JR東海道本線(熱海~豊橋)・JR御殿場線・JR身延線の2023年度夜間留置まとめ!2024年1月時点のデータをまとめましたので、これを基に考察をしていきたいと思います!
JR東海道本線の静岡県内は、熱海駅周辺を除いてJR東海が管轄しています。東海道本線で静岡県内まで西進すると、在来線では首都圏への通勤圏内からは外れるため、静岡県内で完結した地域輸送が利用動向の中心となります。
列車の編成両数も3~6両が中心となり、7両以上は一部の列車しか運行されません。そのため熱海では首都圏からの15両編成から静岡地区の3両に一気に短縮することもあり、その極端な編成短縮が動画のネタにされることもあります。
JR御殿場線は、神奈川県の国府津から静岡県の御殿場を経由して沼津までを結ぶ路線です。元々は東海道線として多くの長距離列車が運行されていましたが、丹那トンネル建設による経路変更や戦時中の単線化により、現在は普通列車と小田急新宿と御殿場を結ぶ特急ふじさんのみの運行となっています。
JR身延線は、静岡県の富士から山梨県の甲府までを結ぶ路線です。かつて日蓮正宗の総本山である大石寺参詣のために多数の臨時列車が走行していたため、富士から富士宮までが複線化しており、その名残で普通列車の本数が多く、利用者も多くなっています。
また同線は特急ふじかわによる特急輸送が全線で行われているため、利用者の少ない西富士宮以北は普通列車の本数が少なくなっています。山梨県内で利用者が多いのは甲府盆地内の鰍沢口以北であり、山間部は利用者は少ないです。
運行系統ごとの運用状況
本記事では静岡車両区に所属する列車のみを取り上げます。
静岡(2023年)
山北1本、御殿場1本、沼津1本、静岡4+3本、島田3本、菊川1本、浜松1本、豊橋1本
御殿場2本、沼津1本、富士1本、静岡+1本、島田2本、浜松3本、豊橋1本
沼津4本、富士1本、静岡3+1本
御殿場2本、沼津1本、静岡1+1本、浜松1本、豊橋1本、西富士宮1本、身延1本
御殿場1本、沼津3本、静岡5+1本、島田2本、菊川1本、浜松2本、豊橋2本
御殿場1本、沼津3本、富士1本、静岡1+1本、浜松1本、身延2本
山北1本、御殿場3本、沼津1本、静岡+1本、富士宮1本、西富士宮2本、身延2本、鰍沢口2本、甲府1本
沼津1本、島田2本、浜松2本、豊橋1本
沼津2本、静岡2+1本、浜松4本、豊橋2本、南甲府2本、駒ヶ根1本
所感
JR東海の静岡地区での運用は、編成記号ごとに分かれています。同じ形式でも装備が違うので運用が分かれるのは当然かと思いますが、運行系統が複数に分岐しているのは運用する上で不都合が多いのではないでしょうか。
将来静岡地区には315系4両やワンマン改造された313系2両が導入されることが決まっています。これにより、2024年3月のダイヤ改正では身延線の2両運転が全てワンマン運転になる予定です。
したがって本記事で記載されている夜間留置設定は、ダイヤ改正によって大きく変化すると考えられます。ダイヤ改正後も211系は一部残るでしょうから、それも含めてですね。
また静岡地区で特急列車として使用される373系についても、車両が新製から30年が経過しようとしていることを考えると、今後車両運用に変化があると考えられます。直近では飯田線で活躍している213系の置き換えと併せて特急伊那路の運用に変化があると予想します。
具体的には駒ヶ根や豊橋への夜間留置設定の廃止とか。特急伊那路は片道約2時間半・1日2往復の列車ですから、浜松出庫でまず浜松から豊橋へ回送し、豊橋と飯田との間を2往復営業運転、その後豊橋から浜松へ回送して浜松入庫して1日の運用を終えるという運用も可能でしょう。
色々書きましたが、ともかく出来るだけ運用を整理することが静岡地区の車両運用の課題と言えると思いますので、今後の改善に期待ですね。
駅ごとの夜間留置状況
本記事ではJR東海道本線(熱海~豊橋)・JR御殿場線・JR身延線の留置状況を記載します。
御殿場線
国府津(合計留置両数:4両2本+5両25本+9両6本+10両22本=407両)
国府津E131系4両1+1本
東大宮E257系2000代9両6本
東大宮E257系2500代5両1本
小山E231系10両・E233系10両3本
小山E231系5両・E233系5両3本
国府津E231系10両・E233系10両15+4本
国府津E231系5両・E233系5両17+4本
側線:225m11両1本、345m17両1本
入出庫待機線:305m15両1本、545m27両1本(途中に踏切がある)
305m15両1本
325m16両2本
345m17両4本
365m18両6本
385m19両2本
405m20両5本
425m21両4本
445m22両1本
465m23両2本
505m25両2本
検査線225m11両2本(建屋は85m4両分)
検査線245m12両1本(建屋は205m10両分)
検査線265m13両2本(建屋は225m11両分)
下曽我
夜間留置設定なし
上大井
夜間留置設定なし
松田
夜間留置設定なし
山北
静岡211系LL3両1本
静岡313系V2両1本
駿河小山
夜間留置設定なし
御殿場(合計留置両数:2両4本+3両5本=23両)
静岡211系LL3両1本
静岡211系SS3両2本
静岡313系W2両1本
静岡313系T3両1本
静岡313系N3両1本
静岡313系V2両3本
裾野
夜間留置設定なし
沼津(合計留置両数:2両6本+3両11本+10両4本=85両)
静岡211系LL3両1本
静岡211系SS3両1本
静岡211系GG2両4本
静岡313系W2両1本
静岡313系T3両3本
静岡313系N3両3本
静岡313系V2両1本
静岡313系S3両1本
静岡373系F3両2本
国府津E231系10両・E233系10両4本
85m4両2本
165m8両1本
205m10両2本
245m12両3本
285m14両2本
305m15両2本
入出庫待機線285m14両1本
入替線265m13両1本
125m6両2本
165m8両2本
205m10両2本
245m12両1本
265m13両1本
345m17両1本
425m21両1本
465m23両1本
545m27両1本
565m28両1本
85m4両1本
105m5両1本
205m10両1本
225m11両1本
605m30両1本
645m32両1本
御殿場線に対する所感
御殿場線の夜間留置設定は国府津・山北・御殿場・沼津に存在します。国府津はJR東日本所属の列車のみ留置されるため、JR東海にとっての夜間留置場所は実質3か所だけとなります。
国府津に夜間留置設定が無いのは、JR東日本側の東海道線の運用の都合により国府津車両センターの車庫容量が逼迫しているからでしょう。御殿場線の運用は山北や御殿場から車両を送り込んでいます。
御殿場線は朝ラッシュ時は211系と313系を連結した5両や6両が存在します。313系の方はラッシュ時にセミクロスシートのV編成2両が使用されており、かつ多くの駅で階段に近い国府津側に連結しているため、国府津寄りの車両の混雑が激しいです。
御殿場線にはオールロングシートの315系が御殿場~沼津間で導入予定ですが、315系が導入されれば最大両数を6両→4両にして良いと思います。逆にセミクロス2両や3両での運転を廃止すれば、御殿場線内の運用はかなり整理出来るでしょう。
東海道線(熱海~豊橋)
熱海
東大宮E257系2000代9両1本
小山E231系10両・E233系10両1本
小山E231系5両・E233系5両1本
国府津E231系5両・E233系5両1本
伊豆急行8000系3両2本
側線:545m27両1本
来宮
小山E231系10両・E233系10両1本
小山E231系5両・E233系5両1本
国府津E231系10両・E233系10両1本
国府津E231系5両・E233系5両1本
函南
夜間留置設定なし
下り側線:585m29両1本
三島
夜間留置設定なし
南側側線:285m1本
沼津(合計留置両数:2両4本+3両5本+3両5本=85両)
静岡211系LL3両1本
静岡211系SS3両1本
静岡211系GG2両4本
静岡313系W2両1本
静岡313系T3両3本
静岡313系N3両3本
静岡313系V2両1本
静岡313系S3両1本
静岡373系F3両2本
国府津E231系10両・E233系10両4本
85m4両2本
165m8両1本
205m10両2本
245m12両3本
285m14両2本
305m15両2本
入出庫待機線285m14両1本
入替線265m13両1本
125m6両2本
165m8両2本
205m10両2本
245m12両1本
265m13両1本
345m17両1本
425m21両1本
465m23両1本
545m27両1本
565m28両1本
85m4両1本
105m5両1本
205m10両1本
225m11両1本
605m30両1本
645m32両1本
原
夜間留置設定なし
東田子の浦
夜間留置設定無し
吉原
夜間留置設定無し
下り側線:345m17両1本
富士(合計留置両数:2両1本+3両2本=8両)
静岡211系SS3両1本
静岡211系GG2両1本
静岡313系N3両1本
65m3両1本
85m4両1本
125m6両1本
145m7両1本
185m9両2本
265m13両1本
305m15両1本
105m5両1本
245m12両2本
325m16両1本
365m18両1本
425m21両1本
465m23両1本
125m6両5本
145m7両1本
165m8両2本
285m14両1本
入替線185m9両1本
入出庫待機線125m6両2本
富士川
夜間留置設定なし
蒲原
夜間留置設定なし
由比
夜間留置設定なし
興津
夜間留置設定なし
清水
夜間留置設定なし
下り側線:445m22両1本
草薙
夜間留置設定なし
静岡(合計留置両数:2両4本+3両19本+4両1本=75両)
静岡211系LL3両4+3本
静岡211系SS3両+1本
静岡211系GG2両3+1本
静岡313系W2両1+1本
静岡313系T3両5+1本
静岡313系N3両1+1本
静岡313系V2両+1本
大垣313系4両1本
静岡373系F3両2+1本
米原側引き上げ線:305m15両4本
185m9両1本
305m15両3本
325m16両5本
405m20両1本
検査線165m8両1本(建屋は45m2両分)
検査線225m11両3本(建屋は165m8両分)
検査線285m14両1本(建屋は165m8両分)
転削線225m11両1本
入出庫待機線125m6両1本
入出庫待機線205m10両1本
入出庫待機線225m11両1本
入出庫待機線325m16両1本
入出庫待機線545m27両1本
入替線225m11両1本
用宗
夜間留置設定なし
焼津
夜間留置設定なし
下り側線:625m31両1本
藤枝
夜間留置設定なし
島田(合計留置両数:3両9本=27両)
静岡211系LL3両3本
静岡211系SS3両2本
静岡313系T3両2本
静岡313系S3両2本
145m7両1本
165m8両2本
485m24両1本
入替線165m8両1本
金谷
夜間留置設定なし
菊川
静岡211系LL3両1本
静岡313系T3両1本
大垣313系4両1本
下り側線:485m24両1本
掛川
夜間留置設定なし
下り側線:625m31両1本
袋井
夜間留置設定なし
磐田
夜間留置設定なし
天竜川
夜間留置設定なし
浜松(合計留置両数:2両1本+3両13本+8両1本=49両)
静岡211系LL3両1本
静岡211系SS3両3本
静岡313系W2両1本
静岡313系T3両2本
静岡313系N3両1本
静岡313系S3両2本
大垣313系8両1本
静岡373系F3両4本
米原側引き上げ線:325m16両2本
245m12両1本
265m13両3本
245m12両1本
285m14両1本
305m15両5本
325m16両3本
入替線325m16両1本
65m3両3本
85m4両3本
105m5両2本
125m6両1本
高塚
夜間留置設定なし
舞阪
夜間留置設定なし
新居町
夜間留置設定なし
鷲津
夜間留置設定なし
新所原
夜間留置設定なし
二川
夜間留置設定なし
豊橋(合計留置両数:2両4本+3両7本+4両6本+6両2本+8両3本=89両)
大垣313系8両3本
大垣313系6両2本
大垣313系4両3本
大垣311系4両3本
大垣213系2両1本
大垣313系2両2本
静岡211系LL3両1本
静岡211系SS3両1本
静岡313系W2両1本
静岡313系T3両2本
静岡313系S3両1本
静岡373系F3両2本
125m6両1本
185m9両2本
205m10両2本(東京方進出可)
205m10両1本(天浜線ホーム)
245m12両1本
265m13両1本(天浜線ホーム)
305m15両1本(東京方進出可)
385m19両1本(東京方進出可)
入替線185m9両1本
85m4両3本
125m6両2本
検査線105m5両1本(建屋は85m4両分)
検査線165m8両1本(建屋は85m4両分)
東海道線(熱海~豊橋)に対する所感
東海道線の夜間留置設定はほとんど主要駅のみです。ここはさすが土地を大量に保有しているJRといった所かと思いますが、その一方で菊川に夜間留置が設定されています。
これについては理由はよくわかりません。個人的には島田や浜松から送り込むのではダメなのかとは思います。
さらに大垣車両区所属の電車が静岡まで乗り入れています。浜松までの乗り入れは、豊橋周辺の車庫容量の逼迫具合を考えれば仕方ない部分もあろうかと思いますが、菊川や静岡への夜間留置設定は完全に余計でしょう。
菊川や静岡は名古屋からはかなり距離があります。名古屋へ通勤する利用客はほぼいないでしょうから、乗り入れる意味はないと思います。
ということで夜間留置設定に対する個人的な疑問点は以上ですが、とりあえず2024年ダイヤ改正では313系ワンマン対応車2両が神領から静岡へ転属することによって、久方ぶりに運用の変更が行われる予定です。特に興津~島田間の区間便については整理対象のようです。
興津や島田、ついでに三島では列車の折り返しの際に上下本線を支障しながら出発します。上下本線の間に中線を配置する配線に改良工事をするならともかく、そうでないならこれらの駅で折り返すべきではないでしょう。
出来る限り熱海から浜松・豊橋まで通しで運転し、一部沼津や静岡で輸送力の調整をするというのが静岡地区のダイヤの理想だと思います。今後のダイヤ改正でどれくらい改善が為されるか要注目です。
その他、駅設備面で改善が必要なのは熱海と豊橋でしょう。熱海については、上野東京ライン・湘南新宿ラインの夜間留置状況の記事で紹介した通り、東京方面からの列車と静岡方面からの列車を対面乗換出来るよう配線を変更した方が良いと思います。
豊橋についてはホームを増設し、各方面からの列車を折り返しやすいような構造に変更するべきだと思います。東海道本線の上下本線の間にホームを置くような配線に変更すれば、上下本線の両方を支障して進出入することが無くなり、安定輸送に寄与すると思います。
さらに豊橋には飯田線と名鉄線が線路を一部供用している問題もあるため、改良工事をすることで問題が一部解決します。ホーム増設による留置線の減少については、浜松からの送り込み列車を増発すれば良いでしょう。
身延線
富士(合計留置両数:2両1本+3両2本=8両)
静岡211系SS3両1本
静岡211系GG2両1本
静岡313系N3両1本
65m3両1本
85m4両1本
125m6両1本
145m7両1本
185m9両2本
265m13両1本
305m15両1本
105m5両1本
245m12両2本
325m16両1本
365m18両1本
425m21両1本
465m23両1本
125m6両5本
145m7両1本
165m8両2本
285m14両1本
入替線185m9両1本
入出庫待機線125m6両2本
富士根
夜間留置設定なし
富士宮
静岡313系V2両1本
西富士宮
静岡313系W2両1本
静岡313系V2両2本
芝川
夜間留置設定なし
十島
夜間留置設定なし
身延(合計留置両数:2両3本+3両2本=12両)
静岡313系W2両1本
静岡313系N3両2本
静岡313系V2両2本
下部温泉
夜間留置設定無し
鰍沢口
静岡313系V2両2本
市川大門
夜間留置設定無し
東花輪
夜間留置設定なし
南甲府
静岡373系F3両2本
甲府(合計留置両数:2両1本+3両8本+6両1本+9両4本=68両)
長野211系3両8本
長野211系6両1本
静岡313系V2両1本
松本E353系9両4本
側線:365m18両1本
中線:365m18両1本
225m11両2本
245m12両2本
265m13両3本
入出庫待機線125m6両2本
身延線に対する所感
身延線は、富士側と甲府側でそれぞれ通勤・通学の移動需要が存在するため、中間駅に夜間留置が多く存在します。富士宮と西富士宮は富士方面、鰍沢口は甲府方面、身延は両方向のために設定されています。
身延線は4両まで入線可能です。現在はロングシート3両での運用が存在しますが、2+2両のクロスシート4両の方が運用を合理化できます。
2024年ダイヤ改正では、先述の通り313系ワンマン対応車2両が神領から転属し、身延線のワンマン運用拡大に使用されます。ダイヤ改正でどのような変化があるか要注目です。
まとめ
ということでJR東海道本線(熱海~豊橋)・JR御殿場線・JR身延線の夜間留置状況でした。
色々と予想しましたが、少なくとも代替車両の導入で静岡県内のダイヤが大幅に改正されることは確定です。個人的には315系導入で熱海~浜松間を通しで運転する列車を増やして欲しいですが、実際はどうなるでしょうか。
次回ダイヤ改正後の夜間留置状況

参考資料
東海道線静岡地区運用情報
https://tokaido-unyo-shizuoka.com/
東海道線運用調べTai!
https://ss1.xrea.com/shirabetai.g1.xrea.com/unyou/
tc205-37のブログ
https://ameblo.jp/tc205-37/
列車番号 T-TAKE
https://t-take.com/
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