2022年の東武東上線・越生線の夜間留置まとめ。1年前の情報ですが、車庫外の留置設定はダイヤ改正前後で大きく変わっていないと思いますので、記載します。
東武東上本線は東京都の池袋から埼玉県の寄居までを結ぶ鉄道路線です。また途中の坂戸から越生まで越生線が分岐しており、一体的にダイヤが組まれています。
元々は東武鉄道の路線ではなく東上鉄道が建設した路線でしたが、戦前の1920年に両社が合併し、以降東武鉄道の路線として現在まで運営されています。
東上本線は東京都心から郊外へ伸びる路線であるため、東京都心への通勤客が非常に多く、戦後混雑緩和策が施行されました。具体的には和光市での東京メトロ有楽町線・副都心線との相互直通運転、そして和光市~志木間の複々線化です。
これらは東京地下鉄13号線として新宿~池袋~小竹向原~和光市~志木という計画路線に則ったものであり、紆余曲折あって8号線(有楽町線)とも相互直通運転するようになったものの、ほぼ計画通りに線増工事が完遂されたことで東上線の混雑が大きく減少しました。
コロナ前2019年度の時点で混雑率は135%を記録し、首都圏の路線の中でも特に混雑率の低い路線となっています。ただコロナ後は、利用者が少なすぎるためか朝ラッシュピークの運転本数が減少しています。
運行系統ごとの運用状況
森林公園5+1本
池袋1本、下板橋7本、上板橋1本、成増2本、志木7本、上福岡1本、川越市5本、森林公園10本、小川町3本
森林公園9+4本、和光市2本、元住吉1本
森林公園3+2本、寄居3本、越生3本
所感
東武東上線は、2008年よりローカル区間を走る4両編成以外は全て10両編成になっています。東武東上線以外で主要区間が10両編成で統一されているのは東急田園都市線だけです。
ただし、東武東上線では同じ10両でもTJライナー専用運用、地上のみ運用可能な10両、地下鉄直通対応の3種類が存在しています。TJライナー編成と地下鉄直通対応編成は東武線地上運用に入ることも可能なので、予備がない地上運用の代走を行うことが頻繁にあります。
最近の東上線では、休車となっていた10000系の1編成(11004F)が廃車となっています。さらに2023年のダイヤ改正では上で記載する運用数より削減されたことから、9000系の初期車(9001F)の先行量産車も廃車となりました。
これらは利用者数減少によって、運用数を削減した分、運用に入れず休車となっていた余分な車両を廃車にしただけで、新車の導入はありません。個人的には地下鉄直通対応の10両を新造して、9000系を置き換え廃車、50000系を地上運用に置き換えて欲しいなと思います。
現状東京メトロの路線にVVVFインバータ制御以外の車両を入線させているのは東武9000系だけとなっています。野田線に新車を投入するよりこちらを置き換えるのが筋かと思いますが、野田線の方も春日部駅周辺連続立体交差事業との兼ね合いで新車を導入しないといけない状況かと思いますので、致し方ないという所かと思います。
駅ごとの夜間留置状況
池袋
地上10両1本(1番)
下板橋
地上10両7本
中板橋
夜間留置設定なし
上板橋
地上10両1本(引上)
成増
地上10両2本(1番、3番)
和光市(車庫収容力:10両×36本分、合計留置両数:8両×11本+10両×22本=308両)
東急東横8両2本
東急東横10両1本
メトロ10両14+4本
メトロ8両6+3本
東武地下直10両2本
西武地下直10両1本
志木(車庫収容力:10両×6本分、合計留置両数:10両×7本=70両)
地上10両2本(2番、3番)
地上10両2本(側線)
地上10両3本(引き上げ線)
引き上げ線:10両4本
ふじみ野
夜間留置設定なし
上福岡
地上10両1本(引上)
川越市(車庫収容力:10両×4本分、合計留置両数:10両×5本=50両)
地上10両2本(2番、3番)
地上10両2本(側線)
地上10両1本(引き上げ線)
側線:10両2本
坂戸
夜間留置設定なし
高坂
夜間留置設定なし
森林公園(車庫収容力:4両×10本+10両×41本分、合計留置両数:4両×5本+10両×32本=340両)
TJライナー10両5+1本
地上10両10本
東武地下直10両9+4本
東急東横10両2本
メトロ10両1本
地上4両3+2本
10両34本
4両以上10両未満10本
転削線10両1本
検査線10両7本(内2本が40mしか建屋がない)
入替線10両1本
小川町
地上10両3本(2番、4番、5番)
寄居
地上4両3本(1番、2番、3番)
越生
地上4両3本(1番、2番、3番)
所感
東武東上線の夜間留置状況をまとめると驚くのは、本線系統とは異なり車庫外留置の設定が非常に多いことです。成増、志木、川越市と明らかにイレギュラーな箇所が3か所もあります。
森林公園検車区の規模の大きさ・留置線の多さ故に主観的に東武東上線は設備が足りているように考えがちですが、実際は結構逼迫しているということです。
なぜこんなにも設備がひっ迫している状況になっているかというと、それは東上線の列車を全て10両編成にしたことが原因です。森林公園検車区は西側に大量の留置線がありますが、その内南側の何本かが10両未満となっています。
つまり車庫の利用効率が落ちているということです。現段階で留置線の本数は足りていますが、もし夜間留置を設定している駅で工事を行う場合は留置箇所を変更する必要があるので、配線を改良して10両が留められる本数を増やす必要があります。
まとめ
しかしまあ、車庫1つだけで首都圏路線のほぼ全ての車両の収容可能とは、さすが土地に余裕のある東武といった所でしょうか。個人的には成増や川越市周辺で改良工事をして欲しいと思っているので、車庫の収容力向上のための工事を是非実施して欲しいですね。
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