名古屋第二環状自動車道(名二環)の南西部工事!事業概要はこちら!

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高速道路

名古屋環状2号線は、愛知県名古屋市の外周部を回る延長66.2㎞の環状道路です。一般部の国道302号線と、専用部の名古屋第二環状自動車道(名二環)及び伊勢湾岸自動車道の2層構造になっています。

しかし、専用部の名古屋第二環状自動車道は完全には整備されておらず、南西部の名古屋西JCT~飛島JCT間は未開通となっています。同区間の開通予定時期は、2020年5月1日となっています。

本記事では、その名古屋環状2号線の未整備部分について、その概要をまとめています。実際に現地に行ってみた記事については、記事中のリンクからアクセスしてください。

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本事業の概要

本事業では、名古屋環状2号線において、未だ完工していない南西部の一般部(国道302号線)の4車線化、および専用部(名古屋第二環状自動車道および伊勢湾岸自動車道)の整備となります。

名古屋環状2号線は、一般部が2011年(平成23年)に全通したものの、一部が未だ暫定2車線となっています。本事業ではその内、梅之郷交差点~南陽中学校前交差点を4車線化します。

さらに専用部の名古屋第二環状自動車道は、南西部の名古屋西JCT~飛島JCT間は未開通となっています。本事業によって未開通部分の整備がなされ、全線開通し環状道路が完成となります。

完成は2020年5月1日の予定です。

本事業のメリット

本事業の効果について、中日本高速道路株式会社(通称:NEXCO中日本)以下のように挙げられています。

①尾張地区西部における南北交通の所要時間短縮。またそれによる効率アップ
②一部区間が工事等で通行止めになった時、迂回路として使用できる。
③整備区間は海抜ゼロメートル地帯のため、冠水時の緊急輸送道路の機能が確保される。

所要時間短縮・効率向上

海外生産車の自動車部品を小牧市から飛島ふ頭に輸送する際、今までは1日2往復しかできませんでしたが、高速道路整備後は3往復に増加させることが出来ます。

トラック輸送の働き手が不足しがちな昨今においては、1人当たりの輸送量が増加するという意味で大変な効率アップとなるでしょう。

迂回路としての活用

名古屋都心へアクセスする際に途中で通行止めになった場合でも、当路線を使用することで別の都心アクセス道路から都心へアクセスできるようになります。

一部区間を通行止めにした大規模な工事がしやすくなったり、事故が起こった場合でも渋滞を最小限に留めることが出来ます。

緊急輸送道路の機能確保

巨大地震や津波により被害を受けた際、愛知県の広域物資輸送拠点から地域内の物資輸送拠点への物資輸送に名古屋環状2号線を活用できます。

高架構造の名二環が整備されれば、たとえ国道302号線が冠水しても通行可能になります。

本事業のデメリット

個人的には、逆に以下のようなデメリットも発生すると思います。

①車の流れが変化し、以前より伊勢湾岸道に車が流れるようなる。場合によっては、渋滞も発生するようになる。
名二環の全通により、名古屋市から伊勢湾岸自動車道に入るのが容易になります。それにより、伊勢湾岸自動車道はより交通量が多くなるのではないでしょうか。

特に名古屋南JCT~飛島JCT間は、環状道路としての役割と東名阪を結ぶ幹線としての役割が重複するので、混雑が激しくなりそうです。

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専用部(名古屋第二環状自動車道・伊勢湾岸自動車道)

概要

上記の図は国土地理院Webサイト「地理院地図Vector(試験公開)」で公開されている「標準地図」に加筆したものです。クリックして拡大してご覧ください。

名古屋第二環状自動車道は、信号が一切存在しない有料の高速自動車国道です。同線は、環状部分と東名高速道路と接続する支線部分で構成されています。

環状部分では、全区間で一般国道302号線と並走しており、各所でインターチェンジで接続されています。

伊勢湾岸自動車道は、豊田東JCT~四日市JCT間を結ぶ高速道路で、新東名高速道路・新名神高速道路とともに東京・名古屋・神戸を結ぶ幹線として機能しています。

そして特に名古屋南JCT~飛島JCTが名古屋環状2号線の一部として経路が重複しています。

この名二環は戦後急激に拡大する中京圏都心部の交通に対し、名古屋都心を避けて郊外から郊外への移動を可能とするため、整備されました本道路は名古屋市内の交通渋滞緩和に大きく貢献しています。

表1.専用部の2015年の昼間12時間自動車類交通量

道路名 調査区間 交通量
飛島JCT(飛島村)~名古屋西JCT(名古屋市中川区) 新規
名古屋第二環状 名古屋西JCT(名古屋市中川区)~大治南IC(名古屋市中川区) 24313
大治南IC(名古屋市中川区)~大治北IC(大治町) 33702
大治北IC(大治町)~甚目寺南IC(大治町) 32368
甚目寺南IC(大治町)~名鉄津島線~甚目寺北IC(あま市) 39509
甚目寺北IC(あま市)~清州西IC(清須市) 37631
清州西IC(清須市)~名鉄名古屋本線東海道新幹線東海道本線~清州東第二IC(清須市) 45119
清州東第二IC(清須市)~清州JCT(清須市) 42007
清州JCT(清須市)~清州東第一IC(名古屋市西区) 42873
清州東第一IC(名古屋市西区)~平田IC(名古屋市西区) 50576
平田IC(名古屋市西区)~名鉄犬山線~山田西IC(名古屋市西区) 47540
山田西IC(名古屋市西区)~山田東IC(名古屋市西区) 47929
山田東IC(名古屋市西区)~楠JCT(名古屋市北区) 48852
楠JCT(名古屋市北区)~楠IC(名古屋市北区) 47206
楠IC(名古屋市北区)~名鉄小牧線~勝川第二IC(春日井市) 54185
勝川第二IC(春日井市)~東海交通事業城北線JR中央本線~勝川第一IC(春日井市) 44048
勝川第一IC(春日井市)~松河戸IC(春日井市) 51778
松河戸IC(春日井市)~ゆとりーとライン~小幡IC(名古屋市守山区) 45987
小幡IC(名古屋市守山区)~名鉄瀬戸線~大森IC(名古屋市守山区) 51408
大森IC(名古屋市守山区)~引山IC(名古屋市名東区) 39782
引山IC(名古屋市名東区)~上社IC(名古屋市名東区) 47416
上社IC(名古屋市名東区)~地下鉄東山線~上社JCT(名古屋市名東区) 42353
上社JCT(名古屋市名東区)~本郷IC(名古屋市名東区) 48015
本郷IC(名古屋市名東区)~名古屋IC(名古屋市名東区) 38095
上社JCT(名古屋市名東区)~上社南IC(名古屋市名東区) 45233
上社南IC(名古屋市名東区)~高針JCT(名古屋市名東区) 49580
高針JCT(名古屋市名東区)~植田IC(名古屋市天白区) 38095
植田IC(名古屋市天白区)~地下鉄鶴舞線~鳴海IC(名古屋市緑区)~地下鉄桜通線 31016
地下鉄桜通線~鳴海IC(名古屋市緑区)~名鉄名古屋本線~有松IC(名古屋市緑区) 25247
有松IC(名古屋市緑区)~東海道新幹線JR東海道本線~名古屋南JCT(名古屋市緑区) 19580
伊勢湾岸 名古屋南JCT(名古屋市緑区)~大府IC(大府市) 64160
大府IC(大府市)~名鉄常滑線~東海第一IC(東海市) 50207
東海第一IC(東海市)~東海JCT(東海市) 48359
東海JCT(東海市)~東海第二IC(東海市) 46753
東海第二IC(東海市)~名港潮見IC(名古屋市港区) 57654
名港潮見IC(名古屋市港区)~あおなみ線~名港中央IC(名古屋市港区) 60075
名港中央IC(名古屋市港区)~飛島IC(飛島村) 61882

交通量については、ほとんどの区間で3万台を超えており、特に伊勢湾岸自動車道では、6万台を超える区間も存在します。交通量が非常に多い点ついては、さすが東名阪を結ぶ高速道路といった所でしょうか。

一般部(国道302号線)の概要

概要

上記の図は国土地理院Webサイト「地理院地図Vector(試験公開)」で公開されている「標準地図」に加筆したものです。クリックして拡大してご覧ください。

国道302号線は、名古屋環状2号線の一般部に相当し、名古屋市を中心に放射状に延びる各主要道と接続します。専用部の名二環同様、名古屋都心を避けて郊外から郊外への移動を可能とするため、整備されました

2020年10月現在、ほぼ全区間で直上に名古屋第二環状自動車道が整備されており、各所にあるインターチェンジで双方が接続されています。

なお海上の区間である飛島IC~東海第二IC間は伊勢湾岸自動車道と重複し、同区間は有料区間扱いとなっています。

表2.国道302号線の2015年の昼間12時間自動車類交通量

調査区間 有料/無料 交通量 車線数
名古屋南インター交差点(国道23号線)(伊勢湾岸自動車道)(名古屋高速3号大高線)(名古屋市緑区)~名古屋市緑区・大府市境 無料 17765 4
名古屋市緑区・大府市境~知多半島道路~大府IC(大府市) 17516
大府IC(大府市)~名鉄常滑線~東海インター交差点(国道247号線)(名古屋高速4号東海線)(東海市) 15961
東海インター交差点(国道247号線)(名古屋高速4号東海線)(東海市)~東海第二IC(東海市) 14896
東海第二IC(東海市)~名港潮見IC(名古屋市港区) 有料 57654 6
名港潮見IC(名古屋市港区)~あおなみ線~名港中央IC(名古屋市港区) 60075
名港中央IC(名古屋市港区)~飛島IC(飛島村) 61882
飛島IC(飛島村)~桜木大橋北交差点(飛島村) 無料 14122 4
桜木大橋北交差点(飛島村)~梅之郷交差点(国道23号線)(飛島村) 18257
梅之郷交差点(国道23号線)(飛島村)~梅之郷神明社付近(飛島村) 9019 2
梅之郷神明社付近(飛島村)~飛島大橋南交差点(飛島村) 9671
飛島大橋南交差点(飛島村)~小川三丁目(名古屋市港区) 10699
小川三丁目(名古屋市港区)~南陽中学校前交差点(名古屋市港区) 14196
南陽中学校前交差点(名古屋市港区)~かの里東交差点(国道1号線)(名古屋市中川区) 12463 4
かの里東交差点(国道1号線)(名古屋市中川区)~近鉄名古屋線JR関西本線~島井町交差点(東名阪自動車道)(名古屋高速5号万場線)(名古屋市中川区) 18401
島井町交差点(東名阪自動車道)(名古屋高速5号万場線)(名古屋市中川区)~稲屋交差点(大治町) 24439
稲屋交差点(大治町)~大治北インター交差点(大治町) 17017
大治北インター交差点(大治町)~甚目寺南IC(あま市) 7496
甚目寺南IC(あま市)~名鉄津島線名鉄名古屋本線~廻間交差点(清須市) 2
廻間交差点(清須市)~東海道新幹線JR東海道本線~清洲中学校前交差点(清須市) 19662
清洲中学校前交差点(清須市)~朝日交差点(国道22号線)(名古屋高速6号清須線)(名古屋高速16号一宮線)(清須市) 4
朝日交差点(国道22号線)(名古屋高速6号清須線)(名古屋高速16号一宮線)(清須市)~清州東IC(清須市) 21422
清州東IC(清須市)~中沼町交差点(名古屋市西区) 15340
中沼町交差点(名古屋市西区)~新平田橋西詰(名古屋市西区) 20245
新平田橋西詰(名古屋市西区)~名鉄犬山線~(名古屋高速1号楠線)(名古屋高速1号小牧線)~名古屋市北区・春日井市境 24316
名古屋市北区・春日井市境~勝川町4丁目交差点(国道19号線)(春日井市) 21742
勝川町4丁目交差点(国道19号線)(春日井市)~東海交通事業城北線~勝川町4丁目東交差点(春日井市) 15277 2
勝川町4丁目東交差点(春日井市)~松河戸IC(春日井市) 8597
松河戸IC(春日井市)~春日井市・名古屋市守山区境 12678
春日井市・名古屋市守山区境~ゆとりーとライン名鉄瀬戸線~大森IC(名古屋市守山区) 18929
大森IC(名古屋市守山区)~国道363号線地下鉄東山線名古屋第二環状自動車道(名古屋支線)~上社南IC(名古屋市名東区) 15637 4
上社南IC(名古屋市名東区)~野間町交差点(名古屋市名東区) 26401
野間町交差点(名古屋市名東区)~名古屋中環状線交差部(名古屋市名東区) 27091
名古屋中環状線交差部(名古屋市名東区)~牧の里西交差点(名古屋市名東区) 24864
牧の里西交差点(名古屋市名東区)~植田IC(国道153号線)(名古屋市天白区) 28089
植田IC(国道153号線)(名古屋市天白区)~地下鉄鶴舞線~原一丁目交差点(名古屋市天白区) 26456
原一丁目交差点(名古屋市天白区)~鳴海IC(名古屋市緑区)~地下鉄桜通線 22624
地下鉄桜通線~鳴海IC(名古屋市緑区)~滝ノ水橋東交差点(名古屋市緑区) 17575
滝ノ水橋東交差点(名古屋市緑区)~名鉄名古屋本線~有松IC(国道1号線)(名古屋市緑区) 16695
有松IC(国道1号線)(名古屋市緑区)~東海道新幹線JR東海道本線~名古屋南インター交差点(国道23号線)(伊勢湾岸自動車道)(名古屋高速3号大高線)(名古屋市緑区) 19547

車線数は一般部は基本的に4車線となっています。しかし、一部が暫定的に2車線となっています。

この暫定2車線の区間は、主に鉄道交差部分で暫定2車線となっており、他にも名二環の未整備区間である南西部で暫定2車線となっています。

交通量については、上記の表の通り、おおむね1万台以上となっています。しかし、主に暫定2車線区間で1万台以下となっています。

通過台数が少ない理由としては、片側1車線しかない分、通過速度が低くなるため、この付近で並行している西尾張中央道にいくらか流れているためだと考えられます。

実際に行って来た!

実際に現地を取材したときの様子は、以下のリンクからご覧ください。

2020年11月14日時点

名二環南西部の新設工事!2020年11月14日時点の工事状況!
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2021年4月24日開通1週間前時点

名二環南西部の新設工事!開通1週間前と開通日に現地取材してきた!
名古屋地区南西部では名二環の中では最後の未開通区間となる南西部の工事が進んでいます。この工事が完了すれば南北交通の効率アップ等様々なメリットがあります。本記事では開通1週間前となる2021年4月24日時点の名二環の南西部の工事状況について紹介します。

まとめ

今回の工事は名古屋地区西部の南北の物流を活性化させます。完成は2020年度末の予定です。

完成が楽しみです。

参考文献(画像出典含む)

wikipedia(国道302号線)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%81%93302%E5%8F%B7

wikipedia(名古屋環状2号線)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B%E7%92%B0%E7%8A%B62%E5%8F%B7%E7%B7%9A

平成27年度 全国道路・街路交通情勢調査
https://www.mlit.go.jp/road/census/h27/data/pdf/kasyo21.pdf

国土交通省国土地理院
https://www.gsi.go.jp/top.html

中日本高速道路株式会社
https://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/4111.html

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本記事以外にも高速道路の取材記事を掲載しています。是非ご覧ください!!

高速道路(工事取材)
高速道路の工事の状況を現地取材した記事のまとめです。

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