日本の鉄道路線を全て全時間帯20分サイクル化してみようの回。今回は東急線の東横線・目黒線・新横浜線を取り上げます。
優等列車の停車駅設定私案
まず本数設定の前に、東横線・目黒線については種別名と停車駅の設定を刷新します。種別名の整理が旅客案内の上で混乱を招くのであれば、既存種別に黒太文字で書かれた駅を新規停車駅として追加するだけでも良いです。
具体的な停車駅設定は下記の通り。
種別名を変更する理由は、直通先の西武池袋線や東武東上線と種別名を統一するためです。西武池袋線や東武東上線では副都心線への直通種別を快速急行としていますが、東急と東京メトロは快速急行ではありません。
東急・東京メトロ側が最速達種別を快速急行としても問題にはならないので、であればFライナーを快速急行で統一すれば分かりやすいかなと思います。とはいえ、新横浜・渋谷・小竹向原・和光市で種別変更するのは日常茶飯事のことですので、あまりこだわる必要はないかもしれませんが。
種別名を現行通りとすると、最速達の特急は現行停車駅+日吉を停車駅に追加、通勤特急は現行停車駅+綱島または新綱島を停車駅に追加します。通勤特急は新横浜線にも直通するようになり、種別変更の上、相鉄線にも直通します。
1時間あたりの列車本数私案
そして、1時間あたりの列車本数は下記の通りになります。
朝ラッシュ(上りのみ)
まず朝ラッシュは、目黒線の方は種別名変更のみで変更点はほぼありません。強いて言うなら各駅の折り返しの負担を減らした結果、武蔵小杉始発の列車が減少したことでしょうか。
東横線の方は、優等種別を1種類に統一しました。優等列車は最低限田園調布と学芸大学を通過すべきだと思います。
多摩川については、私案では通過にしています。しかし、利用動向次第で停車するのもアリでしょう。
現行のダイヤでは自由が丘だけでなく、祐天寺でも追越をしていますので、優等列車に混雑が集中してしまっています。少しでも各駅停車側に旅客を流すため、学芸大学を通過にし、学芸大学駅利用者の選択肢を無理矢理各駅停車だけにすることで、混雑分散が図れると思います。
昼間
昼間のダイヤも20分サイクルにすると以上のようになります。具体的なダイヤも画像を下記に添付しておきます。
20分サイクル化のメリットとしては、まずFライナーが毎時6本になること。副都心線の優等列車も毎時6本になるので、副都心線内では優等列車の混雑が緩和します。
また新横浜線に直通する列車の本数が1.5倍になります。さらにSトレインが全体のダイヤに及ぼす悪影響が少なくなり、設定しやすくなります。
一方デメリットは横浜口の混雑が悪化すること。優等列車は毎時9本に増えますが、Fライナーの10分サイクルがメインで、準急はおまけとなるからです。
東横線内で実質優等列車が毎時6本しかありません。また各駅停車の本数も渋谷口・横浜口共に毎時6本なので、各停の混雑が悪化するでしょう。
そのため、20分サイクルでは夕ラッシュ向けに別のパターンダイヤを用意する必要があります。
夕方
夕方のダイヤも20分サイクルにした場合、まず東横線の最速達種別と各駅停車は毎時9本になります。全て元町・中華街行きなので、横浜口も優等列車・各駅停車共に毎時9本に増発されます。
逆に準速達列車は相鉄線直通のみとなり、毎時3本に減便となります。(現行のダイヤは元町・中華街行き通勤特急4本、元町・中華街行き急行4本、湘南台行き急行4本、各駅停車8本)
またQシート連結列車は毎時3本に増発されます。したがって、Qシート連結車両を現行より増やす必要があります。
2024年より、Qシートサービスは4・5号車の2両から5号車のみの1両に縮小となりました。4号車のQシート車両をサービスを展開しないまま放置するのはもったいないので、車両組み換えをすることでQシート連結編成が増加し、30分間隔から20分間隔に増発することが可能になります。
目黒線の方は現行ダイヤになぞらえて優等列車を毎時6本にしましたが、混雑状況によっては毎時9本に増やしても良いかもしれません。準急を毎時9本にした方が列車の運転間隔は綺麗になります。
東横線以外の直通先ダイヤも20分サイクルにすると?
東横線は目黒線や新横浜線とダイヤが一体化しており、様々な路線と相互直通運転を行っているため、直通先のダイヤもしっかり考慮する必要があります。直通先の各線も20分サイクル化した場合のダイヤ案もまとめていますので、興味があれば是非ご覧ください。
まとめ
以上が本数案です。意外にも元町・中華街の留置線が未整備でも20分サイクルダイヤが成立するので、個人的には早期に実現して欲しいです。
コメント
こんにちは。
私の感想ですが、現行ダイヤに大きな問題は無いと思うので、無理に見直す必要は無い気がしています。
特に、種別名と停車駅の大きな変更は混乱を生むと思うので、デメリットが大きい気がします。
また、Fライナーの本数増加、および、直通本数の増減は直通先の事情にも考慮する必要があります。
デメリットがそれなりにあり、それに見合ったメリットがあるのかが疑問です。
このあたりが説明されれば、感想が変わるかもしれません。
コメントありがとうございます。
東急線を20分サイクルに見直す必要性については、主に直通先の相鉄や西武側の事情が大きいです。基本的に東急側は割を食う形になります。
5社直通が15分サイクルになっている背景については、政治的に東急側の意向が強く反映されていると考えられ、他社路線は割を食っている状況かと思います。
東急が多少割を食ってでも、その他の路線が抱える問題を解決するというのが20分サイクル化の趣旨となります。相鉄や西武はもちろん、東京メトロや都営、東武にとっても20分サイクルの方が都合が良いと思います。
種別名の変更については、確かに利用者に対して混乱を招くかもしれないので、無理に種別名変更に拘る必要はありません。その旨を記事内に追加しました。
直通先の事情については、本記事に直通先のダイヤを20分サイクルした場合のダイヤについて考察した記事をリンクとして貼っておかなかったので、記事内に追加しておきました。
私の感想にお付き合いいただきありがとうございます。
また、情報を補足いただいたため
仰られている意味を理解することが出来ました。
お返事および記事の内容を拝見させていただき
西武池袋線や東武東上線に重きを置かれていると思いました(悪い意味ではありません)。
逆に私は東急線に重きを置いたコメントになってしまっていたかもしれません。
確かに種別名を直通運転を通じて統一するのは一定の意味があると思います。
というのは半蔵門線が直通先の種別で案内していることからもその需要があると思います。
Fライナーという名称は統一はされていますが
その後ろにつく種別は統一されていないという現状がありますね。
ご承知かもしれませんが
東横特急が15分サイクルなのは
湘南新宿ラインの影響によるものと思われます。
その前は
各停と急行の2種別という非常にシンプルな構成でした。
実は沿線の利便性という意味では各停と急行のみで十分だったのですが
渋谷~横浜の都市間輸送に対応することになったため
特急が登場したという流れです。
学芸大学の停車は沿線の利便性確保のためには必要で
田園調布の停車は歴史的な理由によるものと思います。
特に中目黒~自由が丘の間は住宅街が非常に密集しており
この間のちょうど中間に学芸大学は位置しています。
そして学芸大学は自由が丘や綱島と近い乗降人員の駅です。
そういうこともあり
特急の増発は東急的には選択肢に入っていないのだと思います。
記事の趣旨に沿った意見として
東急が湘南新宿ラインとの競合を意識することが無かったとしたのならば
東急的には20分サイクルがまだ現実的だったと思います。
その場合は各停と急行のみの2種別で、
一部の急行がFライナー急行となっていたと思います。
ただ、ここは私の意見を述べるための場所ではないので
お邪魔するのはこれくらいにしておこうと思います。
失礼いたしました。
いえいえ、ここのコメント欄は休み時間の高校生の駄弁りと同じくらいのフランクで気軽なものでありたいと思っていますので、貴方の意見をここで述べることは全く問題ありません。むしろ大歓迎です。
東急線が15分サイクルである理由としては、確かに湘南新宿ラインとの競合があると思います。ただ、個人的には湘南新宿ラインが東横線より便利になるとは考えにくいため、渋谷~横浜間を短絡する優等列車の本数を削っても問題はなさそうな印象です。
学芸大学駅については、確かに2023年実績ですと利用者数が自由が丘駅や綱島駅に近くなっていますが、自由が丘駅には東横線と大井町線との乗り換え人員は含まれていませんし、綱島駅は新横浜線が開業した影響で一部が新綱島駅利用に転移したためと考えられます。そのため学芸大学駅と自由が丘駅・綱島駅は利用者の変化の経緯が異なると思います。
学芸大学駅は東京都心に近い駅のため、旅客分散の観点から優等列車の通過を検討すべきだと思います。
また綱島駅については、横浜口を20分サイクルに変更した場合、夕ラッシュが「通勤特急9本・各駅停車9本」になってしまうため、綱島駅に停車する優等列車が消滅してしまいます。そのため通勤特急を綱島駅に停車すべきと主張する次第です。
では、もう少しお邪魔させていただこうと思います。
東横線の利便性については私も同感です。
実際に、急行も十分早いということと
湘南新宿ラインよりも本数が多いためです。
綱島駅の停車の需要についても同感です。
おっしゃるように新綱島駅が出来ましたが、
折り返しのバス停が綱島駅の高架の下にあり
バスの本数自体も多いためです。
学芸大学駅についてですが
確かに仰られているように
東京都心から近く
また、特に朝は祐天寺で退避を行うことから
利用者が急行に集中しやすいというのは問題点だと私も思います。
ただ、学芸大学駅は初期から急行停車駅だったということもあり
朝ラッシュ時の学芸大学駅を発車するほぼ全ての列車が祐天寺で退避するというのも
やはりちょっと考えづらい気がしました。
かと言って、東急は相鉄線直通に伴い
8両編成の一部を10両編成に増備したというのもあり
各停の比率を増やすというのも難しくなったと思います。
そして、目黒線8両とのTASCの競合の関係から新横浜線直通が10両固定になったため
その結果として祐天寺の退避が大幅に増えたと理解しています。
私も東横線のダイヤには改善する余地が全く無いとは思いませんが
渋谷横浜間の都市間輸送と沿線の利便性および価値の両立を図った結果が
今のダイヤと種別だと思っています。
色々意見が交差する部分はありましたが
それだけダイヤのパターンは奥が深いと思いました。
もちろん、私の意見が全て正しいとは思いませんし
東急の判断が全て正しいとは限らないと思います。
学芸大学駅については、平日朝ラッシュ時間帯以外で優等列車が停車するのは別に構わないと思います。
しかし、平日朝ラッシュに学芸大学駅に停車する急行を運転させ、さらにその急行が祐天寺駅で各駅停車を追い越すというのは、列車混雑に大きな偏りを生んでいるのではないかと思うのです。
朝ラッシュピーク時にも祐天寺駅を追い越すダイヤにするのであれば、優等列車の種別は全て通勤特急に格上げした方が良いのではないかと思います。
平日朝ラッシュの急行は今メチャクチャ混んでませんかね?
学芸大学駅については
問題だと感じている部分は一致しています。
おっしゃるように祐天寺駅での追い越しや
平日朝の急行の混雑についても存じ上げております。
ここまでは同感です。
しかし、この問題についての対処については意見が異なります。
もし、この問題に対して何らかの処置を行うとすれば
学芸大学駅に通勤特急も停車させるか
または、平日朝の時間帯の通勤特急の取りやめのどちらかだと思っています。
学芸大学駅の急行停車によって混雑が偏っているのであれば
朝の学芸大学駅の通過列車を無くす事で、混雑の平準化を図れるのではないかと思った次第です。
朝の時間に急行を無くすというのは
現状の東急のダイヤを見ても現実的では無いと思います。
というのは、記事に記載いただいた内容の通勤特急であったとしても
学芸大学駅のみならず田園調布駅や多摩川駅を通過することになるので
これはやはり沿線住民からしてちょっと想像が難しかったです。
余談ですが
東横線には学芸大学駅よりももっと大きな問題があると私は思っています。
特に相鉄線との直通が開始したことで
日中の下りのパターンが大きく変わったことです。
ただ、これは渋谷駅の構造や直通先の事情を考慮すると
改善の余地はあまり無いと思います。
そして、この下りのパターンによっての影響は代官山駅~都立大学駅の
短い間であることから改善の優先度は低いと思っています。
また、もう1つは蒲蒲線が実現したときに
東横線との直通をどう実現するのかという事です。
蒲蒲線はまだ実現していない事から不確定要素が多く
こちらの件も色々考察してみると面白いかもしれません。
もし、記事になるようなことがあれば拝読させて頂こうと思います。
学芸大学駅については意見の違いということなので
私からこれ以上申し上げることはございません。
それぞれの意見の違いと理由は十分共有されたと思います。
しかし、ダイヤを見ながら渡る旅 様が議論を望まれるのであればお付き合いいたしますが。
やはり東横線の現行ダイヤのように既に確定している事柄は
蒲蒲線のような不確定要素が多い事柄と比較して
議論の余地が少ないような気はします。
ただ、色々問題点がある中、
東急が判断した結果として
現在のダイヤや停車パターンがあるということだと思います。
コメントありがとうございます。ではこれで最後にしましょうか。
混雑の平準化の方向性としては、確かに優等列車を急行にするか通勤特急にするか2方向あると思います。
ただ、東横線内の駅の中で利用者が相対的に多くない学芸大学駅や田園調布駅に停車するというのはあまり良いこととは思いません。
なぜなら駅に停車する列車の本数が多い分だけ、その駅で渋滞や遅延が発生するリスクが高まるからです。
横浜・日吉・武蔵小杉・中目黒は遅延のリスクを許容してでも全列車を停車させる価値があります。
しかしそれらの駅と比べて田園調布駅や学芸大学駅に全列車を停車させる価値があるでしょうか。
現状で通勤特急という形で多摩川・田園調布・学芸大学を通過していますから、混雑平準化だけでなく遅延リスク軽減も踏まえると通勤特急に種別を統一する方が妥当だと思います。
混雑の偏りについては、全列車学芸大学に停車すれば偏りが無くなるとのことですが、これは完全に間違いです。
現状だと朝ラッシュピークの各駅停車は全列車祐天寺駅で優等列車に追い越されますから、中目黒や渋谷への先着列車が優等列車になるのは学芸大学以遠の全利用者です。
優等列車と各駅停車で運賃に差はありませんから、特段の理由がない限り優等列車に乗るのが普通でしょう。
各駅停車と優等列車の混雑を平準化するには、全優等列車を学芸大学通過にして学芸大学駅利用者の選択肢を各駅停車のみにするというのが一つの手としてあります。
他にも祐天寺で各駅停車と優等列車の追越を無くすことで各駅停車と優等列車の混雑の偏りを減らすことが出来るでしょう。
最終的にどうするのがベストなのかは旅客流動を見ていかないと分からないです。
日中の下りパターンの変更については、完全に和光市・湘南台双方の折り返しの都合が原因ですね。
毎時2本の30分サイクルでダイヤを組むのに限界が来ている証拠だと思います。
20分サイクルダイヤだと和光市での折り返しに無理が少なくなります。
蒲蒲線については、京急蒲田駅まで延伸後も東横線へは直通しないでしょう。
もし東横線に直通しようとしても、東急線は全路線車庫容量が逼迫してますので、車庫の新設が必須です。
おそらく住宅が密集している太田区内に雪が谷検車区とは別の巨大な車両基地が必要になるので、とても現実的ではありません。
そしてもし仮に車庫を新設出来たとしても東横線に多摩川線の車両を乗り入れさせる余裕はありません。
多摩川線全線を地下化してホームを延長し、さらに多摩川~中目黒間を複々線化させないと東横線への乗り入れは出来ないでしょう。
ありがとうございます。
意見が交差する部分はありましたが、
意見を交換することができて良かったと思います。
今回は私にとって身近な路線であったため、
いろいろ考える機会となりました。
また、機会がありましたらよろしくお願いいたします。