JR西日本が管轄するJR山陰本線・JR舞鶴線・JR小浜線の夜間留置まとめ。2023年のデータをまとめましたので、これを基に考察をしていきたいと思います!
JR山陰本線は京都府京都市の京都駅から、中国地方の日本海沿岸を経由し、山口県下関市の幡生駅までを結ぶ鉄道路線です。京都駅から城崎温泉駅までは直流電化されており、さらに京都駅から園部駅までは嵯峨野線という愛称が付けられ、当該区間は全区間複線化されています。
嵯峨野線区間は京都への通勤路線として多くの利用者が存在します。園部以遠からは通勤客は減少し、専ら京都と綾部・福知山・城崎温泉の間の都市間輸送が主な輸送需要となっています。
JR舞鶴線は、京都府綾部市にある綾部駅から京都府舞鶴市にある東舞鶴駅までを結ぶ鉄道路線です。京都駅から舞鶴市へのアクセス路線となっており、特急まいづるが京都駅から東舞鶴駅まで直通運転しています。
終点の東舞鶴駅では、そのままJR小浜線へ線路が繋がっていますが、直通運転は積極的に行われておらず、乗換が必要だったり、直通していても長時間停車を強いられる場合が多いです。
JR小浜線は、福井県敦賀市の敦賀駅から京都府舞鶴市の舞鶴駅までを結ぶ鉄道路線です。若狭湾に沿って敦賀・小浜・舞鶴の各都市を結んでいます。
2003年に全線が電化しており、電化を機に全列車が電車で運転されています。ただし電化費用を抑えるため、変電所の数が路線長80kmに対して4つしかなく、入線できる電車の数には限りがあります。
運行系統ごとの運用状況
本記事では京都所属、福知山所属、敦賀鉄道部所属の車両を記載します。
京都(2023年)
向日町6+6本、京都2本、近江今津4本、園部15本、草津3本、貴生川2本、柘植1本
向日町1+1本、京都1本、近江今津1本、園部1本、柘植1本
網干0~1本、向日町0~1+1本、紀伊田辺1本、白浜1本、新宮1本
向日町+3本
向日町1+5本、豊岡1本
向日町+5本、宮原2本、金沢総3本
宮原2本、向日町+1本、南福井1本、金沢総2本
宮原2本、向日町2~3+1本、米原0~1本、金沢総6本
福知山(2023年)
福知山4+2本
豊岡2本、福知山8+1本、園部2本、篠山口1本、西舞鶴2本
豊岡1本、福知山5+1本
福知山3+1本、西舞鶴2本
福知山3+1本、向日町2本、豊岡1本
福知山2+2本
豊岡1+2本、和田山1本、寺前4本
浜坂2本、豊岡2本+3両
敦賀(小浜線乗り入れ分のみ)(2023年)
敦賀2+2本、小浜4本、東舞鶴2本、西舞鶴2本、福知山2本
所感
京都所属の車両に関する所感は下記記事で記載したので、割愛します。
福知山所属に関して言うと、普通電車は113系と223系の2種類が在籍しており、同じ2両編成ながら運用は別建てとなっています。これは明らかに効率が悪いので、223系に統一すべきだと思います。
種車は宮原所属のダブルパンタ装備の223系でしょうか。網干にAシート付き225系4両を導入し、余剰となった網干223系4両を宮原へ、宮原で余剰となったダブルパンタ装備の223系を2両に短縮し、113系に置き換えれば良いかなと思います。
なお宮原で捻出された中間車2両は、同じ宮原223系4両に組み入れて6両化出来ます。京都の221系6両を置き換えれば、余剰となった221系6両で奈良所属の205系4両を置き換えできるでしょう。
ちなみに福知山支所では傘下に豊岡派出所を抱えており、播但線の寺前~和田山間や山陰本線の豊岡~浜坂間の運用に主に就いています。1両の運転はほぼ播但線で走行されているようです。
個人的には2024年ダイヤ改正で京都キハ189系が豊岡に移籍、はまかぜが姫路~鳥取に短縮して2時間に1本運転になると予想していますが、それをすると普通列車は確実に減便になるんですよね。客単価アップとスピードアップを考えたら特急偏重ダイヤは妥当なのですが、自治体の理解を得られるかどうか・・・
駅ごとの夜間留置状況
本記事では山陰本線の京都~城崎温泉間・舞鶴線・小浜線について紹介します。京都支所については湖西線と草津線にも、福知山支所については福知山線にも列車が走行しますが、これらについては別記事で紹介します。
山陰本線
京都(車庫収容力71両、合計留置両数79両)
奈良205系4両3本
奈良221系6両1本
京都221系4両・223系4両2本
京都221系6両・223系6両1本
網干223系4両・225系4両1本
網干223系8両・225系8両1本
明石207系7両・321系7両5本
東海道線引き上げ線:345m17両1本
奈良線引き上げ線:125m6両1本、145m7両1本、205m10両1本
嵯峨嵐山
夜間留置設定なし
亀山
夜間留置設定なし
園部(車庫収容力88両、合計留置両数70両)
福知山223系2両2本
京都221系4両・223系4両15本
京都221系6両・223系6両1本
165m8両2本
185m9両1本
265m13両4本
船岡
夜間留置設定なし
日吉
夜間留置設定なし
胡麻
夜間留置設定なし
下山
夜間留置設定なし
和知
夜間留置設定なし
安栖里
夜間留置設定なし
山家
夜間留置設定なし
綾部
夜間留置設定なし
福知山(車庫収容力:留置線247両+検査線31両+入替線7両+転削線6両、合計留置両数114両)
福知山113系2両4+2本
敦賀125系1両2本
福知山223系2両8+1本
宮原223系4両・225系4両3本
宮原225系6両1本
福知山287系4両5+1本
福知山287系3両3+1本
福知山289系4両3+1本
福知山289系3両2+2本
225m11両1本
265m13両7本
285m14両5本
305m15両5本
検査線65m3両1本
検査線145m7両4本
入替線145m7両1本
転削線?125m6両
上川口
夜間留置設定なし
上夜久野
夜間留置設定なし
和田山(車庫収容力15両、合計留置両数1両)
豊岡キハ40形・キハ41形1両1本
非電化側線:165m8両1本
八鹿
夜間留置設定なし
宿南信号場
夜間留置設定なし
国府
夜間留置設定なし
豊岡(電化留置線収容力23両、合計留置両数22両)丹鉄の夜間留置は不明
豊岡キハ40形・キハ41形1両1+2本
豊岡キハ40形・キハ41形2両2本+3両
福知山223系2両2本
福知山287系4両1本
福知山289系4両1本
豊岡支所の詳細は未調査(車庫容量は十分にあると考えられる)
玄武洞
夜間留置設定なし
城崎温泉
夜間留置設定なし
所感
山陰本線も夜間留置については比較的余裕があり、設定箇所は向日町・京都・園部・福知山・豊岡のみとなっています。特急運用に至っては京都側の設定はなく、全て福知山側からの送り込みとなっています。
山陰本線は特に京都~嵯峨嵐山間で混雑が激しく、地方ニュースにもなっていますね。個人的にも嵯峨野線の列車を増発・増結すべきだと思いますが、それを実現するためには十分な線路設備と車両が必要です。
実際に調査すると、全車8両かつ増発するだけの車庫容量はどこもあるように思います。問題は増発・増結に必要な4両固定が足りていないことや、京都の6両固定・福知山の2両を嵯峨野線に乗り入れさせている輸送効率の悪さでしょう。
京都の6両については湖西線や草津線はもちろん、転属込みで考えれば宮原支所や奈良支所でも活躍可能です。福知山223系2両も園部以北運用に限定すれば、園部に留置する必要も無くなるでしょうし、113系2両の整理も可能でしょう。
嵯峨野線にしても、湖西線・草津線にしても京都所属の6両の運転は排除すべきだと思います。
舞鶴線・小浜線
綾部
夜間留置設定なし
西舞鶴(電化留置線収容力15両、合計留置両数12両)
敦賀125系1両2本
福知山223系2両2本
福知山287系3両2本
東舞鶴(合計留置両数2両)
敦賀125系1両2本
若狭高浜
夜間留置設定なし
小浜(合計留置両数4両)
敦賀125系1両4本
敦賀(車庫収容力181両、合計留置両数49両)
敦賀125系1両2+2本
網干223系4両・225系4両3本
金沢521系GJ2両5本
敦賀521系GJ2両5+1本
敦賀521系E2両3+1本
金沢681系W3両・681系N3両・683系N3両1本
65m3両1本
125m6両1本
165m8両1本
185m9両1本
205m10両1本
245m12両1本
275m13両1本(特急専用ホームの引き上げ線)
65m3両1本
105m5両4本
125m6両1本
145m7両1本
165m8両1本
245m12両1本
305m15両2本
85m4両1本
105m5両1本
165m8両2本
185m9両1本
所感
舞鶴線・小浜線も主要駅にしか夜間留置がありません。ただ留置線が少ないため、小浜と東舞鶴では営業線上に夜間留置しているようです。
使用車両は、小浜線は電化時の経緯から125系に統一されていますが、舞鶴線は125系だけでなく、113系や223系も乗り入れます。ラッシュ時の運用を考えれば223系2両の乗り入れは必要かと思いますが、それ以外の時間帯は125系に統一したい所です。
125系自体は福知山まで乗り入れ実績があり、福知山から敦賀まで通し運転も行われていますので、問題は車両を用意できるかどうかですね。125系は小浜線の他に加古川線でも走行していますので、加古川線に1両の新型車両を投入して、玉突きで125系4本を転属させられると良いかなと思います。
小浜線と舞鶴線は出来る限り一体的な運用が出来るのが理想的ではないでしょうか。
まとめ
ということで、山陰本線・小浜線・舞鶴線の夜間留置状況でした。京都府の山間を走行する路線にも運用面で改善の余地がありそうですね。
全ては新車を投入できるかどうか。他の例に漏れず、JR西日本も財政力が運用改善のカギを握っていそうです。
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