東急田園都市線・東急大井町線・東急こどもの国線・東京メトロ半蔵門線の夜間留置まとめ!2024年1月時点のデータをまとめましたので、これを基に考察をしていきたいと思います!
東急田園都市線は東急電鉄が所有する「首都圏から郊外へ伸びる主要な通勤路線」の一つで渋谷から中央林間までを結んでいます。元々は大井町~二子玉川~溝の口と運行されていた路線が、新規路線の敷設によって、渋谷~中央林間間を田園都市線、大井町~二子玉川間を大井町線と呼称するようになりました。
長津田からはこどもの国線が分岐しており、こどもの国駅まで路線が敷設されています。また起点である渋谷側では東京メトロが所有する半蔵門線と直通しており、同線を介して東武伊勢崎線と相互直通運転を行っています。
押上から先の東武線内の夜間留置状況は下記記事でまとめています。興味のある方は是非ご覧ください。
運行系統ごとの夜間留置状況
南栗橋2本、二子玉川1本、梶が谷1本、鷺沼4本、藤が丘1本、長津田34+3本、中央林間2本
梶が谷4本、鷺沼1本、長津田1+2本
大井町2本、自由が丘1本、二子玉川1本、溝の口2本、鷺沼9本、長津田1+2本
長津田2+1本
押上3本、住吉2本、清澄白河1本、水天宮前1本、半蔵門1本、渋谷1本、鷺沼13+3本
南栗橋13+3本、久喜1本、北越谷1本、長津田2本
所感
東急車とメトロ車でそれぞれ分けて考察していきます。
東急車
東急田園都市線・大井町線・こどもの国線は主力となる車両がそれぞれ異なるものの、検査・管理は長津田検車区が一括して行っています。運行系統は10両・7両・5両・2両と両数毎で4種類存在します。
田園都市線の主力車両は10両の5000系と2020系であり、半蔵門線に直通する列車は10両で統一されています。稼働数は48本・45運用・予備3本となっており、運用数の多さを考えると予備3本というのは妥当な所と言えるでしょうか。
田園都市線は日本でも有数の混雑路線として有名であり、渋谷~二子玉川間の路線開業以降、増え続ける利用者数に対して様々な対策を講じて来ました。その結果、混雑率は少しずつ落ちてきたものの、それでもコロナ前の2019年は混雑率が185%を記録しています。
そして新型コロナウイルスによる外出自粛は、特に東急電鉄は首都圏路線の中でも大きな影響を受け、コロナを脱しても9割程度しか戻らないと予測されています。2022年時点では混雑率が125%となっており、(2023年度の混雑率が公表されないと最終結論は出せませんが)この混雑率では減便も止む無しという状況となっています。
もし減便するとしたら、東横線・目黒線・池上線と同様にピーク1時間の列車本数を27本→24本に減便するといった所でしょうか。代わりに大井町線を24本に増発すれば、列車ごとの接続パターンが一定化し、東急線内を走る列車の混雑のムラが無くなると思います。
他方、その大井町線は朝ラッシュピーク1時間で21本運行されています。混雑率はコロナ前の2019年度実績で156%と、コロナ前の基準で考えるとさらに混雑緩和が必要なレベルとなっています。
朝ラッシュは急行7本・各停14本で構成され、「上野毛と旗の台で各停を追い抜く急行」「上野毛で急行に抜かれる各停」「旗の台で急行に抜かれる各停」の3種類が存在します。混雑具合は「上野毛と旗の台で各停を追い抜く急行」>「上野毛で急行に抜かれる各停」>「旗の台で急行に抜かれる各停」の順で混雑しており、急行の増発が求められる状況と言えます。
大井町線では、各駅停車で使用されている9000系・9020系が、経年劣化により新型車両への置き換えが予定されています。しかし、混雑の偏りを減らすのであれば、単純な置き換えではなく、7両の運用数を増やし5両の運用数を減らすような増備をして欲しい所です。
メトロ車
東京メトロは半蔵門線運用分が鷺沼検車区で検査・管理しており、編成は10両しか存在しません。稼働数は25本・22運用・予備3本となっており、東京メトロらしく予備は多めです。
しかし、住吉では豊住線の建設工事が行われる予定のため、今後夜間留置の変更や稼働数・予備車の削減が行われるかもしれません。新型コロナウイルスの影響により混雑率が下がっていることから減便は十分考えられる範疇かと思います。
現在半蔵門線では、路線開業時から活躍していた8000系から新型車両の18000系へ置き換える動きがありますが、もしかしたら全数一致での置き換えではなく、一部編成数が削減になるかもしれません。来年度2024年度には車両の新製・置き換えが行われると思いますので、その時に答え合わせができるでしょう。
駅ごとの夜間留置状況
押上
メトロ車10両3本(1番,2番,3番)
錦糸町
夜間留置設定なし
住吉
メトロ車10両2本
清澄白河
メトロ車10両1本
水天宮前
メトロ車10両1本(1番)
神保町
夜間留置設定なし
半蔵門
メトロ車10両1本
渋谷
メトロ車10両1本(2番)
桜新町
夜間留置設定なし
用賀
夜間留置設定なし
大井町
東急車5両2本(1番,2番)
旗の台
夜間留置設定なし
大岡山
夜間留置設定なし
自由が丘
東急車5両1本
上野毛
夜間留置設定なし
二子玉川
東急車10両1本(4番)
東急車5両1本(3番)
溝の口
東急車5両2本
梶が谷
東急車10両1本
東急車7両4本
鷺沼
東急車10両2本(1番,4番)
東急車10両2本(北側車庫)
東急車7両1本(北側車庫)
東急車5両9本(北側車庫)
メトロ車10両13+3本(南側車庫)
メトロ車7両+2本(南側車庫)
225m11両4本
250m12両2本
465m23両1本
(留置線10両×18本+8両×2本+検査線10両×4本+5両×2本+転削線10両)
165m8両2本
205m10両16本
検査線105m5両2本
検査線205m10両4本
入替線200m10両2本
転削線205m10両1本
あざみ野
夜間留置設定なし
江田
夜間留置設定なし
藤が丘
東急車10両1本
長津田(車庫収容力:5両1本+10両40本、合計留置両数:2両3本+5両4本+7両3本+10両39本=437両)
東急車10両2本(4番,5番)
東急車2両1本(引上)
東急車10両32+3本(車庫)
東急車7両1+2本(車庫)
東急車5両1+2本(車庫)
東急車2両1+1本(車庫)
東武車10両2本(車庫)
65m3両1本
105m5両1本
205m10両4本
225m11両5本
265m13両2本(建屋は20m1両分)
305m15両1本
410m20両12本
検査線205m10両3本
入替線205m10両1本
転削線205m10両1本
入出庫待機線205m10両2本
中央林間
東急車10両2本(1番,2番)
恩田
夜間留置設定なし
所感
駅ごとで夜間留置の状況を見ると、東急・東京メトロ共に車庫外留置が非常に多いことが分かります。保守に支障が出るレベルの留置を行っているため、日によって都度夜間留置の変更を行っているようです。
これが出来るのは、半蔵門線・田園都市線共に踏切が1つもないからでしょうか。元住吉検車区系統でも雪が谷検車区系統でも車庫外留置がありますので、これが東急電鉄の車両運用のデフォルトなのかもしれません。
ちなみに、長津田検車区系統は車庫を拡張する余地がありますし、車庫を新設する余地もあります。
梶が谷駅
梶が谷駅には、10両を留置可能な引き上げ線が上下本線の間に1本、7両を留置可能な留置線が上り本線より北側に4本敷設されています。
航空写真を見ると7両対応の留置線群の北側が土手になっています。ここを掘削すれば留置線の増設が可能ではないでしょうか。
長津田駅
長津田駅には長津田検車区が併設されています。現状この検車区には10両40本と5両1本を留置可能な容量があります。
北側の8線は有効長が現状11~13両分ですが、航空写真を見て分かる通り、12~13両分まで延長できる余地があります。12~13両分あれば7両と5両や、10両と2両を縦列駐車させることが可能になります。
恩田駅
恩田駅には東急電鉄の車両を改造等を行う車両総合事務所があります。この工場の南側は農地となっており、用地買収が容易です。
長津田駅にも近いので、工場の建て替えと同時に留置線を整備すれば、長津田検車区系統の車両の稼働数を増やすことができ、増発が出来るようになるでしょう。
まとめ
ということで、東急田園都市線・東急大井町線・東急こどもの国線・東京メトロ半蔵門線の夜間留置状況でした。今後の注目点はやはり「大井町線新製車両の内訳」でしょう。
個人的には単純な5両編成だけの置き換えではなく、一部7両の新製も行って欲しい所です。大井町線の混雑平準化・緩和に期待しています。
なお、同系統を20分サイクルにしたらどのようなダイヤになるか考察した記事があるので、興味がある方は是非ご覧ください!
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