【推しの子】第162話「星野アクア」の感想を語る!

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【推しの子】

【推しの子】第162話感想!

どうにも納得できない・・・感想考察をしていきます!

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訂正させてください。

(本編の内容とも被りますが)まず最初に前回の感想記事で書いたことで訂正することがあります。それは・・・

カミキヒカルは死ぬべきなのか

という問題。確かにカミキヒカルは、【推しの子】の黒幕として露悪的に主人公たちの前に立ち塞がっています。今回の話でも死ぬ間際までルビーの死を願う最低な人間でした。

しかし、どんなにカミキが悪人で憎むべき相手だとしても、仮に妹を守るためだとしても、それでカミキを殺して良い理由にはならないのではないでしょうか。前回の感想記事で色々と書きましたが、そもそも今回のアクアの行動に正当性が感じられなくなったというのが個人的な意見です。

もちろん妹の命を守ったということで正当防衛が成立する可能性はあります。しかし、そうでなければアクアは少なくとも殺人未遂になる訳で、仮に生き残ったとしても真っ当な人生を送れるのかは甚だ疑問です。

罪を憎んで人を憎まず。アクアが復讐を果たしたとしても、そこからまた新しい復讐が生まれる可能性があります。作中ではしっかりと描かれてはいませんが、カミキは株式会社EYESの代表取締役ですから、カミキを慕う人間が居て、その人から新たな恨みを買っても不思議ではありません。

そして、どんなに他人を恨もうとも、それで他人を殺すことはせず、罪を憎み、理不尽を許さず、耐えることが、主人公アクアにあるべき姿だったと思います。根本的な物語の展開させ方として、やはりなんとかしてカミキを逮捕しようという流れにならなかったのがとても残念です。

前世が産婦人科医で、今世でも医者を目指していた男が、その手を血に染めなければいけなかった道理がどこにあったでしょうか。本来自分の手を汚さず、かつルビーを守るために最後まで証拠を捜そうとすることが、映画編までのアクアのキャラクターだったはずです。

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

作中では直近で片寄ゆらが亡くなっており、それをアクアとあかねはカミキないしニノの仕業であることを認識していました。仮に姫川夫妻やゴローの死について実刑に問うことが出来なくても、そこから逮捕への糸口をつかむことが出来たのではないでしょうか

何の証拠が出た訳でもなく、ただ「親なのに娘のルビーを守ろうとしなかった」というだけで、アクアはカミキを悪と断定しました。そしてカミキの方はアクアの指摘に取り繕う訳でも、証拠が無いことを指摘する訳でもなく、露悪的な表情を見せてあっさりと白状してしまいます。

余りにも都合よく物語が展開されていると個人的には思います。そして、ミステリー・サスペンスとして最低限抑えるべき点が抑えられないまま、アクアがカミキ殺害を実行してしまうというのは、倫理的にも論理的にも正当性が全く無く短絡的思考だと個人的には感じました。

もし、仮に片寄ゆら失踪の件からカミキ逮捕への糸口を掴めなかったとしても、ルビーを守りたいという気持ちと、その一方でカミキを殺すことでしか解決策が無いことに葛藤を抱く描写が必要だったのではないでしょうか。

もっと言えば、カミキのキャラクター造形にも文句を言いたいです。時系列の矛盾が放置されたままなので、今の段階で指摘すべきではないかもしれませんが。

まずカミキが狂った原因は、姫川愛梨の性加害アイが別れ際に放った言動にあります。カミキは生まれながらの狂人ではないため、同情できる余地が多分にあります

次に殺人教唆犯としてのカリスマ性がまるで感じられません。殺人を教唆できるだけのカリスマ性は今まで具体的に描写されておらず、あったとしてもダイジェスト気味になっています。

カミキはララライ所属の演技派でしたから、そこからカリスマ性を見出すことも可能だったはずです。今回の話に至るまでの間に掘り下げや説得力がまるで感じられません

カミキのキャラ像は、やはり「生まれながらの悪・狂人あるいは姫川愛梨との一連のやり取りによって悪に染まった」で良かったのではないでしょうか。ゴローも姫川夫妻もアイも片寄ゆらも皆カミキの扇動によって殺されたで良かった気がします。

そして、この5人以外にもカミキは殺人を犯しており、連続快楽殺人者のサイコパスかつ芸能界の大御所という芸能界の闇を体現したような存在にすると。そして、カミキは狡猾に立ち回りながらも、僅かな隙からボロが出て逮捕に繋がるというのが一番きれいな流れだったと思います。

結論を言えば、アクアの生死や、メディアや世間の反応がどうこう以前に、物語としてもっと問題視すべき点が多いというのが、個人的に今回の話を読んだ感想です。

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CP論争の愚劣さ。

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

そして、この期に及んでカップリングだの恋愛感情だのをどうこう語ることが愚の骨頂だと思い始めました。前回の感想記事で必死にカップリングについて書いた自分は愚かと言わざるを得ません。

カミキヒカルを手にかけてしまった今、アクアと結ばれるというのはババ抜きでババを引くようなものではないでしょうか。あかねにとっても、かなにとっても、ルビーにとっても星野アクアは腐ったトロフィーだと言って良いと思います。

あかねに関しては、アイをインストールして母親目線でアクアを見ていますので、犯罪を犯したアクアに対しても温かく受け入れる可能性があります。ただ、それはあかね自身の人生に大きな重荷を負わせることになるため、個人的には完全なハッピーエンドではありません

一方で原作148話では、あかねは「カミキヒカルを殺すなんてダメ、監視しないと」と言っていました。なので、これを裏切ったアクアを突き放して絶縁するということも有り得ます。

個人的にはこちらの反応の方が良いと思います。原作116話の「アクア君の企みは私が止める」という言葉が実現されず、アクかな成立とニノ確保のために舞台装置のように使われた情けない女というレッテルは覆りませんが。

かなは原作146話で「私はアクアが死んでも悲しんだりしない、死体にビンタしていつもみたいに口汚く罵って、アンタなんかあっという間に忘れ去ってやる」と言っていました。流石に死体にビンタはダメですが、かなの要望に応えなかった馬鹿の事はあっさりと縁を切って忘れるべきです。

そして最後に実の妹で、かつ前世からの縁があるルビーからしてみれば、原作143話の「生きててくれてありがとう!生きてて偉い!生きてるだけで私幸せ」が裏切られたことになります。ルビーの絶望は計り知れないのではないでしょうか。

しかも血縁関係であるが故に、アクアから離れることができません。ルビーにとっては「もっと良い解決方法は無かったのか?」と思うのではないでしょうか。

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スマホが残った意味。

出典:推しの子/赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社

さて、今回の話でカミキとアクアは崖から転落し、その際スマホだけは海に落ちず残ったようです。崖から落ちた際(都合よく)頭を打ったカミキに対し、アクアはさらに首を絞めて来ました。

カミキはゴローを始めとする色々な人の手に引かれて海の底に沈み、おそらく溺死したと思われます。アクアは妹を思いながら沈んでいくと。

スマホが残ったということは位置情報から揉み合った現場を特定することは可能でしょう。これが今後の展開に繋がるかは分かりません。(というより予想したくない)

個人的には、ここまで来たらアクアには生きて自身の罪を清算して欲しいし、このまま死亡というのは納得できません。次回はどうなるでしょうか。

まとめ

ということで、以上第162話の感想でした。

うまく言葉が纏まらなくて申し訳ありません。しかし、私が抱えているモヤモヤが少しでも伝わればと思います。

皆さんはどう思ったでしょうか。良ければコメントください

次回は3週間後ということで、【推しの子】に触れる機会が減るのは個人的には良いことな気がします。正直展開に納得できなくて、しばらく【推しの子】に思考のリソースを割きたくありません

とりあえず、次の日曜日にアニメ2期を見て感想を書き、その後時系列のまとめ記事と旧B小町メンバーのまとめ記事を更新しようと思います。アニメ2期の感想は次回原作163話の感想記事と合算としますので、次回は3週間後になります。

ご了承ください。

コメント

  1. 名無しの読者 より:

    感想記事、興味深く拝見させていただきました。
    自分も今回の話を読んで、素直に「アクア可哀想!」とはなりませんでしたね…
    そもそも、本来は前座でありカミキの人心掌握術の被害者という位置付けのはずのニノ&リョースケの行動があまりにも悪辣で常人の理解を超えていたので、カミキを諸悪の根源とする流れに納得感がないんですよね…
    今回ゴローの悪霊?がカミキを海底に引っ張っていましたが、そもそもカミキはゴローとの面識すらないハズです。
    それに、カミキが本気でルビーを手にかけようとしていたことが描写されればされるほど、カミキとルビーの接触を許したアクアの無能さやその護衛をよりによって元カノにさせる情けなさ、自分は本命の女とすしのこで盛り上がっていたのにカミキがニノを放置したことを糾弾することへの説得力のなさが増してしまっています。
    過去の描写が積み重ねとしてストーリーの説得力を形作るどころか、むしろ足を引っ張っているというのは作劇として本当に気持ち悪いと感じます。
    ここ数週で思い出したかのようにルビールビーと言い出しましたが、そのルビーを差し置いて枕女と楽しみ、無責任にさりなを放り出してゴローを成仏させた男の行動にもはや何の整合性も見出せません。
    今回描かれた走馬灯も過去描写の切り取りではなく、見覚えのない新規描写でしたしね笑
    さて、ここから2週間休載となるワケですが、この期間でまた慌ててシナリオを変更するのでしょうかね?
    また、156話のように不自然なMEM回が挟まれてもおかしくないと考えてしまう程度には作者への信頼がなくなってしまいました…

    • ダイヤを見ながら渡る旅 ダイヤを見ながら渡る旅 より:

      コメントありがとうございます!

      >そもそも、本来は前座でありカミキの人心掌握術の被害者という位置付けのはずのニノ&リョースケの行動があまりにも悪辣で常人の理解を超えていたので、カミキを諸悪の根源とする流れに納得感がないんですよね…

      一時はニノが諸悪の根源みたいな話の流れになっていましたね。

      >今回ゴローの悪霊?がカミキを海底に引っ張っていましたが、そもそもカミキはゴローとの面識すらないハズです。

      ツクヨミの証言が真実で、カミキの証言が嘘であれば、カミキとゴローに面識はあるはずです。といってもカミキが見たのはゴローの遺体のみで、直接手にかけたのはリョースケかと思いますが。

      >過去の描写が積み重ねとしてストーリーの説得力を形作るどころか、むしろ足を引っ張っているというのは作劇として本当に気持ち悪いと感じます。

      文脈に合わない部分が多いのは間違いないですね。中堅編以降は多い印象です。

      >今回描かれた走馬灯も過去描写の切り取りではなく、見覚えのない新規描写でしたしね笑

      多分作者二人が幼少期編で描きたかったものなのでしょうね。

  2. TGLLC#★! より:

    こう見るとなんか前世バレが最大の悪手って感じ…

    • ダイヤを見ながら渡る旅 ダイヤを見ながら渡る旅 より:

      前世バレは悪くないと思います。前世バレしてなくてもあかねとかなを裏切っていることに変わりはありませんし。

      • TGLLC#★! より:

        確かに前世バレなかったらルビーは暴走し続けていただろう!
        次回は3週間後だし…内容がまともになっていればいいですね!
        今回の話見るとやっぱりアクア死亡はほぼ確かな?しかも最終章のタイトルが「星に夢に」だから…「星に」という部分はアクアの死を表しているのだろうか?

  3. 白練 より:

    納得いかない1人です。

    リョースケやニノの考えが極端なだけで、煽られたからってそこまで行くのは二人の自己責任。

    もっと言えば、斎藤壱護のアイに対する依怙贔屓が1番だめな気がします。
    アイだけを単体で売り出していればよかった。
    せめて来客が誰かわかるような装置ある部屋に越す、ドアチェーンは絶対かけろと念押しくらいはすべきでしたよね。
    依怙贔屓してるなら尚更。

    ちょいちょい斎藤壱護も元凶だと考えている私です。カミキだけのせいにするには描写が不足してますよね。
    被害者でもあるわけですし。
    アクアもルッキズムの権化ですが大人に守られてよかったね。下手したらアクアも子役タレントが大人の餌食になる流れになり得ました。
    カミキには誰もいなかったのに。
    金田一や鏑木はそこいらどう捉えているのやら。

    • ダイヤを見ながら渡る旅 ダイヤを見ながら渡る旅 より:

      コメントありがとうございます。

      >リョースケやニノの考えが極端なだけで、煽られたからってそこまで行くのは二人の自己責任。

      実行犯の責任は言うまでもありませんが、一連の事件の全容が未だ明らかになっていない以上、カミキの具体的な悪行も明らかではありません。カミキがリョースケやニノの本質を見抜いて扇動した可能性は残っています。

      >もっと言えば、斎藤壱護のアイに対する依怙贔屓が1番だめな気がします。
      >アイだけを単体で売り出していればよかった。

      旧B小町では壱護によるアイ贔屓がありましたが、新生B小町ではミヤコはセンターをメンバー間で決めさせ、全員の合意の上で有馬かなと決まっています。この点は新旧で明確な相違点ですね。

      >ちょいちょい斎藤壱護も元凶だと考えている私です。

      斎藤壱護に直接的な責任は無いと思います。遠因ではあると思いますが。

  4. 北陸の梨 より:

    残り4話で完結と告知が来たので、アクア生還ルートは完全に潰えたでしょう(4話では無理。
    やるのなら17巻まで伸ばして、罪をどう償うのかなどをやるべきだった)

    恐らく次話で、ツクヨミが二人の遺体を消して消息不明に、ルビー達はアクアの生還を信じ前向きに生き、最終話でドームライブ。今後の展開はもうほぼこれに収束したかなと思いますが、どう思われますか? アクアの登場は前回の最終コマで最後でしょう。
    まあこの結末が、尤も穏やかに作品を着陸させられます。

    次回1年とか3年経過して、アクアの墓参りとかから入る可能性も。

    • ダイヤを見ながら渡る旅 ダイヤを見ながら渡る旅 より:

      >残り4話で完結と告知が来たので、アクア生還ルートは完全に潰えたでしょう(4話では無理。
      >やるのなら17巻まで伸ばして、罪をどう償うのかなどをやるべきだった)

      分かりませんよ。この漫画の倫理観は壊れていますからね。

      >恐らく次話で、ツクヨミが二人の遺体を消して消息不明に、ルビー達はアクアの生還を信じ前向きに生き、最終話でドームライブ。今後の展開はもうほぼこれに収束したかなと思いますが、どう思われますか? アクアの登場は前回の最終コマで最後でしょう。

      分かりません。しかし少なくともアクアが失踪したらルビーは絶望すると思いますよ。

      >まあこの結末が、尤も穏やかに作品を着陸させられます。

      人一人殺害しておいて穏やかもクソも無いですね。

      • 北陸の梨 より:

        こんばんわ 未だルビーが襲撃される展開も有るかもしれません

        1 神木の真の刺客の襲撃 神木にやにや笑いながら、ライブ映像見てましたし。新野は所詮失敗前提の捨て駒説。あかねちゃんは、まんまと街亭の戦いの『馬謖』みたいに釣られてしまったんです。
        2 厄介ファンに襲撃 158話であかねの脳内台詞でもその危険性が。アイと同じ最後。
        3 闇ルビー時代の因果が巡って来る。闇ルビー時代に暴走して、周囲の人の人間関係をかなり破壊してたので。言わば『相棒』シリーズの小野田官房長(岸辺一徳)と同じ最後。(懲戒免職にした、警視庁幹部に恨まれ刺殺) 

        かなが、ルビーをかばって刺される可能性も。
        シェイクスピア演劇みたいに『復讐は誰も幸福にならない』的、教訓エンドも皆無では無いかも。

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