善するため「東西線との相互直通運転廃止」⇒「三鷹始発新宿方面行の各駅停車を増発」⇒「快速の停車駅を減らし速達化と混雑緩和を果たす」という流れが欲しい所です。果たして今後、政治的な壁を乗り越えて合理的なダイヤ変更が出来るでしょうか。
とりあえず、中央本線ではグリーン車を2両連結して12両化することが予定されています。予定通りであれば2025年春に開始されますので、その輸送力増強で混雑率が改善するでしょう。
中央本線の今後の混雑率に注目です。
宇都宮線・高崎線
上野東京ライン・湘南新宿ラインの北側の線区は、コロナ禍を経て利用者が増加したものの、コロナ前に比べると利用者数が減少しています。高崎線についてはコロナ前の段階で混雑率が162%と高かったため列車の減便はされていませんが、宇都宮線は137%だったため減便が行われています。
2023年度実績で、宇都宮線は減便してなお116%だったので、復便される可能性は低いでしょう。今後の利用者動向次第では、上野東京ライン直通を中心にさらに減便されることもあり得ると思います。
京浜東北線・根岸線
上野東京ライン開業前は日本最悪クラスの混雑状況だった京浜東北線ですが、上野東京ライン開業とコロナ禍を経て、劇的に混雑が改善しています。とはいえ、2023年度は南行で混雑率が150%を越えました。
南行はコロナ禍を踏まえて朝ラッシュの本数を削っているため、個人的には復便した方が良いと思います。京浜東北線で使用されるE233系10両は82本・75運用・予備7本となっているため、予備を削れば増発は可能でしょう。
北行も混雑率は順調に増加しています。コロナ前より列車の減便が無い状態で146%のため、現行以上の増発は望み薄であり、輸送人員が増加した分だけ混雑率が悪化することが予想されます。
逆に根岸線は利用者の増加幅が小さく、2023年度実績でも81%しかありません。コロナ前から根岸線は利用者数が横ばいだったため増発の見込みは薄く、むしろさらに減便される可能性すらあるでしょう。
利用者の増加が低調な場合は、途中に新駅を設置しても良いと思います。候補は多数あると思いますので、自治体と協力して整備するというのは如何でしょうか。
あるいは京浜東北線からの直通列車を磯子までの運転に縮小して、大船発着の列車は全列車8両に短縮・横浜線直通に変更しても良いかもしれません。根岸線からそのまま京浜東北線を乗り通して都心にアクセスする利用者は少数でしょうし、横浜線との相互直通運転を強化した方が利便性が向上すると思います。
常磐線
常磐線は快速線・緩行線共に利用者が増加し、混雑率が悪化しました。特に緩行線については輸送人員が約7000人も増加し、混雑率は一気に27ポイントも悪化して133%になりました。
緩行線では列車の減便・運用数減少のため、2編成が稼働せずに車庫に留め置かれている状況のようです。常磐緩行線ではワンマン運転に向けた車両改造が行われていますが、今回の発表内容を見ると、2編成を改造せずに他線区に転属するというのはJR東日本の判断ミスである気がします。
直通先の東京メトロ千代田線では北綾瀬方面からの直通を強化する動きがありますが、たとえ強化されたとしても、当面は全時間帯10両毎時6本で十分かと思います。常磐緩行線側は最大22~24本運転可能かと思いますので、車両を他線転属させずに増発・予備車確保に努めて欲しいです。
それにそもそもの話として、減便する位なら松戸始発の列車を我孫子・取手始発に延長したり、駅間距離が長い区間の途中に新駅を設置するといった施策を打ってほしいです。金町~松戸間や南柏~柏間などは新駅設置にはお誂え向きかと思うのですが如何でしょうか。
快速線の方は混雑率が137%となっており、現状では減量も増量も必要ないと思います。しかし、個人的には品川~取手間の直流区間のみ運転される列車についてもグリーン車サービスを展開して良いと思いますので、それに併せた輸送力の調整が必要だと思います。
例えば上野東京ライン・湘南新宿ラインの方で使用されている車両を新型車両に置き換えた際に、余剰となったE233系を全てロングシートに改造した上で松戸に転属させるとか。常磐線の混雑は、額面上は快速線にグリーン車を連結して良いレベルだと思います。
総武本線
総武本線も順当に利用者が増加し、混雑が悪化しました。快速線・緩行線共に多少の減便はあるものの、増便出来る余力はあまりないため、今後利用者が増加すれば、そのまま混雑が悪化すると思います。
総武本線では、快速線において旧型のE217系から新型のE235系への置き換えが進んでいます。一般車においてセミクロス車両が全廃止され、オールロングシート化することで僅かに輸送力が増加していますが、逆に言えばこれ以上JRが出来る混雑緩和策が無いというのが実情でしょう。
総武本線の混雑緩和については、隣を走る京成本線や都営新宿線にどれだけ利用者がシフトさせられるかが鍵を握ると思います。JRより運賃を低廉なものとし、総武本線を使わずに都心へアクセスする人が増加するように誘導すれば、総武本線の混雑が緩和されるでしょう。
しかし、来年度は今年度よりも混雑率が高くなっている可能性が高いです。なぜなら、2024年のダイヤ改正で総武本線のフィーダー路線である京葉線のダイヤ改正内容が世間に広く取り上げられ、その結果として京葉線を敬遠する流れが生まれてしまっていると予測されるからです。
今後の利用動向次第では、千葉以遠の直通列車の運行体系にメスを入れる必要があるでしょう。「内房線・外房線から総武線への直通列車を減らす」⇒「内房線・外房線から京葉線への直通列車を増やす」というダイヤ改正が今後必要と考えます。
逆に総武本線・成田線方面は成田空港アクセス強化のために増発が必要だと思います。となれば、いよいよ東千葉駅のホームを15両対応に延長すべきではないでしょうか。
南武線
南武線も利用者が約3500人増加し、混雑率が16ポイント悪化して146%になりました。政府目標の150%まで目前という所ですが、南武線では列車を復便する可能性は非常に低いです。
南武線ではワンマン運転に向けた各種改造が行われました。しかし、豊田から転属して来た8500代1編成が未改造となっており、南武線の運用から離れる可能性が高いです。
南武線では、35本・33運用・予備2本の体系でしばらく固定化されると予想します。そして、人口減少やブルーラインの新百合ヶ丘延伸で僅かに混雑緩和されるといった所でしょうか。
武蔵野線
昨年はJR東日本の路線の中で2番目に高い混雑率だった武蔵野線は、今年度はあまり輸送人員が増加せず、混雑率のランキング上位から脱落しました。脱落して残念・・・ということはなくもちろん混雑悪化は嬉しくないので、武蔵野線ユーザーとしては良かったでしょうけど。
武蔵野線は、JR東日本の路線では数少ない、朝ラッシュピーク1時間の間に列車を増発する余力がある路線です。ピーク1時間に14本しか運転されていないため、そこまで列車の運転間隔が過密ではないのが特徴です。
とはいえ、2023年度の武蔵野線の車両運用は45本・43運用・予備2本となっており、他線区から車両が転属してこない限り増発は不可能となっています。京葉線で使用されるケヨ34編成を8両に短縮するとか、山手線から車両を玉突き転用させる等といったことが必要でしょう。
横浜線
横浜線は2022年のダイヤ改正の際に相模線との相互直通運転を廃止し、その廃止に伴って車両運用の変更が行われ、東神奈川方面の平日朝ラッシュの列車はピーク1時間が19本から17本に減便されました。
横浜線の車両運用が28本・26運用・予備2本と、増発余力が無い中でどれだけ混雑が悪化するか個人的に注目していましたが、蓋を開けてみれば9ポイント悪化して134%という、あまり混雑が悪化しない結果となりました。
混雑率134%となると、減便も増便も必要ないレベルかと思います。列車の混雑次第では京浜東北線や根岸線への乗り入れを縮小してでも横浜線の増発が必要かと思っていましたが、この混雑ではそういった施策も不要でしょう。
とはいえ横浜線には、今後橋本駅にリニア中央新幹線が乗り入れるなど、ポテンシャルの高い路線であることに変わりはありません。今後の横浜線の利用動向次第では10両化も検討すべきだと思いますので、注視していく必要があると思います。
五日市線・青梅線
五日市線と青梅線は都心から離れたところにある路線のためか、コロナ前から混雑率が低い傾向にあります。一応都心だけでなく立川や八王子に通勤・通学する流れがありますが、それでも都心方面に比べれば小規模でしょう。
五日市線・青梅線共に列車が再増発される可能性は低いです。青梅線については、中央本線への直通列車の本数は維持されるとしても、青梅線完結の列車は整理対象かと思います。
青梅線には青編成の6両と4両を連結し、終日10両運転かつ青梅線内のみで完結する運用が3運用存在します。五日市線にも中央線にも直通運転できない系統なので、最も削減されやすい運用ではないでしょうか。
埼京線
埼京線は輸送人員の増加により混雑率が11ポイント増加して160%となりました。全国で4番目に高い数値となっています。
埼京線は車両運用が38本・36運用・予備2本で、列車増発には他線区からの転属が必要です。仮に他線区から車両が転属したとしても、池袋~大崎間で湘南新宿ラインと線路を共用する関係で、平日朝ラッシュピークに列車を増発する余裕はないでしょう。
一応、埼京線と相互直通運転をしているりんかい線にて、車両を収容力の高い新型車両に置き換える計画があります。しかしそれによる混雑緩和は微々たるものであり、抜本的な解決には15両化、延いては十条駅の高架化が必要であり、容易な話ではありません。
埼京線は東京の3大副都心である池袋・新宿・渋谷を全て経由するため、今後も利用者が増加すると予測されます。にもかかわらず列車増発が困難ということを考えると、埼京線はハード面からの改良が最も必要な運行系統と言えるのではないでしょうか。
京葉線
京葉線は前年度から輸送人員が3500人増加し、混雑率が11ポイント悪化しました。しかし、コロナ前の2019年度と比較すると50ポイント近く減少し113%となっているため、都心直通の路線の中では最も混雑率が低い点は変わりありません。
このような利用動向を踏まえてか、JR東日本は2024年のダイヤ改正にて通勤快速を廃止するダイヤ改正を行いました。先述の通り、この改正は世間の間で大きな話題となり、利便性悪化と捉えた自治体と大きく揉める事態となっています。
個人的には、これだけ朝ラッシュの利用者が減少していれば、営利企業としてダイヤにメスを入れるのは自然だと思います。JRは世間の声を踏まえて9月にも一部の普通列車を快速に格上げしますが、一番重要なラッシュピークの列車を普通列車で堅持したのは、初志貫徹という意味で好印象です。
今後京葉線に必要な施策としては、列車種別は「普通」のまま外房線や内房線への直通列車を増やすことだと思います。外房線や内房線は千葉駅への移動需要もあるため、引き続き蘇我駅から千葉駅への直通列車は必要でしょうが、総武本線への直通列車は縮小すべきでしょう。
総武本線側に「増発余地が無い」かつ「混雑率が比較的高め」であることは間違いないため、今後も如何にダイヤ面から内房線・外房線利用者を総武本線から京葉線にシフトさせるかが課題だと思います。
JR-東海エリア
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
JR東海 東海道本線 沼津⇒静岡 | 84% 5420/6488 5.2両×9本 7:35~8:35 | 69% 4490/6488 5.2両×9本 7:34~8:34 | 75% 4870/6488 5.2両×9本 7:33~8:29 |
JR東海 東海道本線 浜松⇒静岡 | 101% 8280/8216 6.2両×10本 7:31~8:31 | 89% 7070/7976 6.2両×10本 7:31~8:30 | 88% 6980/7976 6.2両×10本 7:31~8:30 |
JR東海 東海道本線 豊橋⇒名古屋 | 106% 13930/13160 6.3両×15本 7:46~8:46 | 97% 12760/13160 6.3両×15本 7:46~8:46 | 96% 12630/13160 6.3両×15本 7:48~8:47 |
JR東海 東海道本線 米原⇒名古屋 | 100% 15145/15158 7.5両×15本 7:45~8:45 | 90% 12723/14074 7.4両×14本 7:24~8:23 | 90% 13625/15194 7.5両×15本 7:25~8:24 |
JR東海 中央本線 勝川⇒大曽根 | 120% 21653/18045 9.7両×13本 7:49~8:49 | 112% 18840/16800 8両×14本 7:40~8:39 | 124% 20765/16800 8両×14本 7:40~8:39 |
JR東海 関西本線 桑名⇒名古屋 | 123% 5080/4140 4.1両×7本 7:31~8:31 | 108% 4250/3920 4両×7本 7:47~8:46 | 118% 4610/3920 4両×7本 7:47~8:46 |
東海道本線-静岡エリア
混雑率の考察をする前にまず知っておくべき事として、JR東海はホームライナーを座席分ではなく立ち客も含めた車両定員で計算してしまっています。そのため、実勢を把握するためにはそれを踏まえた修正が必要です。
ホームライナーを座席定員分のみとして計算し直すと、2023年度の静岡地区の混雑率は下りが約85%、上りが約109%となります。コロナ前の混雑率は名古屋地区より高かったのですが、コロナ禍を経て利用者が減少し、それによって2024年ダイヤ改正より減量が施行されました。
静岡地区の利用者の少なさを考えれば、減量は致し方ないと思いますが、同時に今回の改正は新型車両の315系の導入を踏まえたものなので、そう考えれば肯定的に受け止められるかなと思います。
JR東海のワンマン運転拡大計画の内容を踏まえると、315系の投入が完了した後にもう一度大きな車両運用の変更が行われると考えられます。そこでどのようなダイヤ改正が行われるか要注目といった所でしょう。
東海道本線-名古屋エリア
東海道線の名古屋地区は、前年度からの輸送人員が豊橋側は減少し、米原側は増加しました。混雑率が100%に満たないためか、2024年ダイヤ改正で静岡地区と同様に減量が行われ、余剰となった車両の一部は静岡地区に転属となりました。
名古屋地区は、両数に制限がある武豊線直通列車が最も混雑しています。その武豊線直通列車にはオールロングシートの315系が投入され、若干ではありますが圧迫感が軽減されたのではないかと思います。
JR東海の車両運用で嬉しい点は、並行路線である名鉄と車内サービスで無理に張り合わず、通勤・通学客にとって快適なロングシートの車両を投入している点です。東海道線の名古屋地区は、コロナ前は一貫して増加傾向だったので、今後もロングシート車両が投入されることに期待します。
中央本線
中央本線は、普通車の運用が315系8両に統一されました。2022年に全車8両化に伴う朝ラッシュの改正が行われ、2024年には昼間の改正が行われました。
中央線の輸送人員数を考えれば、運行本数はそのままで両数のみ8両に減車されてもおかしくないですが、JR東海は減車に併せて増便されるという、利用者に有難い改正が行われました。この点は財政力のあるJR東海の対応に感謝という所ですね。
2023年度の中央西線の混雑率は124%となっており、高すぎず低すぎない混雑率となっています。今後の利用動向次第で減便される可能性も無くはないですが、とりあえずしばらくはこのままで推移するのではないかと思います。
関西本線
関西本線は利用者の増加によって混雑率が10ポイント悪化し、118%になりました。並行路線である近鉄線で運賃値上げが実施されたため、今後も利用者の増加が予想されます。
118%程度であれば列車増発の必要はないと思いますが、今後利用者増が著しい場合は同線の複線化も検討しなければならないでしょう。とりあえず関西本線は315系投入によってオールロングシート化し輸送力が増すと思いますので、多客時の圧迫感の軽減から改善が進むと考えられます。
JR-関西エリア
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
JR西日本 東海道本線(快速) 京都⇒大阪 | 98% 20977/21430 12両×13本 7:30~8:30 | 102% 19850/19531 12両×12本 7:35~8:35 | 102% 20200/19752 12両×12本 7:40~8:40 |
JR西日本 東海道本線(快速) 三宮⇒大阪 | 99% 20895/21148 11.8両×13本 7:35~8:35 | 97% 16800/17390 11.6両×11本 7:15~8:15 | 93% 16500/17778 11.8両×11本 7:30~8:30 |
JR西日本 東海道本線(普通) 京都⇒大阪 | 105% 14889/14157 7両×13本 7:40~8:40 | 106% 13830/13068 7両×12本 7:30~8:30 | 111% 14500/13068 7両×12本 7:30~8:30 |
JR西日本 東海道本線(普通) 三宮⇒大阪 | 108% 14100/13068 7両×12本 7:30~8:30 | 98% 10639/10890 7両×10本 7:30~8:30 | 101% 11050/10890 7両×10本 7:30~8:30 |
JR西日本 大阪環状線(内回り) 鶴橋⇒玉造 | 108% 21370/19862 8両×17本 7:30~8:30 | 115% 21794/18950 8両×16本 7:20~8:20 | 116% 21907/18849 8両×16本 7:35~8:35 |
JR西日本 大阪環状線(内回り) 京橋⇒桜ノ宮 | 108% 21375/19862 8両×17本 7:30~8:30 | 104% 19725/18950 8両×16本 7:25~8:25 | 108% 20479/18950 8両×16本 7:30~8:30 |
JR西日本 大阪環状線(外回り) 玉造⇒鶴橋 | 75% 13061/17361 8両×15本 7:25~8:25 | 78% 11647/14973 8両×13本 7:25~8:25 | 75% 11194/14913 8両×13本 7:25~8:25 |
JR西日本 片町線 鴫野⇒京橋 | 139% 24300/17424 7両×16本 7:30~8:30 | 110% 17950/16335 7両×15本 7:35~8:35 | 120% 19620/16335 7両×15本 7:35~8:35 |
JR西日本 大和路線(快速) 久宝寺⇒天王寺 | 94% 11400/12150 7.3両×12本 7:30~8:30 | 98% 8900/9054 7.3両×9本 7:35~8:35 | 103% 9219/8967 7.3両×9本 7:35~8:35 |
JR西日本 大和路線(普通) 久宝寺⇒天王寺 | 106% 5300/5014 6両×6本 7:25~8:25 | 98% 4076/4148 6両×5本 7:20~8:20 | 102% 4250/4185 6両×5本 7:30~8:30 |
JR西日本 阪和線(快速) 堺市⇒天王寺 | 106% 15105/14248 8両×13本 7:25~8:25 | 120% 10170/8507 7.5両×8本 7:55~8:55 | 120% 13105/10960 8両×10本 7:25~8:25 |
JR西日本 阪和線(普通) 堺市⇒天王寺 | 103% 6305/6106 5.5両×8本 7:30~8:30 | 117% 4500/3862 4.7両×6本 7:15~8:15 | 108% 4175/3862 4.7両×6本 7:15~8:15 |
JR西日本 東西線 京橋⇒北新地 | 108% 18840/17424 7両×16本 7:35~8:35 | 78% 12770/16335 7両×15本 7:30~8:30 | 77% 12360/16335 7両×15本 7:30~8:30 |
JR西日本 福知山線(快速) 伊丹⇒尼崎 | 102% 12220/11930 7.6両×11本 7:30~8:30 | 104% 9000/8684 7.5両×8本 7:45~8:45 | 106% 8910/8420 7.1両×8本 7:05~8:05 |
JR西日本 福知山線(普通) 塚口⇒尼崎 | 74% 7230/9801 7両×9本 7:30~8:30 | 79% 6900/8712 7両×8本 7:15~8:15 | 87% 7550/8712 7両×8本 7:15~8:15 |
JR西日本 おおさか東線 久宝寺⇒放出 | 98% 5400/5538 6.3両×6本 7:35~8:35 | 97% 6030/6248 6.3両×7本 7:30~8:30 | 97% 6090/6289 6.6両×7本 7:30~8:30 |
関西圏も基本的に利用者増により混雑率が悪化していますが、利用者が減少し混雑率が低下した線区もあります。
東海道本線
東海道本線は利用者数がほぼ横ばいでした。2022年に減便が行われたため、京都方面は混雑率がコロナ前より悪化しています。
混雑率は90~110%なので、残念ながら復便は考えにくいでしょう。しかし、大和路線や阪和線が12分サイクルのパターンダイヤを朝ラッシュに適用したため、東海道線でも12分サイクル化による列車本数の調整が行われる可能性があります。
関西圏の東海道本線は、今後もう一段階輸送力調整が行われる可能性があると見て注視するべきでしょう。
大阪環状線
2022年のダイヤ改正で阪和線や大和路線が朝ラッシュダイヤを12分サイクルに変更した影響で、大阪環状線も12分サイクルのダイヤに変更されており、朝ラッシュの列車本数が減便となっています。そのため、混雑率はコロナ前より悪化しているか横ばいとなっています。
とはいえ、大阪環状線も混雑率が低いため、増便の可能性はかなり低いでしょう。逆に減便の可能性があるので、注意する必要があります。
片町線・東西線
片町線はコロナ前の混雑率が139%であり、関西圏では高い方でした。そのため、2022年のダイヤ改正で減便はほとんど行われていません。
2023年度は混雑率が2022年度より10ポイント悪化し、120%になりました。片町線も列車の大幅な増発は考えにくく、車両を更新されるのもまだまだ先の話なので、使用車両を8両に増結される可能性も低いと思います。
なお、阪和線や大和路線と同様に12分サイクルにするとすれば、快速5本・区間快速5本・普通5本といった所でしょうか。普通電車の混雑率が分からないので減便して良いのか分かりませんが、一応朝ラッシュのダイヤ案として提示させて頂きます。
東西線は片町線と相互直通運転しているため、輸送人員に対して輸送力が多めなのは仕方ないと思います。東西線は大きな減便は無いでしょう。
大和路線
大和路線は利用者が増加したため、快速・普通共に混雑率が悪化しました。大和路線も増発の可能性は低いですが、今後の車両転配如何によっては、快速を増発したり全車8両化するというのはあり得ると思います。
大和路線は現在201系から221系への置き換えが進んでいますが、更なる車両転配は京阪神区間へのAシート車両の導入や、なにわ筋線開業に伴う場合に起こると考えられます。この時に大和路線の快速を8両化したり、奈良線を221系6両に統一するという流れになるのではないでしょうか。
阪和線
阪和線も利用者が増加していますが、快速が全車8両化し増発も行われたため、混雑率は2023年度も120%を維持しています。普通電車は快速が輸送力増強されたためか、輸送人員が減少し混雑率も低下しました。
阪和線は、2022年のダイヤ改正で最も減量が行われた路線です。改正後は減量し過ぎたためか、JR西日本管内では可部線の次に混雑率が高い路線となっていました。
2022年改正時は輸送人員が大和路線より多いにも拘らず、輸送力が大和路線より小さいという非合理的なダイヤ体制となっていたため、2023年度はこれが是正され、コロナ禍脱却による利用者数増加に対応できています。
2022年のダイヤ改正で実施された12分サイクル化は非常に綺麗なパターンなので、現行より快速が増発される可能性は低い・・・というよりして欲しくないですが、普通列車については未だに4両が残存しているので、これを6両に増強するのが改善ポイントと考えられます。
阪和線の電車が所属する日根野電車区には6両固定編成が11本しかありません。普通電車を全車6両化するには他線区からあと10本前後は6両固定編成を引き入れる必要があるでしょう。
網干にAシート連結車両を導入するのと同時に、網干や宮原に所属している225系6両を日根野に転属させるべきだと思います。そして6両を導入によって、余剰となった4両固定編成がなにわ筋線開業時の所要増分にすべきだと思います。
なにわ筋線の開業によっておおさか東線の車両は奈良所属から日根野所属に変更になるでしょうから、置き換えられた奈良所属の221系6両が玉突きで205系4両をさらに置き換えると予想します。
福知山線
福知山線は快速の輸送人員が減少し、普通電車の輸送人員が増加しました。快速側の輸送力が減少したことが影響しているかもしれません。
福知山線も12分サイクル化するなら快速5本・区間快速5本・普通5本という所でしょうか。少し快速列車が過剰な気がしますが、両数を調整すれば問題ないと思います。
とはいえ、福知山線の快速列車に使用される宮原所属の223系や225系には、網干へのAシート車両の導入によって車両の転配が発生する可能性があります。特に6両固定編成は京都所属の車両と同様に輸送力としては中途半端な存在なので、ここを整理すると運用効率が良くなるかなと思います。
つまり225系6両4本を他路線に転属させるという事ですね。阪和線の普通電車向けに日根野に転属させるというのは如何でしょうか。阪和線の普通電車はホーム有効長の都合で6両が限界なので、6両固定編成の転属先としては最適だと思います。
おおさか東線
おおさか東線は、2008年に誕生した路線です。徐々に路線が延伸され、2023年春には大阪駅まで営業運転が行われるようになったため同線の利用者は増加傾向にあり、2023年度実績ではコロナ前の2019年度よりも、前年度の2022年度よりも利用者が多くなっています。
列車は増発傾向にあり、混雑率は100%弱で推移しています。おおさか東線は今後なにわ筋線を介して阪和線と相互直通運転するようになると考えられるため、それに伴って普通電車の8両化・直通快速の増発は容易に考えられるでしょう。
そう考えると、おおさか東線の課題は輸送力に見合う利用客を獲得することではないでしょうか。普通電車の増発はともかく、直通快速が増発されれば大和路線の混雑緩和にも繋がります。
今後のおおさか東線の発展に期待です。
JR-中国エリア
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
JR西日本 山陽本線(西行) 西条⇒広島 | 84% 5083/6040 6.4両×7本 7:30~8:30 | 95% 5380/5646 7両×6本 7:30~8:30 | 93% 5241/5646 7両×6本 7:30~8:30 |
JR西日本 山陽本線(東行) 岩国⇒広島 | 96% 7237/7564 6.2両×9本 7:30~8:30 | 90% 6670/7380 6.1両×9本 7:30~8:30 | 91% 6685/7380 6.1両×9本 7:30~8:30 |
JR西日本 呉線 広⇒広島 | 87% 4265/4896 5.1両×7本 7:30~8:30 | 88% 4117/4686 5両×7本 7:30~8:30 | 90% 4209/4686 5両×7本 7:30~8:30 |
JR西日本 芸備線 志和口⇒広島 | 88% 1863/2120 4.5両×4本 7:30~8:30 | 87% 1683/1928 4両×4本 7:30~8:30 | 76% 1457/1928 4両×4本 7:30~8:30 |
JR西日本 可部線 可部⇒広島 | 122% 3137/2580 4両×5本 7:30~8:30 | 122% 3150/2580 4両×5本 7:30~8:30 | 118% 3036/2580 4両×5本 7:30~8:30 |
JR西日本 山陽本線(西行) 東岡山⇒岡山 | 103% 3003/2924 4.8両×5本 7:00~8:00 | 87% 3727/4266 5両×7本 7:10~8:10 | 90% 3810/4255 5両×7本 7:10~8:10 |
JR西日本 山陽本線(東行) 倉敷⇒岡山 | 111% 6683/6044 6.6両×8本 7:30~8:30 | 101% 5145/5072 6.4両×7本 7:20~8:20 | 102% 5439/5332 6.3両×7本 7:20~8:20 |
JR西日本 宇野線 茶屋町⇒岡山 | 98% 3056/3128 5.2両×5本 6:50~7:50 | 98% 3310/3384 5.6両×5本 7:40~8:40 | 99% 3288/3315 5.4両×5本 7:20~8:20 |
JR西日本 津山線 福渡⇒岡山 | 76% 593/784 2.3両×3本 7:20~8:20 | 82% 771/936 2.7両×3本 7:10~8:10 | 88% 774/880 2.7両×3本 7:05~8:05 |
JR西日本 吉備線 備中高松⇒岡山 | 105% 1082/1032 3両×3本 7:20~8:20 | 95% 1119/1184 3.3両×3本 7:20~8:20 | 88% 1125/1280 3.7両×3本 7:40~8:40 |
中国エリアは、どの線区も前年度と比較して概ね横ばいという印象です。
広島エリア
広島地区で特に混雑率の高い線区といえば、可部線が思い浮かびます。その可部線は前年度と比較して朝ラッシュの輸送人員が減少し、それに伴って混雑率も低下しました。
また、広島駅に乗り入れる路線の中で唯一非電化路線である芸備線は、2023年度は利用者が減少し、混雑率を9ポイントも落としました。エンジンで動く気動車は利用者から敬遠される動きがあるという事でしょうか。
岡山エリア
岡山エリアでは、多くの線区でコロナ前より輸送人員が多くなっています。混雑率はそれほど高くないため、劇的な輸送力増強は望めないでしょう。
現在岡山地区で投入されている227系は101両導入予定です。この両数は置き換え前の115系の3両と2両の合計両数よりも少ないです。
網干にAシート車両が導入されて玉突きされた223系が岡山に転属してくる可能性を加味すると、岡山地区の旧型車は105系と213系以外一掃されそうですが、最終的にはコロナ前より輸送力が落ちそうです。
JR-九州エリア
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
JR九州 鹿児島本線(快速) 香椎⇒博多 | 99% 2050/2070 9両×2本 7:07~8:07 | 94% 2650/2820 7両×3本 7:50~8:50 | 83% 966/1170 9両×1本 7:16~8:16 |
JR九州 鹿児島本線(普通) 香椎⇒博多 | 105% 7075/6760 8.4両×7本 7:16~8:16 | 105% 5721/5430 8.4両×5本 8:05~9:05 | 102% 6908/6750 9両×6本 7:52~8:52 |
JR九州 鹿児島本線(快速) 二日市⇒博多 | 102% 450/440 4両×1本 8:28~9:28 | 110% 1893/1720 7両×2本 8:08~9:08 | 103% 2212/2140 8.5両×2本 7:29~8:29 |
JR九州 鹿児島本線(普通) 二日市⇒博多 | 97% 6772/6950 7.6両×8本 7:13~8:13 | 92% 5058/5490 7.5両×6本 7:20~8:20 | 95% 5998/6300 8両×6本 7:28~8:28 |
JR九州 笹栗線(快速) 吉塚⇒博多 | 95% 700/740 6両×1本 6:49~7:49 | 86% 240/280 2両×1本 9:02~10:02 | 86% 240/280 2両×1本 9:02~10:02 |
JR九州 笹栗線(普通) 吉塚⇒博多 | 82% 2515/3080 5.8両×4本 7:43~8:43 | 74% 2131/2880 5.5両×4本 7:34~8:34 | 80% 2285/2840 5.5両×4本 7:48~8:48 |
JR九州 鹿児島本線(快速) 折尾⇒小倉 | 96% 950/990 9両×1本 7:28~8:28 | 83% 733/880 8両×1本 8:00~9:00 | 70% 586/840 8両×1本 8:23~9:23 |
JR九州 鹿児島本線(普通) 折尾⇒小倉 | 89% 3355/3780 5.5両×6本 8:03~9:03 | 76% 3668/4800 6両×6本 7:10~8:10 | 83% 5177/6210 6.9両×7本 7:38~8:38 |
JR九州 日豊本線(快速) 行橋⇒小倉 | 62% 475/770 7両×1本 7:23~8:23 | 77% 650/840 6両×1本 7:20~8:20 | 70% 586/840 6両×1本 7:45~8:45 |
JR九州 日豊本線(普通) 行橋⇒小倉 | 95% 2190/2310 7両×3本 7:12~8:12 | 77% 2266/2940 5.3両×4本 7:29~8:29 | 66% 1947/2940 3.5両×6本 7:37~8:37 |
JR九州 日田彦山線(快速) 田川後藤寺⇒城野 | 73% 160/220 2両×1本 7:33~8:33 | 60% 133/220 2両×1本 7:33~8:33 | 50% 110/220 2両×1本 8:03~9:03 |
JR九州 日田彦山線(普通) 田川後藤寺⇒城野 | 91% 200/220 2両×1本 6:44~7:44 | 121% 266/220 2両×1本 7:21~8:21 | 73% 160/220 2両×1本 6:56~7:56 |
JR九州 鹿児島本線(北行) 八代⇒熊本 | 104% 1860/1790 2.5両×6本 7:39~8:40 | 112% 826/740 2両×3本 8:06~9:06 | 108% 2647/2460 2.6両×7本 7:07~8:07 |
JR九州 鹿児島本線(南行) 大牟田⇒熊本 | 84% 640/760 3両×2本 6:30~7:30 | 102% 1099/1080 2.7両×3本 7:25~8:25 | 93% 1166/1260 3両×3本 7:21~8:21 |
JR九州 豊肥本線 肥後大津⇒熊本 | 100% 800/800 2両×3本 6:13~7:13 | 135% 1836/1360 2.8両×4本 7:58~8:58 | 121% 2301/1900 2.8両×5本 7:40~8:40 |
JR九州については、篠栗線の快速のように完全にラッシュピーク外の列車が集計されていたり、日田彦山線の普通のように急に50ポイントも混雑が軽減されたりする等、データとしてどれだけ信用して良いのか怪しい項目もありますが、とりあえず2023年度は多くの線区で混雑率100%前後でした。
JR九州は国鉄時代からの長いホームを活かして長編成低頻度運転を行い、人件費をなるべく抑えるダイヤを組んでいる印象です。コストよりも他社線との競合を意識した場合、例えば鹿児島本線であれば、編成を7両前後に短くして快速or区間快速3本/h・普通6本/hとしたはずです。
コロナ禍後、JR九州管内の路線で混雑が気になるのは、豊肥本線です。熊本県は世界有数の半導体メーカーであるTSMCの誘致に成功し、豊肥本線の原水駅の近くに工場が新設されました。
さらに熊本空港へのアクセス路線の建設も計画されており、TSMCの誘致に成功したことを踏まえて、豊肥本線の肥後大津駅から分岐して建設されることが決定しています。そのため、JR九州の路線としては数少ない、利用者の増加が期待できる路線となっています。
しかし豊肥本線は単線の路線のため、現行以上の列車増発は困難と考えられます。今後空港アクセス線が整備されることを考えると、同線の複線化を前向きに考えるべきでしょう。
地下鉄-北海道・東北エリア
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
札幌市営地下鉄 南北線 中島公園⇒すすきの | 114% 14183/12420 6両×15本 8:00~9:00 | 96% 11881/12420 6両×15本 8:00~9:00 | 105% 13029/12420 6両×15本 8:00~9:00 |
札幌市営地下鉄 東西線 菊水⇒バスセンター前 | 138% 18778/13650 7両×15本 8:00~9:00 | 119% 16214/13650 7両×15本 8:00~9:00 | 128% 17530/13650 7両×15本 8:00~9:00 |
札幌市営地下鉄 東豊線 北13条東⇒さっぽろ | 127% 10464/8256 4両×16本 8:00~9:00 | 111% 9131/8256 4両×16本 8:00~9:00 | 118% 9773/8256 4両×16本 8:00~9:00 |
仙台市営地下鉄 南北線 北仙台⇒仙台 | 143% 14000/9792 4両×17本 8:00~9:00 | 123% 12071/9792 4両×17本 8:00~9:00 | 134% 13160/9792 4両×17本 8:00~9:00 |
仙台市営地下鉄 東西線 連坊⇒宮城野通 | 104% 4458/4268 4両×11本 8:00~9:00 | 104% 4444/4268 4両×11本 8:00~9:00 | 114% 4866/4268 4両×11本 8:00~9:00 |
コロナ禍という地下鉄運営の根幹を揺るがす出来事がありましたが、札幌と仙台にある地下鉄は列車の減便はせずに現状維持を貫きました。利用者は概ね回復し、特に仙台地下鉄東西線はコロナ前より利用者が多くなりました。
混雑率はどの路線もそこまで高くないので、しばらくは現行本数のまま推移すると考えられます。札幌地下鉄南北線と仙台地下鉄南北線では新車置き換えの計画がありますが、札幌では編成数が増加することないでしょうし、仙台では当初計画通り現行本数より1本多い本数が製造されるでしょう。
残るは仙台地下鉄東西線がどれだけ利用者が伸びるかという所でしょうか。場合によっては編成数を増やしたり、5両化を考えた方が良いと思います。
地下鉄-関東エリア
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
埼玉高速鉄道 埼玉高速鉄道線 浦和美園⇒赤羽岩淵 | 131% 17350/13230 6両×15本 7:13~8:13 | 110% 15523/14112 6両×16本 7:13~8:13 | 108% 16253/15012 6.3両×16本 7:13~8:13 |
東京メトロ 日比谷線 南千住⇒上野 | 158% 43068/27216 8両×27本 7:50~8:50 | 135% 37726/27945 7両×27本 7:50~8:50 | 162% 45271/27945 7両×27本 7:50~8:50 |
東京メトロ 銀座線 赤坂見附⇒溜池山王 | 160% 29264/18300 6両×30本 8:00~9:00 | 94% 14908/15860 6両×26本 8:00~9:00 | 98% 15543/15860 6両×26本 8:00~9:00 |
東京メトロ 丸の内線 池袋⇒茗荷谷 | 159% 39049/24552 6両×31本 8:00~9:00 | 128% 28385/22176 6両×28本 8:00~9:00 | 142% 31490/22176 6両×28本 8:00~9:00 |
東京メトロ 丸の内線 新宿⇒赤坂見附 | 158% 37651/23760 6両×30本 8:10~9:10 | 112% 25724/22968 6両×29本 8:10~9:10 | 125% 28710/22968 6両×29本 8:10~9:10 |
東京メトロ 東西線 西船橋⇒門前仲町 | 199% 76388/38448 10両×27本 7:50~8:50 | 138% 55890/40500 10両×27本 7:50~8:50 | 148% 59940/40500 10両×27本 7:50~8:50 |
東京メトロ 東西線 高田馬場⇒飯田橋 | 130% 44302/34176 10両×23本 8:00~9:00 | 98% 33810/34500 10両×23本 8:00~9:00 | 106% 36570/34500 10両×23本 8:00~9:00 |
東京メトロ 南北線 駒込⇒後楽園 | 159% 25422/15948 6両×18本 8:00~9:00 | 140% 23568/16834 6両×19本 8:00~9:00 | 146% 26341/18042 6.4両×19本 8:00~9:00 |
東京メトロ 有楽町線 池袋⇒飯田橋 | 165% 56269/34176 10両×24本 7:45~8:45 | 131% 47726/36432 10両×24本 7:45~8:45 | 148% 51673/34914 10両×23本 7:45~8:45 |
東京メトロ 千代田線 町屋⇒西日暮里 | 179% 78927/44022 10両×29本 7:45~8:45 | 139% 61191/44022 10両×29本 7:45~8:45 | 150% 66033/44022 10両×29本 7:45~8:45 |
東京メトロ 半蔵門線 渋谷⇒表参道 | 169% 64930/38448 10両×27本 8:00~9:00 | 97% 37295/38448 10両×27本 8:00~9:00 | 109% 41908/38448 10両×27本 8:00~9:00 |
東京メトロ 副都心線 小竹向原⇒池袋 | 155% 35672/23040 9両×18本 7:45~8:45 | 132% 32409/24552 9両×18本 7:45~8:45 | 137% 33214/24244 8.9両×18本 7:45~8:45 |
都営地下鉄 浅草線 押上⇒浅草 | 131% 30128/23040 8両×24本 7:30~8:30 | 105% 24103/23040 8両×24本 7:30~8:30 | 120% 26605/22080 8両×23本 7:30~8:30 |
都営地下鉄 三田線 西巣鴨⇒巣鴨 | 161% 27118/16800 6両×20本 7:40~8:40 | 135% 26044/19320 6.9両×20本 7:40~8:40 | 140% 27351/19600 7両×20本 7:40~8:40 |
都営地下鉄 新宿線 大島⇒住吉 | 159% 36968/23240 9.8両×17本 7:40~8:40 | 130% 31025/23800 10両×17本 7:40~8:40 | 140% 33382/23800 10両×17本 7:40~8:40 |
都営地下鉄 大江戸線 中井⇒東中野 | 161% 25158/15600 8両×20本 7:50~8:50 | 135% 21014/15600 8両×20本 7:50~8:50 | 152% 23709/15600 8両×20本 7:50~8:50 |
横浜市営地下鉄 ブルーライン 新横浜⇒横浜 | 141% 15274/10864 6両×14本 8:00~9:00 | 126% 12676/10088 6両×13本 7:30~8:30 | 130% 12061/9312 6両×12本 7:30~8:30 |
横浜市営地下鉄 グリーンライン センター北⇒日吉 | 163% 11747/7220 4両×19本 7:15~8:15 | 127% 8980/7044 4.1両×18本 7:15~8:15 | 123% 9684/7860 4.5両×18本 7:15~8:15 |
埼玉高速鉄道線
埼玉高速鉄道線では、直通先の東急線や相鉄線側の都合により、一部の車両が8両化されています。そのため輸送人員は増加したものの、輸送力も増加したことで混雑率は低下しています。
埼玉高速鉄道線では8両編成の新車を1本製造することを計画しています。個人的には東京メトロと歩調を合わせて既存の6両編成10本を全て8両化した方が良いと思いますが、埼玉高速鉄道の判断としては8両を1本製造する程度に留まってしまうようです。
東京メトロ日比谷線
今回の混雑率で最も注目された路線の一つが、この東京メトロ日比谷線です。前年度と比較して7500人も輸送人員が増加し、混雑率が一気に全国3番目の162%になりました。
この数字はコロナ前の2019年度実績よりも悪いのですが、混雑率が悪化した原因は何でしょうか。日比谷線の混雑を緩和するためにフィーダー路線として千代田線や半蔵門線があるはずですが、あまり機能していないことが伺えます。
現状では日比谷線はラッシュピークにほぼMAXで列車を供給しており、増発の余地はあまりありません。予備は多めに残っているので、予備を削って増発して欲しいですが、どれくらい混雑緩和するでしょうか。
東京メトロ銀座線
銀座線は日比谷線とは対照的に輸送人員があまり増加せず、混雑率は東京メトロの路線の中で唯一100%未満となりました。東急線や京王線の値上げ等によって、コロナ前より利用者が減少したことが原因かもしれません。
列車の運用数をコロナ前より削ってなおこの混雑率なので、場合によってはさらに減便もあり得ると思います。とはいえ、利用者が減ったからといって、新造したばかりの1000系を廃車にすることはないでしょうし、基本的には利用者が戻れば列車本数も元に戻るのではないでしょうか。
東京メトロ丸の内線
丸ノ内線では、車両を02系から2000系に置き換えた際、方南町支線のみ使用される3両が全廃されています。6両については本数・運用数共に変わっていませんが、3両運用が消滅した分、本線側で朝ラッシュの本数が減便されています。
2023年度実績では池袋始発の混雑率が142%に達していますが、元通りになる可能性は低いでしょう。荻窪始発より池袋始発の方が利用者が多いので、それによる輸送力の調整は行われるかもしれませんが、それ以上の改善は見込めないと思います。
東京メトロ東西線
東京メトロ東西線は利用者が約4000人増加し、混雑率が17ポイント悪化して148%になりました。政府目標である150%には到達していませんが、今後利用者が増加して150%を越える可能性は十分にあります。
東西線ではコロナ前から各所で改良工事が行われています。特に九段下~飯田橋間の折り返し設備が整備されれば、朝ラッシュの運転本数増加が期待できるでしょう。
東西線は混雑緩和策を打つ必要性が十分にあります。工事の進捗と共に列車が増発されることを期待します。
東京メトロ南北線
東京メトロ南北線では、直通先の東急線や相鉄線側の都合により、一部の列車が8両になっています。輸送人員がコロナ前より多くなりましたが、混雑率は146%に留まっています。
南北線では、23本ある既存編成のうち13本に対して中間2両を組み込み8両にする予定となっています。南北線は車庫容量がほぼMAXの状態で編成数を増やすことが出来ないため、8両に増結するしか混雑緩和策がありません。
利用者からすれば、東急・相鉄都合とはいえ、増結をしてくれるのは有難いでしょう。東京メトロ側の財政事情と様子を見ながらではありますが、最終的に全列車8両化してくれることに期待します。
東京メトロ有楽町線
有楽町線は前年度と比較して輸送人員が約4000人増加し、混雑率は17ポイント悪化して148%になりました。政府目標である150%まで目前に迫る数値となっています。
有楽町線では17000系など新型車両の導入が完了し、旧型車は東武9000系以外淘汰されました。これによりピーク1時間の運転本数が1本減少したにもかかわらず輸送力はコロナ前より多いですが、やはり元の24本運転に戻して欲しいという所でしょう。
有楽町線で使用される列車は現在42本・36運用・予備6本で推移しています。予備を削ればまだ増発する余地は残っているはずです。
また、有楽町線では途中の豊洲駅から分岐して住吉駅に至る「豊住線」の建設が計画されています。車両置き換え等の動きがあるのは豊住線の開業時期に目途が立ってからだと思いますので、しばらくは手持ちの車両でやり繰りするでしょう。
東京メトロ千代田線
千代田線は前年度と比較して輸送人員が約5000人増加し、混雑率は11ポイント悪化して150%になりました。列車本数・輸送力はコロナ前から一切変化していませんが、利用者の増加によって混雑率が150%に到達しました。
千代田線は東京メトロの路線の中でも特に混雑の激しい路線です。ピーク1時間の運転本数はほぼMAXで運転されており、増発余地はないように思います。
加えて、千代田線では北綾瀬駅の10両対応ホームの整備が完了したことに伴い、コロナ前と比較して3両運用を縮小し、10両で北綾瀬駅側の運転本数を賄うようにダイヤ変更されています。今後3両運用を全廃させる場合、現行よりも本線側の運転本数を増やすことはできないでしょう。
16000系の置き換え時期が来るまで、しばらくは利用者数の増減に正比例する形で混雑率も上下しそうです。
東京メトロ半蔵門線
半蔵門線は前年度と比較して輸送人員が約4500人増加し、混雑率が12ポイント悪化して109%になりました。他の東京メトロの路線と比べると混雑率は低めとなっています。
半蔵門線は最混雑区間は東急田園都市線の直後の「渋谷⇒表参道」なので、半蔵門線よりも東急田園都市線の利用状況で運転本数が決まります。したがって明らかに過剰な運転本数だとしても、減便される可能性は低いでしょう。
混雑率がコロナ前より大きく下がっている原因は、渋谷駅に接続する東急線や京王線が値上げやテレワークの浸透によって、鉄道利用者が大幅に減少したためと考えられます。利用者の目線からすれば、このまま混雑率が低いままの方が有難いでしょう。
また、半蔵門線では現在旧型の8000系から新型の18000系への置き換えが進んでいます。今年度で残り8本の置き換えが行われ、8000系は全廃となる見込みです。
東京メトロ副都心線
副都心線は前年度と比較して輸送人員が800人ほどしか増加していませんが、輸送力が落ちたため、混雑率は5ポイント悪化して137%になりました。また副都心線は千川始発の列車があるため、その列車を除外すると144%程度になるかと思います。
他の路線と同様に混雑率が高いため、是非増発や運転区間延長をして欲しい所ですが、直通先の西武線側の利用者数があまり多くないため、増発したくても難しいかなと思います。西武有楽町線の利用者が増加しないと増発は厳しいでしょう。
都営浅草線
都営浅草線は前年度と比較して輸送人員が約2500人増加し、混雑率が15ポイント悪化して120%になりました。半蔵門線と同様に最混雑区間が京成押上線の直後の「本所吾妻橋⇒浅草」なので、浅草線よりも京成押上線の利用状況で運転本数が決まります。
京成押上線に併せてピーク1時間の運転本数が24本から23本に減少しましたが、押上線の混雑率が高いため、復便する可能性があります。今後の展開に要注目ですね。
都営三田線
都営三田線では、直通先の東急線や相鉄線に併せて、6300形6両の一部が6500形8両に更新されました。その結果、三田線はコロナ前より輸送人員が多くなったものの、混雑率が140%に留まっています。
都営側に残りの6300形6両を6500形8両に置き換える計画はまだありません。混雑率は既に140%まで到達していますので、早めに8両化して欲しいですね。
都営新宿線
都営新宿線は前年度と比較して輸送人員が約2000人増加し、混雑率が10ポイント悪化して140%になりました。まだ混雑率が政府目標である150%に到達していないため増発は不要でしょうが、今後の利用動向次第では予備を削って増発が必要でしょう。
都営新宿線では、コロナ禍でも10-300形10両の投入が進められ、2022年度中に全車10両化が達成されました。今後しばらくは車両面で動きはないと思いますので、利用者が増加した場合は手持ちの車両でやり繰りする必要があります。
都営大江戸線
都営大江戸線は前年度と比較して輸送人員が約2700人増加し、混雑率が17ポイント悪化して152%になりました。政府目標である150%を越えましたが、コロナ前は160%を越えても増発が行われなかったため、あまり増発は期待できないと思います。
ブルーライン
ブルーラインは前年度と比較して輸送人員が減少しています。この減少について相鉄・東急新横浜線の影響があるかは不明です。
ブルーラインではコロナ前と比較して輸送力を少し落としていましたが、2023年度はさらに輸送力を落としてピーク1時間当たり12本まで減少しています。その結果、混雑率は前年度より上昇して130%となりました。
また、ブルーラインにはあざみ野駅から先、新百合ヶ丘まで路線を延伸する計画があります。個人的には是非延伸して欲しい所ですが、2024年現在は目立った動きは見られません。
グリーンライン
グリーンラインは前年度と比較して輸送人員が約700人増加しましたが、一部編成の6両化が進展したことにより、混雑率は前年度より4ポイント低下して123%となりました。今年度も6両化のための中間車が製造され、混雑緩和が進むものと考えられます。
本当は全列車は6両化して欲しいですが、この利用状況では望み薄でしょう。コロナ禍を経てなお、当初計画通り17本中10本が6両されるだけでも利用者にとっては有難い所です。
地下鉄-東海エリア
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
名古屋市営地下鉄 東山線 名古屋⇒伏見 | 141% 25351/17954 6両×29本 7:30~8:30 | 130% 22502/17335 6両×28本 7:30~8:30 | 134% 23165/17335 6両×28本 7:30~8:30 |
名古屋市営地下鉄 名城・名港線 金山⇒上前津 | 135% 17633/13031 6両×21本 7:30~8:30 | 131% 15390/11790 6両×19本 7:30~8:30 | 133% 15685/11790 6両×19本 7:30~8:30 |
名古屋市営地下鉄 鶴舞線 赤池⇒八事 | 116% 14913/12879 6両×15本 7:30~8:30 | 97% 12655/12999 6両×15本 7:30~8:30 | 102% 13258/13029 6両×15本 7:30~8:30 |
名古屋市営地下鉄 桜通線 御器所⇒今池 | 127% 12544/9855 5両×14本 7:30~8:30 | 106% 9707/9151 5両×13本 7:30~8:30 | 120% 11000/9151 5両×13本 8:00~9:00 |
名古屋市営地下鉄 上飯田線 上飯田⇒平安通 | 124% 5214/4208 4両×8本 7:30~8:30 | 111% 4680/4208 4両×8本 7:30~8:30 | 118% 4950/4208 4両×8本 7:30~8:30 |
名古屋市営地下鉄は前年度と比較して順当に利用者が増加しました。コロナ前と比較して利用者数は9割程度で推移しています。
混雑率は東山線と名城線が130%代、鶴舞線・桜通線・上飯田線は120%以下となっています。このうち鶴舞線と上飯田線は2024年のダイヤ改正で減便が決定しました。
混雑率は2023年度実績を基準とすると、鶴舞線は109%、上飯田線は135%になるかと思います。混雑率が高くなるのは利用者的には嬉しくないですが、経営効率を上げるためには仕方ないという所でしょうか。
地下鉄-関西エリア
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
京都市営地下鉄 烏丸線 京都⇒四条 | 121% 15180/12540 6両×15本 7:30~8:30 | 103% 12690/12540 6両×15本 7:30~8:30 | 117% 14625/12540 6両×15本 7:30~8:30 |
京都市営地下鉄 東西線 山科⇒御陵 | 129% 8503/6600 6両×11本 7:30~8:30 | 116% 7645/6600 6両×11本 7:30~8:30 | 127% 8349/6600 6両×11本 7:30~8:30 |
大阪メトロ 御堂筋線(南行) 梅田⇒淀屋橋 | 148% 54595/36990 10両×27本 8:00~9:00 | 123% 45410/36990 10両×27本 8:00~9:00 | 132% 48764/36990 10両×27本 7:50~8:49 |
大阪メトロ 御堂筋線(北行) 難波⇒心斎橋 | 130% 46335/35620 10両×26本 7:50~8:50 | 105% 37284/35620 10両×26本 7:50~8:50 | 113% 40362/35620 10両×26本 7:50~8:49 |
大阪メトロ 谷町線(南行) 東梅田⇒南森町 | 105% 18915/18084 6両×22本 7:50~8:50 | 89% 16069/18084 6両×22本 7:50~8:50 | 95% 17240/18084 6両×22本 7:50~8:49 |
大阪メトロ 谷町線(北行) 谷町九丁目⇒谷町六丁目 | 124% 22409/18084 6両×22本 7:50~8:50 | 102% 19235/18906 6両×23本 7:50~8:50 | 108% 20404/18906 6両×23本 7:50~8:49 |
大阪メトロ 四つ橋線(南行) 西梅田⇒肥後橋 | 95% 17226/18084 6両×22本 8:00~9:00 | 77% 13300/17262 6両×21本 7:50~8:50 | 81% 14716/18084 6両×22本 8:00~8:59 |
大阪メトロ 四つ橋線(北行) 難波⇒四ツ橋 | 113% 19507/17262 6両×21本 7:50~8:50 | 82% 14881/18084 6両×22本 8:00~9:00 | 92% 16659/18084 6両×22本 8:00~8:59 |
大阪メトロ 中央線(東行) 阿波座⇒本町 | 95% 9934/10452 6両×13本 7:50~8:50 | 87% 9093/10452 6両×13本 7:50~8:50 | 86% 9723/11256 6両×14本 8:00~8:59 |
大阪メトロ 中央線(西行) 森ノ宮⇒谷町四丁目 | 140% 19114/13668 6両×17本 7:50~8:50 | 119% 16250/13668 6両×16本 7:50~8:50 | 128% 17517/13668 6両×17本 7:50~8:49 |
大阪メトロ 千日前線(東行) 日本橋⇒谷町九丁目 | 65% 4544/7020 4両×13本 7:50~8:50 | 59% 4168/7020 4両×13本 7:50~8:50 | 63% 4394/7020 4両×13本 7:50~8:49 |
大阪メトロ 千日前線(西行) 鶴橋⇒谷町九丁目 | 113% 8565/7560 4両×14本 7:50~8:50 | 102% 7729/7560 4両×14本 7:50~8:50 | 109% 8219/7560 4両×14本 7:50~8:49 |
大阪メトロ 堺筋線(南行) 南森町⇒北浜 | 97% 21643/22240 8両×20本 7:50~8:50 | 81% 17962/22080 8両×21本 7:50~8:50 | 87% 19270/22080 8両×21本 7:50~8:49 |
大阪メトロ 堺筋線(北行) 日本橋⇒長堀橋 | 104% 23109/22240 8両×20本 7:50~8:50 | 89% 19624/22080 8両×21本 7:50~8:50 | 93% 20518/22080 8両×21本 7:50~8:49 |
大阪メトロ 長堀鶴見緑地線(東行) 森ノ宮⇒京橋 | 73% 5020/6840 4両×18本 7:40~8:40 | 65% 4448/6840 4両×18本 7:40~8:40 | 69% 4697/6840 4両×18本 7:40~8:39 |
大阪メトロ 長堀鶴見緑地線(西行) 蒲生四丁目⇒京橋 | 122% 9235/7600 4両×20本 7:40~8:40 | 106% 8085/7600 4両×20本 7:40~8:40 | 111% 8454/7600 4両×20本 7:40~8:39 |
大阪メトロ 今里筋線(南行) 鴫野⇒緑橋 | 84% 4415/5264 4両×14本 7:40~8:40 | 73% 3836/5264 4両×14本 7:40~8:40 | 78% 4094/5264 4両×14本 7:40~8:39 |
大阪メトロ 今里筋線(北行) 鴫野⇒蒲生四丁目 | 66% 2964/4512 4両×12本 7:40~8:40 | 61% 2752/4512 4両×12本 7:40~8:40 | 64% 2890/4512 4両×12本 7:40~8:39 |
神戸市営地下鉄 西神・山手線(東行) 名谷⇒板宿 | 123% 17766/14478 6両×19本 7:15~8:15 | 105% 13629/12954 6両×17本 7:15~8:14 | 107% 13813/12928 6両×16本 7:15~8:14 |
神戸市営地下鉄 海岸線(西行) ハーバーランド⇒和田岬 | 119% 4300/3620 4両×10本 7:32~8:32 | 97% 3498/3620 4両×10本 7:30~8:30 | 108% 3911/3620 4両×10本 7:30~8:29 |
神戸市営地下鉄 北神線 谷上⇒新神戸 | 79% 4830/6096 6両×8本 7:18~8:18 | 81% 4331/5334 6両×7本 7:15~8:14 | 84% 4737/5656 6両×7本 7:15~8:14 |
京都市営地下鉄
京都市営地下鉄は日本の地下鉄事業者の中で最も経営状態の悪い事業者ですが、コロナによる利用者減でも減便せずに推移しています。利用者数は9割5分程度まで戻っており、東西線についてはコロナ前より利用者が多くなりそうな状況です。
大阪メトロ
大阪メトロも、コロナを経て減便することなく運行本数を維持しています。利用者数が増加したことで、どの線区でも基本的には混雑率が上昇しています。
特に今後利用動向を注視すべきなのは御堂筋線でしょう。直通先の北大阪急行南北線が千里中央駅から箕面萱野駅まで延伸されたため、朝ラッシュの利用者が増加することが予想されます。
御堂筋線は大阪メトロの路線の中で最も利用者が多く混雑率も高いので、列車の増発をしたい所ですが、ピーク帯は増発困難のため、来年度は利用者が増加した分だけ混雑が悪化しそうです。
他の路線は心配する必要はない・・・というより混雑率が低すぎて逆に経営面で心配になるレベルですね。新規顧客獲得には快適な移動と高い利便性を確保する必要があるとは思いますが、これだけの列車を運転出来るのは健全な経営体力を持つ大阪メトロだからこそでしょうか。
神戸市営地下鉄
神戸市営地下鉄は、利用者が増加したものの、一部線区で減便が行われています。そのため西神・山手・北神線では新型車両に置き換わり1編成当たりの輸送力が増強されましたが、混雑率は上昇しています。
神戸市営地下鉄といえば、2020年に北神線が市営化したことで運賃が大幅に値下げされました。これにより、コロナ禍の利用者減を吹き飛ばす勢いで利用者が増加しています。
混雑率が低すぎるため、列車を増発することは到底叶わないでしょうが、少しずつ利用者が増加してくれることに期待ですね。これは海岸線についても同様です。
市営交通-中国・九州エリア
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
広島高速交通 アストラムライン 大町⇒新白島 | 130% 8168/6292 6両×22本 7:45~8:45 | 119% 7465/6292 6両×22本 7:45~8:45 | 120% 7542/6292 6両×22本 7:45~8:45 |
福岡市営地下鉄 空港・箱崎線 姪浜⇒天神 | 145% 23566/16200 6両×20本 8:00~9:00 | 126% 20445/16200 6両×20本 8:00~8:59 | 132% 21413/16200 6両×20本 8:00~8:59 |
福岡市営地下鉄 七隈線 桜坂⇒薬院大通 | 127% 7302/5730 4両×15本 8:00~9:00 | 113% 6493/5730 4両×15本 8:00~8:59 | 130% 7934/6112 4両×16本 8:00~8:59 |
熊本市電 水前寺線 新水前寺駅前⇒味噌天神前 | 109% 1384/1273 1.2両×22本 7:30~8:30 | 86% 1402/1636 1.2両×23本 7:30~8:30 | 90% 1474/1636 1.2両×23本 7:30~8:30 |
中国・九州エリアは、コロナ禍を経ても減便することなく本数を堅持していました。どの線区も利用者が増え、混雑率が悪化しています。
特に注目すべき路線は七隈線でしょう。2023年3月に都心部分の天神南~博多間が延伸開業し、JR線とのアクセスが大幅に改善されました。
これにより利便性が大幅に向上し、ラッシュ時の混雑がニュースに取り上げられるレベルとなっています。福岡市営地下鉄は路線延伸に併せて列車の増発を行いましたが、2023年度実績でコロナ前より利用者が多く、混雑率もコロナ前より高い130%となりました。
今後も七隈線は利用者が増加すると考えられます。福岡市営地下鉄では利用者の急増に対してさらに4編成の増備を予定していますが、予測通りの混雑率に収まるかどうか今後の利用状況を注視していく必要があると思います。
大手私鉄-東武鉄道
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
伊勢崎線 西大井⇒北千住 | 150% 67956/45314 8.4両×41本 7:30~8:30 | 127% 50482/39874 8両×37本 7:30~8:30 | 137% 54415/39590 8.1両×36本 7:30~8:30 |
東上線 下板橋⇒池袋 | 135% 44728/33120 10両×24本 7:30~8:30 | 106% 35129/33120 10両×24本 7:40~8:40 | 126% 38159/30360 10両×22本 7:40~8:40 |
野田線 春日部⇒大宮 | 124% 14322/11592 6両×14本 7:30~8:30 | 98% 10580/10764 6両×13本 7:30~8:30 | 101% 10879/10764 6両×13本 7:30~8:30 |
野田線 運河⇒柏 | 132% 10959/8280 6両×10本 7:10~8:10 | 90% 7418/8280 6両×10本 7:10~8:10 | 93% 7679/8280 6両×10本 7:10~8:10 |
野田線 柏⇒船橋 | 139% 12621/9108 6両×11本 7:00~8:00 | 112% 11177/9936 6両×12本 7:20~8:20 | 116% 11505/9936 6両×12本 7:20~8:20 |
東武鉄道は、どの線区もコロナ前から混雑率がそれほど高くありませんでした。コロナ禍を経て東武鉄道も例に漏れず利用者が減少したため、列車の本数を減便しています。
一方で、2023年度は全線区で利用者が増加しました。その影響で混雑率は前年度より悪化しています。
東武鉄道では、野田線において現行の6両から1両少ない5両の新型車両を投入し、既存の列車も一部5両に減車されることが決定しました。2023年度の実績を基準として全列車5両化したとすると、一番混雑率の高い船橋方面の混雑率は139%になるかと思います。
野田線の船橋~柏間は全区間複線化したため、野田線の利用者は増加することが見込まれます。場合によっては政府目標である150%を越える可能性もあるため、個人的には5両に減車するのは止めて欲しかったです。
大手私鉄-西武鉄道
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
池袋線 東長崎⇒池袋 | 158% 47397/30072 9両×24本 7:30~8:30 | 116% 36450/31301 9両×25本 7:42~8:42 | 130% 40717/31276 9両×25本 7:38~8:38 |
新宿線 中井⇒高田馬場 | 164% 52446/32020 9.2両×25本 7:37~8:37 | 123% 37883/30747 9.3両×24本 7:39~8:39 | 142% 42588/30022 9.3両×24本 7:41~8:41 |
西武有楽町線 練馬⇒小竹向原 | 113% 24546/21716 9.8両×16本 7:32~8:32 | 86% 18551/21606 9.8両×16本 7:33~8:33 | 94% 18713/19929 9.6両×15本 7:38~8:38 |
西武鉄道も順当に利用者が増加しました。しかし西武線の場合、特に池袋線は千鳥停車ダイヤを採用しているため、種別ごとで混雑の偏りが激しい可能性が高いです。
池袋線の額面上の混雑率は130%ですが、急行や通勤急行はこれより混雑しているのではないでしょうか。地上池袋に直通する優等列車は、急行や通勤急行の他に練馬停車の通勤準急があるので、これを如何にして石神井公園~池袋間ノンストップの列車に格上げするかが混雑平準化のカギを握ると思います。
そのためには、各駅停車の10両運転を開始する必要があるでしょう。各駅停車が全列車8両であるために、地上池袋に直通する優等列車が都心に近い練馬に停車しなければならなくなっていると思います。
ではなぜ各駅停車が10両運転できないのかというと、8両の運用が「石神井公園⇒池袋⇒豊島園⇒池袋⇒石神井公園」の順に遷移するからです。豊島園駅のホームが8両分しかないため、各駅停車は全列車8両なのだと思います。
これが豊島園発着と石神井公園発着とで各駅停車の運用を終日分離できれば、豊島園発着以外の各駅停車は全列車10両化出来ます。私案にはなりますが、個人的にはこれを達成するために現行の15分サイクルダイヤから20分サイクルダイヤに転換した方が良いと思います。
20分サイクル化により豊島園発着の列車を20分間隔・毎時3本にすれば、他の各駅停車は全て10両化出来ます。西武池袋線のダイヤを以下の様にするのは如何でしょうか。
平日朝ラッシュ
昼間
夕方
大手私鉄-京成電鉄
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
本線 船橋競馬場⇒京成船橋 | 127% 19396/15246 7両×18本 7:20~8:20 | 93% 13520/14520 7両×17本 7:20~8:20 | 104% 15140/14520 7両×17本 7:20~8:20 |
押上線 八広⇒押上 | 148% 34411/23232 8両×24本 7:40~8:40 | 128% 28465/22264 8両×23本 7:40~8:40 | 149% 33200/22264 8両×23本 7:40~8:40 |
京成線の本線の利用者が少ないのはいつも通りですが、押上線は利用者が5000人弱も増加し、コロナ前よりも混雑率が悪化しました。政府目標である150%まで目前の状況なので、復便は是非ともして欲しい所です。
押上線の利用者が急激に増加した理由は何でしょうか。コロナ禍を脱したからというのもあるでしょうが、他にも直通先の北総線が値下げをしたのも理由に含まれるでしょう。
北総線の値下げが利用者増に貢献している場合、今後も押上線の利用者は増加すると考えられます。そうなると、何か輸送力増強策を考えなければいけません。
列車本数を増やすにしても限りがあるかと思いますので、遠い未来の話にはなりますが押上線を複々線化することも考える必要があると思います。都心直結線と併せて北総線と線路を繋げれば、混雑緩和だけでなく、スカイライナーの東京乗り入れも可能になるでしょう。
大手私鉄-京王電鉄
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
京王線 桜上水⇒明大前 | 167% 63089/37800 10両×27本 7:40~8:40 | 129% 46647/36120 9.9両×26本 7:40~8:40 | 133% 48016/36120 9.9両×26本 7:40~8:40 |
井の頭線 下北沢⇒渋谷 | 150% 29333/19600 5両×28本 7:45~8:45 | 111% 21752/19600 5両×28本 7:45~8:45 | 120% 22766/18900 5両×27本 7:45~8:45 |
相模原線 京王多摩川⇒調布 | 126% 21136/16800 10両×12本 7:20~8:20 | 88% 14754/16800 10両×12本 7:20~8:20 | 93% 15548/16800 10両×12本 7:20~8:20 |
京王電鉄では2023年10月1日に運賃値上げが実施されました。その影響か、2023年度実績では輸送人員の増加幅が小さく、混雑率の増加率も小さく留まりました。
値上げは利用者にとって有り難くないかと思いますが、それによって混雑悪化が抑えられていると考えられると、肯定的に受け止めることが出来るでしょうか。とはいえ、これでも新宿~八王子間はJRの方が定期券の料金が安いので、JRの定期券の異常な割引率の高さが伺えます。
ダイヤ面では、混雑低下に伴ってピーク外の急行列車を特急に格上げし、スピードアップを図るダイヤ改正を実施しています。元々京王線は朝と昼間の速度差が激しかった路線なので、スピードアップしようとするのは理解できますが、それによって種別ごとの混雑格差も広がっているでしょう。
混雑の偏りとスピードアップをどう両立していくかが今後の京王線の課題と言えるのではないでしょうか。
大手私鉄-小田急電鉄
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
小田原線 経堂⇒下北沢 | 158% 77126/48858 9.7両×36本 7:41~8:41 | 128% 62589/48878 9.8両×37本 7:35~8:35 | 140% 68518/48878 10両×37本 7:35~8:35 |
江ノ島線 大和⇒中央林間 | 128% 19299/15052 8.2両×13本 7:08~8:08 | 124% 15121/12212 7.8両×11本 7:15~8:15 | 123% 15071/12212 7.8両×11本 7:15~8:15 |
多摩線 小田急永山⇒新百合ヶ丘 | 73% 10018/13632 8両×12本 7:26~8:26 | 67% 8134/12212 7.8両×11本 7:20~8:20 | 71% 8694/12212 7.8両×11本 7:20~8:20 |
小田急線は江ノ島線の混雑率が低下し、多摩線と小田原線は順当に混雑率が悪化しました。一番の要である小田原線は輸送人員が6000人増加し、混雑率が12ポイント増加して140%でした。
額面上は140%で済んでいますが、小田急線は千鳥停車ダイヤを採用しているため、種別ごとで混雑の偏りが激しくなっていると考えられます。最速達種別の快速急行は毎日ぎゅうぎゅう詰めの大混雑ではないでしょうか。
複々線化当初は通勤準急などという混雑の偏りを煽るような列車の運行に疑問を持っていましたが、その後小田急は信号設備を改良した上で、ラッシュピークにもロマンスカーを運行するようになりました。ロマンスカーの相対的価値を高めるためなら、快速急行に混雑を寄せるのは自然な考えです。
小田急電鉄はかつて線内で刺傷事件が起こったのをきっかけとして、6両と4両を連結した編成から10両貫通編成への置き換えを行っています。2023年度は5000形の製造がストップしていましたが、2024年度は2編成増備するとのことで、車両の置き換えと収容力の向上が進みます。
また、長大な路線網を持ちながら車庫容量が逼迫しがちだったこと等を踏まえ、伊勢原市に新しい車両基地を建設し、検査機能を相模大野から移転する計画が進んでいます。車両検査場移転後の跡地には留置線を整備出来ますので、今後利用者が増加しても輸送力を上げることが出来るでしょう。
複々線を活用した利便性増加はこれからも続きます。各種施策が順調に進むことに期待ですね。
大手私鉄-東急電鉄
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
東横線 祐天寺⇒中目黒 | 172% 54311/31650 8.8両×24本 7:50~8:50 | 118% 37347/31650 8.8両×24本 7:50~8:50 | 120% 39082/32568 9両×24本 7:50~8:50 |
目黒線 武蔵小山⇒目黒 | 178% 37766/21264 6両×24本 7:50~8:50 | 120% 26662/22218 6.3両×24本 7:50~8:50 | 127% 31852/25080 7両×24本 7:50~8:50 |
新横浜線 新横浜⇒日吉 | 未開業 | 未開業 | 46% 8578/18648 8.3両×15本 7:30~8:30 |
田園都市線 三軒茶屋⇒渋谷 | 183% 73712/40338 10両×27本 7:50~8:50 | 125% 50423/40338 10両×27本 7:50~8:50 | 130% 52439/40338 10両×27本 7:50~8:50 |
大井町線 上野毛⇒自由が丘 | 156% 27259/17472 5.7両×21本 7:30~8:30 | 111% 19394/17472 5.7両×21本 7:50~8:50 | 116% 20268/17472 5.7両×21本 7:30~8:30 |
池上線 旗の台⇒五反田 | 135% 11943/8832 3両×24本 7:50~8:50 | 107% 9450/8832 3両×24本 7:50~8:50 | 126% 11128/8832 3両×24本 7:50~8:50 |
多摩川線 多摩川⇒蒲田 | 139% 10257/7360 3両×20本 7:40~8:40 | 90% 5962/6624 3両×18本 7:50~8:50 | 114% 7551/6624 3両×18本 7:40~8:40 |
東急電鉄は去年2023年に新横浜線が開業し、路線網が大きく変化しました。東横線と目黒線は相鉄との相互直通運転を開始し、それによって特に東横線は朝ラッシュのダイヤパターンが変更になりました。
今年度から新横浜線の混雑率も公式発表されるようになっています。正直混雑率が大したこと無いのは想像通り・・・というかどちらかと言えば新横浜方面の混雑が知りたかったので、参考になりにくいデータを提示させられても困惑しかありません。
話を戻して、東急線はどの線区も前年度と比較して輸送人員が増加しました。しかし2023年3月に運賃値上げを行い、テレワークが推進されたことによって、朝ラッシュピークの利用者の増加率は低調のまま推移しました。
東横線・田園都市線・大井町線の混雑率がそこまで上がらなかったのは、利用者視点では有難いという所でしょうか。特に田園都市線は日本屈指の混雑路線だったのに、今では見る影もありません。
一方、池上線と多摩川線は混雑率が約20ポイント悪化しました。まだ輸送力を調整する段階ではないと思いますが、場合によっては池上線を増発すべきでしょう。
新横浜線を介して直線的に相鉄線と接続した目黒線は、輸送人員が一気に5000人増加しました。これだけの増加幅だと混雑率も大幅に上がりそうですが、目黒線では6両編成に中間車2両を増結して8両での運転が増加しているため、混雑率の悪化は7ポイントに抑えられています。
新横浜線開業に併せた輸送力が増強された目黒線ですが、急行と各停の2種別が運行されているため、急行に混雑が偏る状況は変わりません。8両に増強された現在でも急行の混雑は激しく、何らかの改善が求められます。
といっても、目黒線はラッシュピーク帯に武蔵小山駅での緩急接続を行っていませんし、これ以上は全列車各駅停車化する位しか混雑平準化策は無い気がします。混雑の偏りという意味では東横線の方が深刻ではないでしょうか。
東横線は、新横浜線の開業により菊名始発の各駅列車が大幅縮小され、その代わりに新横浜線直通の急行が設定されました。これにより優等列車と各駅停車の本数比率が1:1となり、トータルの輸送力が向上しました。
本数比率が変われば当然ダイヤパターンも変わります。現在各駅停車は元住吉駅で追越待ちはせず、菊名・自由が丘・祐天寺で追越待ちをします。
混雑平準化の観点から考えれば祐天寺で追越をするのは不自然ですし、逆にスピードアップの観点から考えれば元住吉で追越をしないのは合理的ではありません。最混雑区間が田園調布⇒自由が丘であれば納得できるダイヤですが、公式発表では祐天寺⇒中目黒ですから合理的ではないと思います。
せっかく祐天寺に追い越し設備を整備している状況で申し訳ないですが、個人的には祐天寺で追越はせず菊名・元住吉・自由が丘でのみ追い越しをすべきだと思います。目黒線のように利用者の少ないラッシュピーク外でのみ祐天寺で追い越しを行い、スピードアップを図るのが良いでしょう。
また運行種別についても、通勤特急・急行・各駅停車の3種別体制ではなく通勤特急と各駅停車の2種別体制にすべきだと思います。優等列車を急行と通勤特急のどちらに統一するかについては、混雑平準化だけでなく遅延防止の観点から通勤特急にするのが良いと思います。
最終結論として、通勤特急12本・各駅停車12本体制で追越駅は菊名・元住吉・自由が丘というのが東横線の朝ラッシュのダイヤパターンとしてベストではないでしょうか。過去の歴史に囚われない合理的なダイヤになってくれることを祈ります。
大手私鉄-京急電鉄
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
京急本線 南太田⇒横浜 | 143% 45889/32000 9.5両×27本 7:30~8:30 | 110% 30236/27539 9両×25本 7:30~8:30 | 116% 31317/27000 9両×24本 7:30~8:30 |
京急電鉄は前年度と比較して輸送人員が1000人しか増加しませんでしたが、運行本数の減少によって混雑率は6ポイント悪化しています。とはいえ、悪化したと言っても混雑率は116%しかないので、深刻に問題視するほど混雑していないというのが正直な所です。
元々京急線は最混雑区間の混雑率が143%しかありませんでした。そこからコロナ禍を経て利用者が大きく減少し、現在に至ります。
関東の路線はどこもコロナ禍を経てなお混雑しており、その緩和に向けて邁進しなければならない路線ばかりです。しかし、京急のように優等列車も各駅停車も混雑していないのであれば、平日朝ラッシュにもウィングシートのような座席指定車両を混結させる運用をするのもアリだと思います。
平日朝ラッシュの場合、快特や特急に増結する付属4両のうち1両を座席指定車両にするといった具合でしょうか。理想は基本編成の8両に座席指定車両を混在させることだと思いますが、直通先の都営や京成と調整が必要なので中々難しいでしょう。
京急では、2023年10月のダイヤ改正で一般車8両と座席指定車4両を連結して運転する運用が平日下りに2本発生するようになりました。一般車と座席指定車の混結は可能なようなので、このような運用が増加することに期待します。
大手私鉄-相模鉄道
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
相鉄本線 二俣川⇒横浜 | 139% 49022/35280 9.7両×26本 7:40~8:40 | 108% 33766/31360 9.7両×23本 7:40~8:39 | 114% 42406/37240 9.5両×28本 7:19~8:19 |
相鉄では、2023年3月に新横浜線が全線開業したことで、路線網が大幅に変化しました。その影響もあり、相鉄本線の最混雑区間も「星川⇒横浜」から「二俣川⇒西谷」に変化しました。
相鉄は、新横浜線の開業により一定数の旅客が横浜駅経由から新横浜駅経由に変更になることを見込み、ピーク時間帯の優等列車の3本削減しました。しかしダイヤ改正後は相鉄の想定よりも転移が進まず、逆に横浜方面の優等列車の混雑が増す結果となっています。
2024年のダイヤ改正では、早速予備を削って優等列車を増発する改正が行われました。このダイヤ変更の身軽さや柔軟さは相鉄らしいと言えるでしょう。
2023年度の混雑率は114%となりました。個人的には現行の15分サイクルから20分サイクルに変更した方が通勤急行の増発に繋がるので良いと思いますが、サイクルパターンの変更は直通先の会社線にも影響するので、しばらくは様子見という感じでしょうか。
大手私鉄-名古屋鉄道
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
本線(北行) 神宮前⇒金山 | 149% 32678/21996 6.2両×35本 7:40~8:40 | 132% 29163/22086 6.2両×35本 7:40~8:40 | 140% 30271/21694 6.2両×34本 7:40~8:40 |
本線(南行) 栄生⇒名鉄名古屋 | 147% 32642/22164 7.4両×28本 7:30~8:30 | 130% 28540/21946 7.3両×28本 7:30~8:30 | 138% 29663/21568 7.2両×28本 7:30~8:30 |
常滑線 大江⇒神宮前 | 152% 14148/9330 5.6両×17本 7:40~8:40 | 128% 12077/9400 5.6両×17本 7:40~8:40 | 139% 13100/9410 5.6両×17本 7:40~8:40 |
犬山線 上小田井⇒枇杷島分岐点 | 148% 12899/8690 7.5両×11本 7:30~8:30 | 130% 11317/8690 7.5両×11本 7:40~8:40 | 139% 11946/8602 7.5両×11本 7:30~8:30 |
瀬戸線 喜多山⇒大曽根 | 141% 9862/7000 4両×14本 7:30~8:30 | 125% 8754/7000 4両×14本 7:30~8:30 | 139% 9035/6500 4両×13本 7:30~8:30 |
小牧線 小牧⇒上飯田 | 123% 4557/3712 4両×8本 7:30~8:30 | 112% 4146/3712 4両×8本 7:30~8:30 | 118% 4386/3712 4両×8本 7:30~8:30 |
津島線 甚目寺⇒須ヶ口 | 136% 6278/4630 6.7両×6本 7:30~8:30 | 121% 5616/4630 6.7両×6本 7:30~8:30 | 123% 5769/4690 6.7両×6本 7:30~8:30 |
名古屋鉄道はコロナ前の混雑率が150%前後で推移していました。2022年度はコロナによる利用者減で130%前後となり、2023年度は約10ポイント悪化して140%前後となりました。
名古屋は将来リニア中央新幹線が乗り入れて来ます。中京圏のポテンシャル自体が関西圏と比べて高いため、今後利用者が増加する可能性は十分あります。
利用者が増加するのであれば、是非とも混雑緩和策を取りたい所ですが、名鉄の場合どの策を講じるにしても莫大な費用が掛かります。名鉄は名鉄名古屋駅を中心に路線を扇状に分岐させて展開されているため、中心部で列車を限界まで運転しているからです。
現行のダイヤでも一部の電車が名古屋中心部まで乗り入れず、金山や須ヶ口止まりとなっています。それを考えれば名古屋中心部は複々線化すべきだと思いますが、名鉄としてはまず名鉄名古屋駅の2面4線化から始めるようです。
個人的には名鉄名古屋駅を2面4線化するだけでも列車の増発が可能かと思います。延いては混雑の緩和に繋がりますので、是非改良工事を実施して欲しいですね。
大手私鉄-近畿日本鉄道
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
名古屋線 米野⇒近鉄名古屋 | 137% 15870/11560 4.7両×18本 7:35~8:35 | 107% 12320/11560 4.7両×18本 7:35~8:35 | 109% 12316/11288 4.6両×18本 7:41~8:41 |
奈良線 八戸ノ里⇒布施 | 135% 30670/22700 8.2両×20本 7:35~8:35 | 114% 24520/21588 8.2両×19本 7:41~8:41 | 116% 25182/21674 7.9両×20本 7:37~8:37 |
大阪線 俊徳道⇒布施 | 134% 25470/19040 7両×20本 7:33~8:33 | 111% 21100/19040 7両×20本 7:35~8:35 | 113% 21476/19040 7両×20本 7:36~8:36 |
南大阪線 今川⇒大阪阿部野橋 | 127% 24410/19180 7両×20本 7:31~8:31 | 110% 20050/18221 7両×19本 7:32~8:32 | 116% 21117/18221 7両×19本 7:32~8:32 |
京都線 向島⇒近鉄丹波橋 | 127% 18720/14734 5.9両×18本 7:36~8:36 | 106% 13820/13066 5.9両×16本 7:28~8:28 | 111% 14786/13344 6両×16本 7:31~8:31 |
けいはんな線 新石切⇒長田 | 87% 10940/12576 6両×16本 7:26~8:26 | 74% 9900/13362 6両×17本 7:26~8:26 | 81% 10130/12576 6両×16本 7:40~8:40 |
近鉄は2023年4月より運賃値上げが実施されました。その影響か、前年度と比較して輸送人員があまり増加せず、各路線とも混雑率が110%前後のままとなりました。
コロナ前と比較すると、けいはんな線以外は輸送人員が9割に満たない状況です。利用者の戻りが悪いため、只でさえ苦しい近鉄の経営がさらに苦しくなっていますので、運賃値上げはやむを得ない判断と言えます。
近鉄では、さらにダイヤ変更で大阪線の快速急行の10両運転を全て8両に減車しました。輸送力の調整が入るのは自然かと思います。
けいはんな線は利用者数が9割以上に回復しています。土砂崩れによって列車の運行が一時分断されたこともありましたが、今後も近鉄の成長路線として発展が期待されます。
大手私鉄-南海電気鉄道
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
南海本線 住ノ江⇒天下茶屋 | 136% 22704/16680 6.4両×21本 7:25~8:25 | 109% 18093/16660 6.5両×21本 7:16~8:16 | 113% 18886/16666 6.5両×21本 7:16~8:16 |
高野線 中百舌鳥⇒三国ヶ丘 | 125% 28272/22596 7.2両×24本 7:20~8:20 | 104% 23457/22602 7.3両×24本 7:20~8:20 | 108% 24305/22590 7.2両×24本 7:20~8:20 |
南海電気鉄道もコロナ前と比較して輸送人員が8割5分程度に留まり、9割にすら届いていません。南海電鉄でも運賃値上げが行われたため、その影響があるものとみられます。
南海では、将来南海本線の一部の列車がなにわ筋線を介して新大阪駅まで直通運転する計画が進んでいます。なにわ筋線はJR西日本の列車と供用して運行されるため、おそらくJR側に合わせて朝ラッシュを12分サイクルのダイヤに整理する必要があるでしょう。
もし整理するとしたら、サザンorラピート5本・急行10本・普通5本といった所でしょうか。普通電車を大幅に減便する必要があるため、平日朝ラッシュ限定で住ノ江駅に停車する等、上位種別で減便した普通電車のフォローが必要だと思います。
大手私鉄-京阪電気鉄道
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
京阪本線 守口市⇒京橋 | 122% 38641/31553 7.4両×35本 7:50~8:50 | 116% 32007/27610 7.4両×32本 7:40~8:40 | 122% 33558/27593 7.4両×32本 7:40~8:40 |
京阪電鉄も2023年度は輸送人員がコロナ前の9割弱程度で推移しました。利用者が減少しましたが、その分だけ減便を行ったので、混雑率はコロナ前と同じ122%となっています。
京阪は車両の増備と共にプレミアムカーの増備を進めています。非常に好調なためか、3000系に連結しているプレミアムカーを2両の増結することが発表されました。
座席指定車両による増収策が上手くいっているのは良いことですね。しかし、これだけ需要があるとなると、正直2両も連結するよりもプレミアムカー連結編成を増やして多頻度運転して欲しかったです。
13000系6両にプレミアムカーを連結した7両編成の方が、3000系や8000系で運転するよりも便利なダイヤが期待できます。3000系や8000系では8両での運転になるので、東福寺駅に停車できませんが、13000系7両なら東福寺駅に停車出来ます。
さらに3000系や8000系の編成数では、日中の1時間当たりの運転本数も特急4本・快速急行2本しか運転できません。将来中之島駅でなにわ筋線と接続することを考えると、全時間帯で特急4本・快速急行4本は運転すべきだと思うので、プレミアムカー連結編成を現行より増やすべきだと思います。
そして平日朝ラッシュにもプレミアムカー連結編成を運行するとなると、1編成当たりの輸送力が小さい分、現行よりも高頻度で運転した方が良いです。現行ダイヤではライナー2本を含めて32本がピークに運転されていますから、少し増便して35本運転するのが適性でしょうか。
3000系や8000系は京阪の看板列車であり名車ですが、その分使い勝手が悪く運用効率が悪いので、これらを早めに淘汰することが、利便性向上のカギだと思います。
大手私鉄-阪急電鉄
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
神戸本線 園田⇒十三 | 149% 39700/26574 8.6両×24本 7:34~8:34 | 134% 35638/26574 8.6両×24本 7:33~8:33 | 143% 36988/25800 8.3両×24本 7:33~8:33 |
宝塚本線 庄内⇒十三 | 146% 36275/24768 8.3両×23本 7:31~8:31 | 118% 29150/24768 8.3両×23本 7:31~8:31 | 126% 29800/23736 8両×23本 7:33~8:33 |
京都本線 相川⇒淡路 | 119% 30025/25296 8.2両×24本 7:35~8:35 | 101% 25638/25296 8.2両×24本 7:35~8:35 | 112% 25988/23184 7.8両×23本 7:35~8:35 |
千里線 山田⇒淡路 | 118% 14450/12276 7.8両×12本 7:34~8:34 | 116% 14275/12276 7.8両×12本 7:34~8:34 | 124% 14425/11616 8両×11本 7:36~8:36 |
阪急電鉄は関西大手私鉄路線の中で一番利用者が多い会社です。それを象徴するように阪急神戸本線の混雑率は関西路線の中で最も高くなりました。
輸送人員については、宝塚本線と京都本線は他の大手私鉄路線と同様にコロナ前と比較して9割に満たなかった一方、神戸本線は9割を超えました。2022年12月に輸送力の減量が行われたことで混雑率は10ポイント前後上昇しています。
神戸本線は輸送力を元に戻すことが求められます。特急系統の10両運転の復活・稼働編成数の増加に期待したい所です。
宝塚本線と千里線は、隣を走る北大阪急行南北線が箕面萱野駅まで延伸されたことで、輸送人員の減少が予想されます。個人的には宝塚本線は特急5本・急行5本・準急5本・普通10本運転が良いかと思っていましたが、座席指定車両を導入しない限り現行の利用状況では過剰輸送でしょうか。
そして京都本線では、その座席指定車両が阪急線で初めて導入されました。京都本線は路線距離が長い割に混雑率が低いため、三大路線の中で一番最初に導入するのは妥当でしょう。額面上は座席指定車両を導入してもなお特急系統の10両運転は不要な混雑率です。
もし特急系統の混雑が激しいのであれば、本数比率を変える必要があります。京都線系統は淡路駅の高架化が行われないと朝ラッシュの改良は出来ないかもしれませんが、うまく調整してくれることを期待します。
大手私鉄-阪神電気鉄道
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
本線 尼崎センタープール前⇒尼崎 | 111% 19353/17364 5.6両×25本 7:32~8:32 | 96% 16661/17364 5.6両×25本 7:32~8:31 | 101% 17383/17242 5.6両×25本 7:32~8:31 |
なんば線 大物⇒西九条 | 89% 8008/8994 6.4両×11本 7:32~8:32 | 81% 7311/8994 6.4両×11本 7:32~8:31 | 85% 7716/9118 6.4両×11本 7:32~8:31 |
阪神本線は、朝ラッシュにおいて12分サイクルのパターンダイヤが組まれています。直通特急・快速急行・区間特急・区間急行・普通の5系統が5本ずつ設定されることで、ピーク1時間で25本の運転が行われています。
それぞれの種別がそれぞれの役割を持って機能しているためか、1つでも系統を落として減便することが困難です。さらに神戸高速線内を介して阪急神戸本線とダイヤが一体化しているために減便したくても減便も調整もできないという状況でしょう。
阪神電鉄のダイヤ変遷を見ると、千鳥停車ダイヤの欠点を如実に感じる印象です。コロナ前から混雑率は111%と非常に低かったのですが、減便も調整も出来ずにコロナを迎えてしまいました。
ちなみに、これでも阪神線の千鳥停車ダイヤは軽減されている方であり、阪神なんば線開業を機に現行の12分サイクルダイヤが採用される前は、もっと種別ごとの混雑の偏りが激しかったことを個人的に伺っています。
これから阪神に出来ることは、新しいダイヤパターンを検討するか、現行の12分サイクルを13分、14分と間隔を拡げることでしょうか。とはいえ、阪神本線はコロナ前と比較すると輸送人員が9割まで戻っており、ダイヤを変えずに存置するというのも選択肢としてはアリだと思います。
というのも、2009年に開業したなんば線が沿線に多大な恩恵を与えています。1990年代のバブル崩壊以降、多くの関西大手私鉄路線で利用者数を半分近く落としてしまいましたが、阪神線だけはなんば線のおかげで利用者が大きく落ち込まず、良好な利用者数で推移しています。
なんば線はコロナ前の9割5分まで朝ラッシュの輸送人員が回復している他、なんば線に設定されている加算運賃の解消も、今の償還ペースであればあと10年程度で達成できるでしょう。関西大手私鉄会社の中で最も将来性があり、最も期待値が高いのが阪神だと個人的に思います。
大手私鉄-西日本鉄道
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
天神大牟田線 大橋⇒薬院 | 144% 20266/14112 6.4両×18本 8:00~9:00 | 127% 17445/13722 6.4両×18本 8:00~9:00 | 137% 18821/13722 6.3両×18本 8:00~9:00 |
貝塚線 西鉄千早⇒貝塚 | 158% 2346/1488 2両×6本 7:30~8:30 | 154% 2288/1488 2両×6本 7:30~8:30 | 158% 2358/1468 2両×6本 7:30~8:30 |
西鉄は福岡市そのものがコロナ前から好調なのもあってか、2023年度の天神大牟田線の輸送人員はコロナ前の9割越えとなりました。混雑率も前年度から10ポイント悪化して137%となっています。
西鉄は2024年3月のダイヤ改正で、朝ラッシュ時間帯の上り急行電車を高宮・西鉄平尾に停車させ、大橋駅での緩急接続を廃止しました。西鉄もこの変更を「平日朝ラッシュ時間帯における混雑率の平準化を図るため」と公式に発言しています。
今まで福岡中心部に近い大橋駅で緩急接続を行っていたことで、急行と普通で混雑の偏りが激しかったことは容易に想像出来ます。高宮・西鉄平尾に停車させたことの是非までは当方で下すことはできませんが、しばらくは普通と急行の混雑バランスを様子見していくべきかなと思います。
そして、天神大牟田線よりも問題視すべきなのは西鉄貝塚線です。2023年度では遂にコロナ前よりも輸送人員が多くなりました。混雑率は前年度より4ポイント悪化してコロナ前と同じ158%となっています。
この数字は政府目標である150%を越えて、全国で5番目に高い数値となっています。貝塚線は2009年からコロナ禍を除いて一貫して利用者が増加していますので、今後も利用者が増加すると考えられることから、個人的には何かしらの混雑対策を打ってほしい所です。
貝塚線は単線の路線なので列車の増発は不可能ですが、諸々の設備が3両分で整えられているため、運行列車を3両に増強することは可能です。輸送力が1.5倍になると、混雑率は一気に105%まで低減してしまいますが、個人的にはそれでも3両化して良いと思います。
しかし、西鉄が公開した令和4年度の「移動等円滑化取組報告書(鉄道車両)」には、2025年度から2027年度にかけて貝塚線で使用されている600形を天神大牟田線で運用されている7050形8本16両に置き換える計画があることが記載されています。
まだ公式発表がないので7050形に置き換えると決まった訳ではないですが、西鉄には考えを改めて頂いて、3両固定の新車を直接投入して欲しいと切に思います。西鉄側が3両化すれば、地下鉄箱崎線と相互直通運転するハードルも下がるでしょう。
準大手・中小民鉄
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
関東鉄道 竜ヶ崎線 竜ヶ崎⇒佐貫 | 23% 186/810 2両×3本 6:40~7:40 | 47% 383/810 2両×3本 7:20~8:20 | 52% 422/810 2両×3本 7:30~8:30 |
関東鉄道 常総線 取手⇒守谷 | 69% 1732/2520 2両×9本 7:25~8:25 | 80% 1800/2240 2両×9本 8:00~9:00 | 83% 1863/2240 2両×8本 7:20~8:20 |
流鉄 流山線 小金城址⇒馬橋 | 65% 915/1415 2両×5本 7:00~8:00 | 57% 804/1415 2両×5本 7:00~8:00 | 70% 787/1132 2両×4本 7:00~8:00 |
新京成電鉄 新京成線 八柱⇒松戸 | 121% 12629/10444 6両×14本 7:23~8:23 | 94% 9789/10444 6両×14本 7:23~8:18 | 97% 10157/10444 6両×14本 7:23~8:18 |
新京成電鉄 新京成線 北習志野⇒新津田沼 | 121% 11714/9698 6両×13本 7:06~8:06 | 99% 9580/9698 6両×13本 7:06~8:01 | 102% 9870/9698 6両×13本 7:06~8:01 |
北総鉄道 北総線 矢切⇒京成高砂 | 87% 10760/12320 8両×11本 7:24~8:24 | 76% 7700/10080 8両×9本 6:50~7:50 | 99% 8630/8712 8両×9本 6:50~7:50 |
東葉高速鉄道 東葉高速線 北習志野⇒西船橋 | 116% 21055/18216 10両×12本 7:08~8:08 | 79% 14408/18216 10両×12本 7:08~8:07 | 92% 16682/18216 10両×12本 7:08~8:07 |
東京臨海高速鉄道 りんかい線 大井町⇒天王洲アイル | 130% 24341/18720 10両×12本 8:00~9:00 | 89% 15312/17204 10両×12本 8:00~9:00 | 108% 16682/18216 10両×12本 8:00~9:00 |
江ノ島電鉄 江ノ島電鉄線 藤沢⇔鵠沼 | 98% 1468/1500 4両×5本 7:10~8:10 | 91% 1363/1500 4両×5本 7:37~8:36 | 99% 1480/1500 4両×5本 7:28~8:27 |
首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス 八潮⇒北千住 | 171% 31324/18304 6両×22本 7:30~8:30 | 138% 27480/19944 6両×24本 7:29~8:29 | 154% 30712/19944 6両×24本 7:29~8:29 |
三岐鉄道 三岐線 近鉄富田⇔保々 | 82% 1040/1270 2.7両×3本 7:20~8:20 | 57% 819/1437 3両×3本 7:30~8:30 | 64% 926/1437 3両×3本 7:30~8:30 |
三岐鉄道 北勢線 在良⇒西桑名 | 130% 884/679 3.7両×3本 7:00~8:00 | 114% 695/610 3.3両×4本 7:00~8:00 | 114% 738/645 3.6両×3本 7:00~8:00 |
樽見鉄道 樽見線 東大垣⇒大垣 | 69% 241/350 1両×3本 6:54~7:54 | 59% 141/238 1両×2本 7:12~8:12 | 70% 167/238 1両×2本 7:12~8:12 |
長良川鉄道 越美南線 富加⇒美濃太田 | 27% 84/311 1.5両×2本 7:00~8:00 | 42% 133/316 1.5両×2本 7:00~8:00 | 45% 140/312 1.5両×2本 7:00~8:00 |
愛知環状鉄道 愛知環状鉄道線 新上挙母⇒三河豊田 | 102% 3227/3156 3両×8本 7:35~8:35 | 47% 1489/3166 2.8両×8本 7:35~8:35 | 62% 1977/3166 2.8両×8本 7:35~8:35 |
東海交通事業 城北線 勝川⇒枇杷島 | 32% 107/330 1両×3本 7:40~8:40 | 34% 111/330 1両×3本 7:40~8:40 | 33% 108/330 1両×3本 7:40~8:40 |
名古屋臨海高速鉄道 西名古屋港線 ささしまライブ⇒名古屋 | 67% 2349/3492 4両×6本 7:30~8:30 | 65% 2250/3486 4両×6本 7:30~8:30 | 74% 2593/3486 4両×6本 7:30~8:30 |
四日市あすなろう鉄道 内部線 日永⇒あすなろう四日市 | 87% 904/1044 3両×6本 7:00~8:00 | 77% 799/1044 3両×6本 7:00~8:00 | 86% 896/1044 3両×6本 7:00~8:00 |
静岡鉄道 静岡清水線 草薙⇒新静岡 | 69% 1781/2600 2両×10本 8:00~9:00 | 84% 2076/2480 2両×10本 8:00~9:00 | 89% 2167/2440 2両×10本 7:30~8:30 |
遠州鉄道 鉄道線 助信⇒八幡 | 103% 2830/2760 4両×5本 7:10~8:10 | 85% 2315/2720 4両×5本 7:30~8:30 | 92% 2499/2720 4両×5本 7:30~8:30 |
養老鉄道 養老線 東赤坂⇒大垣 | 94% 1150/1224 3両×3本 6:50~7:50 | 101% 1102/1088 2.7両×3本 7:10~8:10 | 111% 1206/1088 2.7両×3本 7:10~8:10 |
天竜浜名湖鉄道 天竜浜名湖線 桜木⇒掛川 | 52% 250/480 1.3両×3本 7:04~8:04 | 61% 219/360 1両×3本 7:00~8:00 | 68% 244/360 1両×3本 7:00~8:00 |
叡山電鉄 叡山本線 宝ヶ池⇒出町柳 | 47% 756/1605 1.4両×12本 7:00~8:00 | 53% 870/1642 1.5両×11本 7:00~8:00 | 54% 883/1642 1.5両×11本 7:00~8:00 |
京福電気鉄道 嵐山本線 帷子ノ辻⇒嵐電天神川 | 81% 1343/1655 1.5両×12本 7:30~8:30 | 62% 1027/1655 1.5両×12本 7:30~8:29 | 75% 968/1287 2両×7本 7:30~8:29 |
京福電気鉄道 北野線 撮影所前⇒常盤 | 70% 385/552 1両×6本 7:30~8:30 | 75% 412/552 1両×6本 7:30~8:29 | 57% 419/735 1両×8本 8:00~8:59 |
北大阪急行電鉄 南北線 桃山台⇒江坂 | 101% 18115/17905 10両×13本 7:30~8:30 | 87% 13165/15132 10両×11本 7:00~8:00 | 92% 13893/15132 10両×11本 7:00~8:00 |
泉北高速鉄道 泉北高速鉄道線 光明池⇒中百舌鳥 | 117% 15558/13302 7.7両×13本 6:54~7:54 | 107% 14283/13308 7.8両×13本 6:54~7:53 | 106% 14126/13302 7.7両×13本 6:54~7:53 |
水間鉄道 水間線 名越⇒貝塚 | 79% 589/750 2両×3本 7:00~8:00 | 63% 470/750 2両×3本 7:00~8:00 | 65% 485/750 2両×3本 7:00~8:00 |
能勢電鉄 妙見線 平野⇒川西能勢口 | 79% 6728/8521 5.2両×13本 7:00~8:00 | 66% 5610/8521 5.2両×13本 7:00~8:00 | 74% 5922/8020 5.3両×12本 7:00~8:00 |
能勢電鉄 日生線 日生中央⇒山下 | 29% 1611/5515 6.3両×7本 6:45~7:45 | 23% 1291/5515 6.3両×7本 6:45~7:45 | 18% 1340/7519 5.5両×11本 6:45~7:45 |
神戸電鉄 有馬線 有馬口⇒湊川 | 100% 8182/8176 3.8両×19本 7:30~8:30 | 83% 3802/4560 3.6両×11本 7:00~8:00 | 84% 3842/4560 3.6両×11本 7:00~8:00 |
山陽電気鉄道 本線 西新町⇒山陽明石 | 96% 7736/8052 4.4両×15本 7:00~8:00 | 86% 6896/7986 4.4両×15本 7:00~8:00 | 77% 6090/7865 4.6両×15本 7:15~8:15 |
阪堺電気軌道 阪堺線 住吉⇒新今宮駅前 | 46% 172/375 1両×5本 7:30~8:30 | 33% 99/300 1両×4本 7:30~8:30 | 36% 106/292 1両×4本 7:30~8:30 |
阪堺電気軌道 上町線 神ノ木⇒阿倍野 | 99% 1335/1350 1.2両×18本 7:30~8:30 | 89% 1201/1350 1.3両×18本 7:30~8:30 | 79% 1094/1387 1.4両×19本 7:30~8:30 |
広島電鉄 2号線 商工センター入口⇒広電西広島 | 85% 2287/2700 3両×18本 7:30~8:30 | 140% 3147/2250 3両×15本 7:00~7:59 | 164% 4194/2550 3両×17本 7:00~7:59 |
岡山電気軌道 東山本線 岡山駅前⇒東山 | 79% 942/1200 1両×15本 7:10~8:10 | 64% 769/1200 1両×15本 7:10~8:10 | 73% 756/1040 1両×13本 7:13~8:13 |
筑豊電気鉄道 筑豊電気鉄道線 筑豊直方⇒黒崎駅前 | 102% 989/967 1.8両×10本 7:00~8:00 | 99% 1024/1038 1.8両×11本 6:55~7:54 | 113% 1070/951 1.9両×10本 7:04~8:03 |
熊本電気鉄道 菊池線 堀川⇒北熊本 | 85% 887/1040 2両×4本 7:30~8:30 | 76% 822/1084 2両×4本 7:30~8:30 | 91% 945/1038 2両×4本 7:30~8:30 |
準大手・中小私鉄の場合、利用者が少ないため混雑問題が発生することは少ないです。関東の鉄道会社でも、例えば北総線は混雑率が23ポイントも悪化しましたが、100%すら超えていません。
そんな中、混雑率が政府目標である150%を超えたのはつくばエクスプレスと広島電鉄です。つくばエクスプレスでは、利用者数が回復したことを踏まえ、2024年ダイヤ改正にて平日朝ラッシュピーク1時間の運転本数を25本に戻しました。
これにより、混雑率は148%程度まで落ちたと考えられます。とはいえ、つくばエクスプレスは人気路線ですから、コロナ前よりも輸送人員が増加する可能性は高いでしょう。
つくばエクスプレスでは現在車両を8両に増強する工事が行われています。8両運転の開始時期は2030年代前半を予定されています。
当初は工事に10年以上かかることに、利用者の方からもどかしさを感じる声が出ていましたが、コロナ禍を経て少し時間を稼ぐことが出来たと思います。2023年実績の輸送人員数で全列車8両化したとすると、混雑率は約111%になるでしょう。
8両化ですら増結まで10年以上かかるので、10両化もまた時間がかかるでしょう。個人的には座席指定車両を連結させる意味で、遠い未来で10両化してくれると願います。
広島電鉄は、専用軌道区間である2号線で集計が行われています。その2号線は輸送人員がコロナ前より2倍に増加し、ダイヤ改正で列車を増発させたものの、それでも混雑率は160%となりました。
輸送人員が増加した原因は沿線にマンション等が建設されたからでしょうか。列車本数を見る限り増発余地はありますので、現行よりさらに列車が増発されることに期待します。
モノレール
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
東京モノレール 羽田空港線 モノレール浜松町⇒天王洲アイル | 91% 9496/10440 6両×18本 7:45~8:45 | 77% 6699/8700 6両×15本 7:30~8:30 | 85% 7362/8700 6両×15本 7:30~8:30 |
多摩都市モノレール 多摩都市モノレール線 高畠不動⇒立川南 | 96% 3966/4120 4両×10本 7:21~8:21 | 100% 3281/3296 4両×8本 7:26~8:26 | 93% 3444/3708 4両×9本 7:25~8:25 |
千葉都市モノレール 2号線 都賀⇒千葉 | 126% 2046/1623 2両×10本 7:30~8:30 | 132% 2125/1610 2両×10本 7:30~8:30 | 143% 2304/1610 2両×10本 7:30~8:30 |
湘南モノレール 江の島線 湘南深沢⇒大船 | 157% 2790/1776 3両×8本 7:11~8:11 | 134% 2387/1776 3両×8本 7:19~8:11 | 139% 2464/1776 3両×8本 7:19~8:11 |
大阪モノレール 大阪モノレール線 蛍池⇒千里中央 | 113% 3714/3297 4両×8本 7:30~8:30 | 105% 3000/2856 4両×7本 8:00~8:59 | 112% 3186/2853 4両×7本 8:00~8:59 |
北九州高速鉄道 小倉線 企救丘⇒小倉 | 79% 2776/3528 4両×9本 7:30~8:30 | 69% 2451/3528 4両×9本 7:30~8:30 | 76% 2668/3528 4両×9本 7:30~8:30 |
モノレール関連は、相変わらず湘南モノレールが利用者が多く、混雑が激しいです。路線が単線のため、現行より輸送力増強の余地が少なく、利用者が増加した分だけ混雑率が悪化することになります。
また、千葉都市モノレールも混雑が悪化しています。コロナ前より輸送人員が250人増加し、混雑率が140%を超えました。
混雑率が今以上に増加したとすると、列車を増発して混雑緩和を図る必要があります。現在1000形から0形へ車両更新が行われていますので、更新時に編成数を増やしてくれると利用者としては有難いですね。
新交通システム
線名 | 2019年度 | 2022年度 | 2023年度 |
山万 ユーカリが丘線 地区センター⇒ユーカリが丘 | 32% 359/1120 3両×8本 6:30~7:30 | 22% 244/1120 3両×8本 6:55~7:55 | 43% 242/560 3両×4本 7:00~8:00 |
埼玉新都市交通 伊奈線 丸山⇒大宮 | 113% 4114/3626 6両×14本 7:02~8:02 | 117% 3693/3144 6両×12本 7:00~8:00 | 125% 3936/3144 6両×12本 7:02~8:01 |
都営交通局 日暮里・舎人ライナー 熊野前⇒西日暮里 | 189% 8407/4441 5両×18本 7:20~8:20 | 155% 7389/4771 5両×19本 7:20~8:20 | 171% 8187/4788 5両×19本 7:30~8:30 |
ゆりかもめ 東京臨海新交通臨海線 汐留⇒芝浦ふ頭 | 103% 6075/5909 6両×19本 8:00~9:00 | 71% 2818/3978 6両×13本 7:00~8:00 | 81% 3946/4896 6両×16本 9:00~10:00 |
横浜シーサイドライン 金沢シーサイドライン 新杉田⇒並木中央 | 120% 3676/3068 5両×13本 7:30~8:30 | 97% 3676/3776 5両×16本 7:32~8:32 | 117% 3858/3304 5両×14本 7:29~8:27 |
愛知高速交通 東部丘陵線 藤が丘⇒愛・地球博記念公園 | 107% 2360/2196 3両×9本 8:00~9:00 | 92% 2030/2196 3両×9本 8:00~9:00 | 109% 2393/2196 3両×9本 8:00~9:00 |
名古屋ガイドウェイバス 志段味線 守山⇒砂田橋 | 94% 1550/1656 1両×24本 7:27~8:27 | 77% 1278/1656 1両×24本 7:22~8:22 | 89% 1466/1656 1両×24本 7:22~8:22 |
大阪メトロ 南港ポートタウン線(南行) コスモスクエア⇒中ふ頭 | 99% 3975/4032 4両×24本 8:00~9:00 | 100% 4051/4032 4両×25本 7:50~8:50 | 100% 4013/4032 4両×25本 8:00~8:59 |
大阪メトロ 南港ポートタウン線(北行) 住之江公園⇒中ふ頭 | 80% 3234/4032 4両×24本 7:40~8:40 | 73% 2945/4032 4両×25本 7:40~8:40 | 75% 3015/4032 4両×25本 7:50~8:59 |
神戸新交通 ポートアイランド線 三宮⇒市民広場 | 126% 10280/8127 6両×27本 8:00~9:00 | 102% 8283/8127 6両×27本 8:00~9:00 | 103% 8338/8127 6両×27本 8:00~9:00 |
神戸新交通 六甲アイランド線 魚崎⇒マリンパーク | 109% 4043/3717 4両×21本 7:30~8:30 | 90% 3453/3822 4両×21本 7:30~8:30 | 94% 3606/3822 4両×21本 7:30~8:30 |
新交通路線でまず注目すべきなのは、やはり日暮里舎人ライナーですね。4年連続で日本一高い混雑率を記録し、2023年度は171%となりました。
日暮里舎人ライナーは当初の想定以上に混雑が悪化したため、開業直後から列車の増備をしていました。しかし、車庫容量が一杯になり現行以上に車両を増備することが出来なくなっています。
列車の増発が現行の設備では出来なくなったため、現在はより輸送力のある新型車両に更新を行っています。日暮里舎人ライナーを運営している都営交通局によると、現行設備のままでは車両の更新以外に混雑緩和策はないとのことです。
平日朝ラッシュ時の運行本数はそれほど多くないため、多額の費用を払ってでも車庫容量を拡張できるかが今後のカギとなりそうです。
まとめ
ということで、2023年度の平日朝ラッシュの混雑率に対する考察でした。世間がコロナ禍から脱し、利用者が(完全とは言わないものの)回復してきています。
混雑対策が引き続き必要な路線が存在しますので、各種改良工事が行われることに期待ですね。
コメント
先日は、別の記事のコメント欄でお付き合いいただきありがとうございます。
再びお邪魔させていただきます。
結論として、
改善すべき点があったとして、
なぜ改善しないのかという分析も必要だと思ったという事です。
ようは、
「こういう理由で、こうなって欲しい」
という話があったとしても、
「でも、そうなっていないという事は、そうならない理由があるんだろうね」
で話が終わってしまうという事です。
例えば、東横線はなぜ通勤特急で統一出来ていないのか、
あるいはなぜそうしないのか。
また、なぜ祐天寺駅で追い越しを行う必要があるのか、
どうして元住吉駅ではダメなのか。
そして、それを前提としたうえで、通勤特急で統一した方が良い理由と、
元住吉駅での追い越しに変更したほうが良いと思う理由があると思います。
そういった部分が説明されれば、説得力のある記事になると思います。
コメントありがとうございます。
「なぜ改善しないのかという分析が必要」というのは確かにその通りで、そのための調査は今後必要と考えています。
本記事では、全国の鉄道路線の所感をおおよそ満遍なく書いており、その分分量を軽めにして、詳細な説明は省いています。
路線ごとの詳細な記事は今後別途を出せたらと思いますので、気長にお待ちください。
これからもよろしくお願いします。