JR京葉線・JR武蔵野線の夜間留置まとめ!2024年1月時点のデータをまとめましたので、これを基に考察をしていきたいと思います!
JR京葉線とJR武蔵野線は普通車に使用される車両がそれぞれ10両と8両で異なりますが、共に京葉車両センターで管理されています。他に京葉線には特急わかしおと特急さざなみが走行しますが、こちらは幕張車両センターに所属する車両が使用されます。
両線は共に戦後に構想・建設され、既存路線のバイパスとして機能しました。京葉線は総武本線に並行するように建設されて同線の混雑緩和に役立ち、武蔵野線は山手貨物線を始めとするさまざまな貨物線のバイパス線となったことで、既存の貨物線を旅客線に転用するのに役立ちました。
運行系統ごとの夜間留置状況
本記事では京葉車両センターに所属する京葉線と武蔵野線で運用する分を主に記載します。
京葉線運用分(2023年)
東京2本、新習志野9+3本、蘇我2本、上総一ノ宮2本、木更津1本、君津2本
新習志野2+1本、勝浦1本
新習志野2+1本、大網1本
所感
京葉線を走行し、武蔵野線には直通しない列車は車体にワインレッドの帯を纏い、東京駅から蘇我駅まで、そしてさらに内房線・外房線・東金線に直通します。そのため、夜間留置箇所は京葉線内だけでなく内房線や外房線の駅に留置される列車が存在します。
予備車は3本となっており、JR東日本の運行系統としては多めとなっています。これはもちろん新型コロナウイルスの影響で利用者が減少し、2022年ダイヤ改正をもって減便されたためです。
2024年のダイヤ改正ではさらに減便となり、予備車はさらに増えると考えられます。かつては209系ケヨ34編成の置き換えのために、中央線のE233系T71編成が転属してくると大方の鉄道ファンが予想していましたが、これだけ減便が続いているとその予想も当たるかどうか怪しい様子ですね。
ちなみに、2024年のダイヤ改正では遂に通勤快速が廃止となり、ラッシュ時に走行する列車が普通列車のみとなります。2022年のダイヤ改正でも通勤快速2本が普通列車が置き換わっていたので、今回の改正はこれまでの京葉線のダイヤ改正の内容を踏まえれば予想されていた内容です。
通勤快速は普通列車と比べると利用者の少ないです。通勤快速を廃止するなら海浜幕張に停車すべきという声もあるようですが、京葉線の利用者実態を見る限り、通勤快速の停車駅を増やしても解決するような問題には見えない印象です。
JR京葉線新木場における朝ラッシュ時の利用状況を7:20~9:00の100分ほど確認しましたのでデータをUPします。最ピークの60分間は7:36~8:36と判断しますが、なかでも特に混む時間帯は8:05~8:35の2本の特急に挟まれた30分帯で、それ以外は結構空いていて近年の通勤スタイルの変化を感じたところです。 pic.twitter.com/6Ubz1beogu
— おきらく娯楽工房 (@okiraku_goraku) December 23, 2023
今後は誉田で行われている6両+4両の京葉線E233系の増解結の廃止や、そもそも内房線・外房線への直通運転が廃止されることが予想されます。今回自治体側が声を上げたことで朝ラッシュに快速が復活することもあり得ますが、利用者動向を見る限り、数年後にこのようなダイヤ改正があり得ることは頭の片隅に留めておくべきでしょう。
JR東日本としても京葉線にホームドアを整備し、中編成ワンマンを導入したいと考えていると思います。JR東日本側の事情を踏まえれば、京葉線快速の廃止は致し方ないと言えるのではないでしょうか。
なお、国労千葉の新聞には「京葉線快速の廃止は混雑平準化の上で致し方ない」という見解を示しています。個人的にも昼間は快速を廃止して普通列車毎時6本・10分間隔化の方が分かりやすくて良いと思いますが、いかがでしょうか。
京葉線に関するダイヤ改正内容は下記記事でもまとめています。良ければ是非下記記事もご覧ください!

武蔵野線運用分(2023年)
東京1本、南船橋1本、新習志野16+2本、西船橋1本、南越谷2本、東所沢19本、府中本町2本、豊田1本
所感
対する武蔵野線は、新型コロナウイルスの影響を受けてもなお利用者が多い路線です。予備車の本数もJR東日本としては標準の2本体制が維持されています。
コロナ前の2019年度の混雑率は166%、コロナ後の最新データである2022年度の混雑率は148%となっています。JR東日本の路線としては埼京線に次いで2番目に高い数値となっており、今後利用者が戻ってきた時のことを想定すると、武蔵野線の稼働数を増やしたい所です。
しかし先述の通り、予備を削減して増発を行うのは不可能です。増発をするには他の路線から余剰車をかき集めてくる必要があります。
候補としては先に挙げた京葉線の209系ケヨ34編成ですね。他にも松戸のE231系も候補に挙がるでしょう。
現状のJR東日本は横須賀・総武快速電車のE217系をE235系に置き換える動きが続いており、これが終わらない限り次の路線に投入されることはないと考えられます。同時に大型連休の特急列車の混雑を考えると、特急列車の新造も求められる状況かと思います。
武蔵野線にメスが入るのはまだまだ先の話です。2023年度の混雑データから今車両の投入が必要な運行系統がどれなのか見えてくるので、そのデータの公表を待ちましょう。
駅ごとの夜間留置状況
本記事では京葉線と武蔵野線の留置状況を記載します。
京葉線
京葉線東京
京葉209系8両・E231系8両1本
京葉209系10両・E233系10両2本
新木場
川越E233系10両1本
葛西臨海公園
夜間留置設定なし
新浦安
夜間留置設定なし
南船橋
京葉209系8両・E231系8両1本
新習志野(車庫収容力:8両26本+10両13本、合計留置両数:4両3本+6両3本+8両18本+10両12本=294両)
京葉209系8両・E231系8両16+2本
京葉209系10両・E233系10両9+3本
京葉E233系6両2+1本
京葉E233系4両2+1本
205m10両9本
225m11両3本
245m12両1本
305m15両1本
345m17両11本
405m20両2本
検査線205m10両2本
検査線445m22両1本(建屋は85m4両分)
転削線225m11両1本
海浜幕張
夜間留置設定なし
新港
夜間留置設定なし
千葉みなと
夜間留置設定なし
蘇我
京葉209系10両・E233系10両2本
35m2本
55m1本
65m1本
検査線85m1本(建屋は25m分)
所感
駅ごとで夜間留置を覗くと、やはりほとんどの車両が京葉車両センターに固まっています。京葉線は貨物列車が走行する路線なので、貨物列車を支障するような車庫外留置設定をしないのは当然の判断と言えるかと思います。
京葉車両センターの車庫容量を見ると、現行の留置両数に対してさらに列車を夜間留置する余裕があると思います。車庫の南側にある野球場を撤去すれば車庫の拡張も可能なので、武蔵野線の平日朝ラッシュに増発するだけの容量は十分にあると言えるでしょう。
武蔵野線
西船橋
京葉209系8両・E231系8両1本
市川大野
夜間留置設定なし
南流山
夜間留置設定なし
吉川美南
夜間留置設定なし
越谷貨物タ
京葉209系8両・E231系8両2本
その他貨物ヤードあり。
東浦和
夜間留置設定なし
新座
夜間留置設定なし
東所沢
京葉209系8両・E231系8両19本
205m10両19本
洗浄入替線265m13両1本(洗浄出来るのは185m9両分)
新秋津
夜間留置設定なし
待避線:565m28両1本
西国分寺
夜間留置設定なし
北府中
夜間留置設定なし
側線:545m27両1本
府中本町
京葉209系8両・E231系8両2本
所感
武蔵野線は貨物のバイパス線として建設されたので、途中の駅に長大な中線を有する駅がいくつもあります。車庫外留置はほぼ不可能に近いので、留置できるのは車庫内のみでしょう。
夜間留置状況を見ると、車庫にほぼ満タンに車両が留置されており、これ以上の追加設定は出来ません。車両の夜間留置設定を追加するには設備増強工事が必要になります。
航空写真を見ると、東所沢の車庫には留置線の本数を増やす余地があるように見えます。もし京葉車両センター内だけで車庫容量が収まらない場合は、東所沢に留置線を増やす工事が必要になるでしょう。
まとめ
ということで京葉線と武蔵野線の夜間留置状況でした。京葉車両センターは今話題の京葉線を管理する所なので、京葉線の方を重点的に語るかと思っていたかもしれませんが、全体の混雑面でいえば圧倒的に武蔵野線の方が深刻な問題を抱えています。
今回の改正で京葉線の変更にばかり目が行きがちですが、むしろ武蔵野線に何の変化がないことの方が個人的には驚きです。京葉線側で予備車が余っているのだから、209系ケヨ34編成を8両に短縮して武蔵野線の列車増発に充てて欲しかったというのが個人的な感想です。
JR東日本の路線ではほぼ唯一といえる「列車の稼働数を増やして増発するだけで混雑緩和する路線」なので、是非とも車両を他線区から引っ張ってきて欲しい。ケヨ34編成でも松戸のE231系でもどちらでも良いですが、車両の増備・乗務員の増員を是非ともお願いしたい所です。
次回ダイヤ改正後の夜間留置状況

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